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ゴールデン・フリース (ハヤカワ文庫SF)
ロバート・J. ソウヤーRobert J. Sawyer内田 昌之
価格: ¥735 (税込)

文庫
出版社: 早川書房
発売日: 1992/11
ISBN: 4150109915
おすすめ度:4.0
Amazon ランキング: 207214位
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倒叙形式の殺人の裏にひそむ思いがけない動機に、びっくり仰天
 冒頭の第1章で宇宙船内の殺人事件の様子が描かれ、犯人の名前が明かされ、以降はずっと、犯人の視点で進んでいくストーリー。ミステリで、倒叙ものと呼ばれるタイプの作品ですね。
 犯人の正体は、だから最初に分かってしまうので、そこからの話のキモは、なぜ犯人は殺人を犯したのかという動機の謎と、探偵役の人物を監視する犯人の心理描写にあります。で、一番面白かったのは、犯人が殺人をせざるを得なかったその動機が明らかになる件りでしたね。犯行の裏に隠されていた意外な真相。唖然とさせられました。
 それと、心理的に次第に追いつめられていく犯人が、探偵役の人物の複製を作り出して、彼の次の行動を探るところも面白かったな。この犯人、SFもしくは幻想小説でなければ登場できないだろう非常な変り種で、人間のコピーを作ってシミュレーションすることが出来るんです。また、狼狽のあまり頭をぽりぽりかこうとしたりするところとか、そういう、妙に人間くさい動作がおかしかった。なんだか、『刑事ゴロンボ』に出てくる犯人の悪あがきを見ているみたいで(笑)
 ミステリ小説がお好きな方に、これも面白いっすよとおすすめしたいSF。終盤の犯人と探偵の対決シーンは、わくわくしますよ。
本書の宇宙船のコンピュータはいいぞ!
SFのコンピュータと言うと、HAL9000が有名だが、

ノイローゼの被害妄想になって殺人する心の弱い香具師でイマイチだよな。

本書の宇宙船のコンピュータはいいぞ!

人類全体の利益の為に、

美少女を事故に見せかけて殺すイカした奴である。

自分を崇めよと言う神は、人類の敵だとこの本読んで再認識しました。

肝っ玉の大きい奴は、わざわざ味方だと主張せずに、

コソーリ守ってくれるもんですよ。
万能の犯罪者「イアソン」
非合理なことをするはずがないスーパーコンピューター「イアソン」が、なぜ殺人
を犯さなければならなかったのか、という点が最大のミステリーです。
きっと合理的な理由があるに違いないけれども、宇宙船内では絶対的な存在である
「イアソン」を出し抜くことは不可能に近いという、絶望的な状況に読者はスリル
を感じます。コンピューターが枕元で催眠まがいのささやきをつぶやくなんて、、、
ラストは少し考えさせられました。気の遠くなるような膨大な時間と空間、テクノロ
ジーの可能性と、コンピューターの限界に想像をめぐらせて下さい。
SFミステリの秀作
 のっけから船内コンピュータ「イアソン」による殺人のシーンが描かれます。刑事コロンボのように、殺人事件を犯人側から描く手法を「倒叙」と言いますが、本作は「コンピュータによる倒叙」という非常に珍しいスタイルです。

 ポイントになるのは、「なぜイアソンは殺人を犯すのか」「イアソンは何を隠しているのか」です。ミステリとしての捻りはさほどないのですが、驚きの真相が最後に待っています。SFミステリの新たな秀作として、双方のジャンルのファンに読んでもらいたい作品です。




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