ひとつ前に戻る

ヒューマン・ファクター―グレアム・グリーン・セレクション (ハヤカワepi文庫)
Graham Greene(原著)/加賀山 卓朗(翻訳)
価格: ¥1,050 (税込)

単行本
出版社: 早川書房
発売日: 2006/10
ASIN: 415120038X
おすすめ度:5.0
Amazon ランキング: 214289位
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

amazonの詳細ページへ
5スリラーなのは形だけ
体裁は追いつめられていく二重スパイを描いたスリラーですが、濃密な心理描写と運命を案じさせる余韻に満ちたエンディングは、娯楽を追及した作品では味わえないものです。
勧善懲悪のスカッと楽しめる小説や、息抜きとして肩の凝らない読み物を探している場合、この作品はお勧めできません。その手の目的ならこの作品より優れた小説がいくらでもあります。
この小説を読めば、裏切りとは何か、あるいはその他色々なことについて考えさせられると思います。
いわゆる文学全集にのるような作品ではないかもしれませんが、少し腰をすえて、じっくりと読んでみることをお勧めします。
5面白い・・
私の読解力不足かもしれませんが中盤までは、諜報員である主人公の
「立場」がいまいち把握できず、終盤で明確になる「立場」を全く予想できませんでした。
ああそうだったのか・・・と映画「シックスセンス」のような、
尤も本書の方が古いのでしょうが、ドンデン返しを受けてしまいました。
物語が優れていますし、主人公の精神的な苦悩・動揺が読み取れて
本当に手に汗握る状態となります。スパイ小説ファンなら満足できるのでは
と思いました。おすすめです。
5文学書であり、エスピオナージモノの傑作でもあり
最初はル・カレの作品のようなものか、と思って読み始めましたが、実際は、文学的なレベルが非常に高く、読み進めるに従い、読書の喜びを久々に堪能する作品でした。

ストーリーの面白さはもちろんですが、登場人物が、この人物なら次にはこういう台詞を言いそうだと思えるほどに、精緻に活写されているのですが、しかしその表現には驚くほどに少ない文字数しか要していないのです。

40歳を過ぎてからグリーンを読み始めましたが、もっと早くに読んでみたかったような、いや、この歳になってやっと判るようになったのかもの想いもあり、何れにしても、大人の文学書にして、上質のエンターテイメントでもある、不思議な作品でした。グリーンがお好きなら、お読みにならないのは損だと思います。

この本の書評を書く


本のみちしるべ Powered by Amazon Web Service