この小説は、映画化を前提に書かれたということもあって、映像化しやすいように書かれています。従って、微妙な心理描写的なものは非常に少なくなっています。それだけに、読みやすいとも言えます。
物語の舞台は、敗戦の傷痕が生々しいウィーンの街ですが、その情景が非常に上手く切り取られていて、英・米・仏・ソの4ヶ国による共同統治下という状況や、闇市の蔓延る状況、そして、地下下水道の存在と、この作品に無くてはならない状況設定を形作っています。もちろん、人物の設定も同様です。
映画とこの原作では、一部異なるところがあります。もちろん、詳細の描写は小説の方が詳しいのですが、ラストが違います。映画を見て、あのラスト・シーンが焼き付けられているせいか、個人的には、映画の方の終わり方に軍配を上げたいと思います。
とは言っても、この小説もなかなか面白い作品でした。
第三の男 (ハヤカワepi文庫)
グレアム グリーン/Graham Greene/小津 次郎
価格: ¥735 (税込) 文庫 出版社: 早川書房 発売日: 2001/05 ISBN: 4151200010 おすすめ度: ![]() Amazon ランキング: 236121位 発送可能時期: 通常24時間以内に発送 ![]() |



