ホラーだ、恐ろしい、怖いという意見も多いが
私は読後感は悪くなかった。
どの作品も、日常に潜む悪意を描いている。
それも「ちょっとした」では済まされない、深い深い憎悪。
そして、多くは非常に身近な人に注がれる憎悪だ。
すべての登場人物は、どこにでもいそうな
私の隣に良そうな、いや、むしろ私自身のような
ありきたりの人々。
でも、そんな人々が殺意にもなりうる憎悪を抱えて
暮らしている。
確かに恐ろしい。
でも、どの作品も最後にその憎悪が、完全にではないけれど
小さな出来事によって、少し軽くなっていく。
ほんの少し主人公が強くなる瞬間を捉えているのではないだろうか。
何も解決していない、憎しみはゼロにはならない。
でも、主人公達は、自分を少しだけ取り戻して物語は終わる。
わかりやすいハッピーエンドにしないのは角田光代の特徴といえると思うが
それが各短編に出ていて、悪くないなと、読み終わった後思えた。
おやすみ、こわい夢を見ないように
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どこにでもいるような普通の人たちの中に
沸々と湧き上がる悪意ばかりを集めた短編集。
自分にはまったく身に覚えがないといったら嘘になるような、
そんな「ありそうなお話」です。
だからこそ読んでいて気が滅入ります。
誰かに憎悪を抱くことは、
意識をしていないだけで実は日常よくあること。
つまり、自分に思い当たることがあるとすれば、
自分の周囲の人たちにもあるということ。
人に恨まれるようなことをしていないか・・・?
自分の行動や発言を思い出して反省し、
ちょっと背筋が寒くなるような思いがしました。
心の留め金は些細なことで外れてしまうかもしれない。
いつ「殺す、殺される」の修羅場になるかわからない。
気をつけなきゃ!!
沸々と湧き上がる悪意ばかりを集めた短編集。
自分にはまったく身に覚えがないといったら嘘になるような、
そんな「ありそうなお話」です。
だからこそ読んでいて気が滅入ります。
誰かに憎悪を抱くことは、
意識をしていないだけで実は日常よくあること。
つまり、自分に思い当たることがあるとすれば、
自分の周囲の人たちにもあるということ。
人に恨まれるようなことをしていないか・・・?
自分の行動や発言を思い出して反省し、
ちょっと背筋が寒くなるような思いがしました。
心の留め金は些細なことで外れてしまうかもしれない。
いつ「殺す、殺される」の修羅場になるかわからない。
気をつけなきゃ!!
マイナスな気持ちの濃ーい短編集。
精神状態が良い時に読まないとひきこまれるかも。
実際読み終わって寝たら怖い夢を見た。心理的に迫ってくるものがある。
まぁ世の中こういう目をそらしたくなるマイナスな部分も
多々あるし、今は昔よりそういう部分がよっぽど多いかもしれない。
それでも本の中の世界位、こんなに暗い世界じゃないほうが良い。
今の世の中だからこそ、うまれてしまった作品という感じ。
この本、手元には置きたくないし、読み返しもしたくない。
現実社会の現実的なホラーという感じ。
(もちろんおばけとかなんにも出てこないけど。)
精神状態が良い時に読まないとひきこまれるかも。
実際読み終わって寝たら怖い夢を見た。心理的に迫ってくるものがある。
まぁ世の中こういう目をそらしたくなるマイナスな部分も
多々あるし、今は昔よりそういう部分がよっぽど多いかもしれない。
それでも本の中の世界位、こんなに暗い世界じゃないほうが良い。
今の世の中だからこそ、うまれてしまった作品という感じ。
この本、手元には置きたくないし、読み返しもしたくない。
現実社会の現実的なホラーという感じ。
(もちろんおばけとかなんにも出てこないけど。)
題名にひかれて、「何だか心温まる読後感の良い読み物」を期待して手に取ってしまったので、反動が大きかった。この作者の作品を読むのは初めてだったので、先入観を持たずに読もうと思って臨んだのが、間違いだったと後悔したくらいだ。
