理由なく暴漢に襲われる不可解なイントロから、一気に時代を逆行して第二次世界大戦時の収容所のエピソードに飛び、読者は翻弄されてしまう。ストーリーは遺伝子研究者の生活を追いながら、どんどん展開していく。
生命保険会社とのやりとりや憤り、カナダ出身であることからアメリカで異邦人扱いされる主人公、ちょっと首を傾げるような主人公の妻の特異な能力などが効果的な複線としてよく効いている。また過去の犯人探しに当たる部分では人物が入り乱れて二転三転するサスペンスの様相を呈したりと、気を緩めることが出来ない。
過去の掘り起こしや倫理人権問題など、戦争や遺伝子研究を巡るきわどいテーマを扱いつつ、堂々と書ききった感じがする。読後に爽快さと満足感を感じる会心作だ。サスペンス、ミステリ、そしてSFとして非常によく組み立てられた楽しめる作品だと思う。
フレームシフト (ハヤカワ文庫SF)
ロバート・J. ソウヤー/Robert J. Sawyer/内田 昌之
価格: ¥924 (税込) 文庫 出版社: 早川書房 発売日: 2000/03 ISBN: 4150113041 おすすめ度: ![]() Amazon ランキング: 243161位 発送可能時期: 通常24時間以内に発送 ![]() |



