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ドストエフスキー父殺しの文学〈下〉 (NHKブックス)
亀山 郁夫
価格: ¥1,218 (税込)

単行本
出版社: 日本放送出版協会
発売日: 2004/07
ISBN: 4140910089
おすすめ度:5.0
Amazon ランキング: 75794位
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良い解説書
 ドストエフスキーは非常に教養豊かである一方皇帝を無邪気にロシアの父と捉える民衆的な一面もあり、彼こそロシアのカオスの権化とも言え、読者が理解するのに非常に困難な存在である。作品中の隠喩が非常に多く(特に「白痴」)読むのに非常に知識が必要なこともドストエフスキー理解を困難にする原因の必要だろう。
 さて、作家もカオスなので解説者もカオスになるのがこの世界であり、ドストエフスキー解説書は兎角空想と逸脱のオンパレード(特に江川はドストエフスキーを性で捉える傾向にある)。しかし、本書ではドストエフスキーをフロイト的テクストで捉え、かつ伝記風に記載し、各著作の粗筋/解説も丁寧に記載。しっかりとした流れとしてドストエフスキーを捉えているので逸脱もなく、非常に理解しやすい。ドストエフスキー入門書としては最良のおすすめの書だ。
最新のドストエスキーの本
 『カラマーゾフの兄弟』にてサンクトペテルブルクがでてくることで
 ドストエフスキーが彼の父の死に際しての興奮と罪悪感が告白されているそうです。
 驚きの一冊です。
最新のドストエフスキーの本
 最新のドストエフスキーの本です。
 「父親殺し」がメイン・テーマとなっております。
 シラーの戯曲『群盗』がドストエフスキーの作品に多大なる影響を与えたそうです。
 また黙示録に登場する悪魔の数が666だそうです。
 これが何を物語っているかは、ぜひこの本を読んでください。
噂にたがわぬ快著
ようやく読了しました。ところどころ飛ばし読みもしましたが、講義の部分はばっちり。前半の山場は、「女主人」の解説。驚くほどの濃密さなのに、どんどん頭のなかに入ってくるという感じです。一番すごいと感じたのは、『白痴』を論じた6、7章で、ナスターシャ・フィリッポヴナを「マゾヒスト」であり、「処女」として位置づけた部分です。巻がまたがっているので、ちょっと見落としそうですが、今まで想像だにできなかった仮説です。これで『白痴』のもっている世界は根本から変わりそうです。ドストエフスキーはもういちど最初から、っていう気になりました。次に、やはり著者が「あとがき」で書いている「ワーニカはピーテルに」の俗謡の謎解きです。これはもう読んで実感するしかありません。エピローグの旅行記もものすごい迫力でした。
難しい本です
難しい本だというのが一読した後の感想です。”父殺し”というモティーフから、ドストエスキーの一生と作品をたどりなおした作品です。”また、その基本モティーフにより作品をたどることにより、新しいドストエフスキー像をも提示しています(180ページの”ポリフォニーから二元論””と312ページのあとがき)。この”父”自体が、ドストエフスキーの父、神、ロシアの観念的な知識人、そして時事的には当時のロシア皇帝に何重にも重ねられています。著者によるこれらの論点のディテールにわたる解説自体は非常に見事です。ただ600ページもの長丁場を進みながら、この基本モティーフの多層的な連関をきちんとおさえていくのは、ドストエフスキーの全作品を読んだことのある読者にとっても至難の技です。私自身はますますドストエフスキーの底知れぬ深さを再確認させられたというのが正直な感想です。



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