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あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)
テッド チャンTed Chiang浅倉 久志
価格: ¥987 (税込)

文庫
出版社: 早川書房
発売日: 2003/09
ISBN: 4150114587
おすすめ度:4.0
Amazon ランキング: 80615位
発送可能時期: 在庫あり。

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アイデアに光るものがあるが、小説として展開がヘタクソ
SF・ファンタジー短編集。
ブに100円であったので買った。
100円の価値は充分にあります。
モチーフとしては言語学・数学SFが多く、
テーマとしては人類進化SFが多い。
形而上学の問題に科学で切り込む姿勢は、
イーガンに似ているし、
イーガン同様、冷静に考えるとギャグの世界である。
SFは宇宙人や超能力や神や心といった存在しないものをネタにしてもいいのだが、
架空論理の切れが表題作以外は弱い。
一個目の短編はただのファンタジーと言うか、
小学生でも考え付く不思議な話で激しく脱力したw
アイデアに少し光るものがあるが、
料理の仕方がヘタクソな作品が目立つ。
全作平均値以上と解説では言っているが、
平均値以上なのは表題作だけだと思う。
数学ネタも数学の面白さを訴えるのには成功してない。
0で割れば1=2も証明出来るという有名なネタは出てくるが、
0ネタなら、0を掛ければ何でも0になる以外に、
0回掛ければ1になる
(10の2乗は100
10の1乗は10
10の0乗は1
10のマイナス1乗は0.1)
10のマイナス2乗は0.01)
とか、2乗して0になる0以外の数=超数
の話題も出して欲しかった。
数学の話題も出るが小学生でも理解出来るネタばかりなので、
数学嫌いでも恐れる必要はありません。
数学SFとしては、
四色問題の反例をでっち上げたマーチン・ガードナーより芸がない
簡単な文学寄りの作品ばかりなので、
単純なメタファーに感動出来る人は感動して下さい。
SF初心者に勧めるのに良いと解説者は言っているが、
こんなもん勧めんでも、
アシモフやクラークの短編集を素直に勧めればいいと思う。

短編の名手
タイトルが気になって読んでみたら、グングン引き込まれた。
凄い作家を見逃していた。
さりげなく、凄いことを描いている。
じっくり考えさせる内容を何気なく書いているところが凄い。
目が話せない作家の一人になった。
アイディア、感情、物語
SFが苦手な私でもすごく楽しめました。
1アイディアを、冗長に引き延ばさず短編でまとめるので、飽きずに読めます。
友人が「とにかくまずは表題作だけでも絶対読め。」と凄く薦めてきたのですが、
このアドバイスが良かったです。
ですので表題作の紹介を。
語り手は言語学者。軍から異星人の言語体系の調査チームに招かれます。
相手の言葉を知る、というのは単純に林檎→appleと、置き換えの言葉を覚える、
ということではありません。
考え方も違えば、文法のあり方も変わってくるのです。
語り手は、異星人の言語を調査する中で、逆に異星人の考え方も獲得していく。
そしてその見方で自分の人生を見ていくと…。
上記のようなSFとしてのアイディアが、
痛みと喜びの伴う「物語」として構築されていくところが見事。

また、この作品、「物語り方」がまた秀逸。
語り手が「あなた」へ語りかける段落と、通常の段落とが交互に進んでいきます。
この「あなた」は、語り手の娘を差すのですが、
ブライツライトビッグシティを持ち出すまでもなく、
「あなた」という呼びかけが連呼されると、(物語の枠外の)読み手の方にも、
呼びかけられているかのような奇妙な感覚がわき起こります。
そして呼びかけておいては、すっと別の段落に切り替わる。
だから読み手は語り手に引き込まれ、「何?」と、どんどん物語にのめり込む。
これだけでもうまいなあと最初は思っていたのです。
でも、この作品に関しては、単純にそれだけではなく、
読み進めていく中で、こういう語り口、構成それ自体が、
作者の上記アイディアの表現でもあるのだ、という事に気付かされます。
それに気付いたときはぞくぞくするほど興奮しました。


良質のSFというのは
「今自分が知っていると思っている世界の有り様は当たり前の物ではない」
ということに気付かさせてくれるのだなあと、
SFというジャンル自体への苦手意識も和らげてくれた作品です。
SFってなんだ?
アニメのタイトルに使われてたんで読んでみたんですが、SFなんてほとんど読んだことのない私にはものすごく新鮮でした。
文体は論文みたいで硬い感じがするんですがそのへんが逆にいい感じで意外とラクに読み進めました。SFというジャンルに興味がもてるいい本です。
レムとチャン。
 テッド・チャンは極度に寡作な作家で、邦訳どころか本国でも単行本は一冊しか刊行されていない。その著者がSF者にどれほど評価されているかは、本書の解説に詳しく、また数々の賞を受賞していることからも一目瞭然なので、ここでは記さない。
 表題作「あなたの人生の物語」、それから「地獄とは神の不在なり」からは特に強い印象を受けた。そして、巨人スタニスワフ・レムの作品を読んだときに似た読後感をあじわった。長編と短編の違いはあるが、レムと同様SFとかミステリ、ファンタジィといったジャンル小説を超越した思索の果てとしての物語である。
 「あなたの人生の物語」のエイリアン、それから「地獄とは神の不在なり」の神は、レムの『ソラリス』や『天の声』と同様に全く理解の及ばない存在としてえがかれる。レムは作品でファーストコンタクトの不可能性を示し、本書においては著者が、理解できえない存在と出会って以降に人がどう変わっていくか、ということを考察し、描いている。そうした人々に注がれる著者の視線は……極端に冷徹である。まるで著者自身が神やエイリアンであるかのように。しかし、そこがいいのだ。読者は著者との差に愕然としながらも、思索の世界に引きずり込まれるだろう。
 チャンはレムと同様の次元、哲学SFの極北にあると断言できる。



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