「悪い奴が、いるもんだナ。他人の一生を滅茶苦茶にして……」が第一の感想。
他のレビュアーは、微に入り細に入りストーリーを論じていますが、
私は単純に楽しめました。
ピカソという名のサイコ・キラーが登場したあたりから、暗黒小説・犯罪小説
から娯楽的要素が強まった気がします。
その意味で本作は、ライト・クライム・ノベルと言えるでしょう。
わが名はレッド (ハヤカワ・ミステリ文庫)
シェイマス スミス/Seamus Smyth/鈴木 恵
価格: ¥714 (税込) 文庫 出版社: 早川書房 発売日: 2002/09 ISBN: 4151735518 おすすめ度: ![]() Amazon ランキング: 348018位 発送可能時期: 通常24時間以内に発送 ![]() |
Mr.クインに続く、著者のデビュー2作目。
主人公のレッド・ドックは、Mr.クインのジャード・クイン同様、犯罪プランナーだ。
ただし、この2作品で主人公の性格は異なっている。
クインが純粋に職業として、金儲けとして、仕掛けを楽しむのに比べて、レッドは
ひたすらに復讐に燃えている。
自分の復讐のために、何年も、何年も時間をかけて、緻密な仕掛けを作っていく様は、
Mr.クインにあった作品としての明るい感じのユーモア性は感じられずダークなトーンである。
それは、Mr.クインよりも、主人公を描く上で復讐を目的に生きる主人公の内なる世界と、アイルランドの歴史に踏み込んでいるからだと言える。
ブラックユーモア的な楽しみはMr.クインに譲るが、作品としての完成度は高いと感じた。
主人公のレッド・ドックは、Mr.クインのジャード・クイン同様、犯罪プランナーだ。
ただし、この2作品で主人公の性格は異なっている。
クインが純粋に職業として、金儲けとして、仕掛けを楽しむのに比べて、レッドは
ひたすらに復讐に燃えている。
自分の復讐のために、何年も、何年も時間をかけて、緻密な仕掛けを作っていく様は、
Mr.クインにあった作品としての明るい感じのユーモア性は感じられずダークなトーンである。
それは、Mr.クインよりも、主人公を描く上で復讐を目的に生きる主人公の内なる世界と、アイルランドの歴史に踏み込んでいるからだと言える。
ブラックユーモア的な楽しみはMr.クインに譲るが、作品としての完成度は高いと感じた。
最後がややあっけなかったが、かなり引き込まれた。本の帯には、「闘うベストテン2002」海外ミステリー編第2位、「このミステリーがすごい!2003年版」海外編第3位とあるが、こうした高い評価を受けているのもうなづける。著者の「Mr.クイン」は未読なので是非読みたい。
完全犯罪の迂遠ではあるが用意周到な準備とそれをぶちこわしにしかねないサイコ・キラーの登場という設定の面白さ、軽妙な語り口で前中盤は★5つ。ただ、予想もしていなかったあっけない幕切れで、結末は★3つ、平均すると★4つくらい。主人公レッドは、最初はすこぶるつきの優秀なのだが、徐々に優秀のレベルが落ちてくる。最後まで、クールで頭のいい悪役のままでいて欲しかったというのは読者の欲張りか。
犯人が語るというミステリーは結構古くからありますが、そのほとんどは、犯人が捕まらない様にと、ビクビクしています。でもこの物語の主人公は、根っから悪いというか、ピンチになりかけても動じません。なんとまぁ悪くなる為に生まれてきた様な、宿命の人です。あまりにサクサクと、すごいことをやり続けていくので、かなりひどいことをしていても、怪奇的な怖さがない分、現代風です。星が4つなのは、結末が少しものたりないかな?ということで。こんな人が世の中にいて欲しくないですけどね。
犯罪を遂行する過程の描写はまあまあ楽しめるが、すぐに飽きるし、最後に明らかになる犯行の動機と真相にたいして意外性がない。同じ時間を使うなら、修道院での児童虐待についてのルポタージュでも読んだほうが良かったかな、と思ってしまう。