読み進むうちに、こういうことを誰もが感じるのかもしれないけれど、殊更取り上げる必要があるのだろうかとうんざりしてきてしまった。正直、悪趣味な理性、偏執的な知性、屈折した女性性、思い出に焼きごてを押すような、嫌な臭いのする作品集だった。人の脳裏に隠れ潜んでいる隙間を、落とし穴にまで広げてしまうような感性の鋭さが、人も自分も切り刻んでいくという作風を持つ人だとは、知らなかった。
私にとっては「羊頭狗肉」の本だったが、ファンにとってはどうなのだろうか…。
読み進むうちに、こういうことを誰もが感じるのかもしれないけれど、殊更取り上げる必要があるのだろうかとうんざりしてきてしまった。正直、悪趣味な理性、偏執的な知性、屈折した女性性、思い出に焼きごてを押すような、嫌な臭いのする作品集だった。人の脳裏に隠れ潜んでいる隙間を、落とし穴にまで広げてしまうような感性の鋭さが、人も自分も切り刻んでいくという作風を持つ人だとは、知らなかった。
私にとっては「羊頭狗肉」の本だったが、ファンにとってはどうなのだろうか…。
ホラー小説である。憎しみという感情が、人のなかで人知れず育ち、本人をふくむ人びとを傷つけ破壊するモンスターとして書かれているのである。そいつが、自分や家族や友人の、たとえば口の片隅や皮膚の表面からからもモレ出ているのではないかと心配になって、とても怖くなってくる。
血のつながった家族への得体の知れない嫌悪感と、親密であるはずの男女間の、親密であるがゆえのトラブル。あいつの発生源はまずはそこら辺にもとめられるだろう。愛とプライドの調整ゲーム的な後者はけっこうわかりやすいので、ややこしいのは前者。一緒に暮らしている自分と似た人に、ときどきものすごくイライラした気持ちをさせられるのはなんでなのだろうか?理屈では説明できなさそうなので、とりあえず角田さんの丁寧な小説を読んで反省してみるわけである。夢中で読んでいるうちに、余計わからなくなったりするのだが。小説のおもしろさ加減と反比例するかのように。
さらに、あの怪物の正体を解明するためには、あいつの栄養となるものについても、気をつけておかなくてはならない。連中の血となり肉となる不気味なエネルギー、すなわち「ふつうの人々」の悪意のない悪意のかたまりである。十代の同級生グループたちが向けてくる思わせぶりな視線や、バイト先の同僚たちのうわさ話などからモレ出てくる、自覚されていないありきたりの悪意。それと微妙な距離をとることで最も強烈な力を発揮するその黒く重い邪気のかたまりは、それを吸い込んでしまう敏感さをそなえている(不幸にも?)人たちを苦悩させ、彼らのなかの怪物を肥え太らせていく。たぶんこれまで何度も観察し感じ取ってきたのであろうそのプロセスを、著者はたんたんと描いて行く。
ああ、怖かった。
血のつながった家族への得体の知れない嫌悪感と、親密であるはずの男女間の、親密であるがゆえのトラブル。あいつの発生源はまずはそこら辺にもとめられるだろう。愛とプライドの調整ゲーム的な後者はけっこうわかりやすいので、ややこしいのは前者。一緒に暮らしている自分と似た人に、ときどきものすごくイライラした気持ちをさせられるのはなんでなのだろうか?理屈では説明できなさそうなので、とりあえず角田さんの丁寧な小説を読んで反省してみるわけである。夢中で読んでいるうちに、余計わからなくなったりするのだが。小説のおもしろさ加減と反比例するかのように。
さらに、あの怪物の正体を解明するためには、あいつの栄養となるものについても、気をつけておかなくてはならない。連中の血となり肉となる不気味なエネルギー、すなわち「ふつうの人々」の悪意のない悪意のかたまりである。十代の同級生グループたちが向けてくる思わせぶりな視線や、バイト先の同僚たちのうわさ話などからモレ出てくる、自覚されていないありきたりの悪意。それと微妙な距離をとることで最も強烈な力を発揮するその黒く重い邪気のかたまりは、それを吸い込んでしまう敏感さをそなえている(不幸にも?)人たちを苦悩させ、彼らのなかの怪物を肥え太らせていく。たぶんこれまで何度も観察し感じ取ってきたのであろうそのプロセスを、著者はたんたんと描いて行く。
ああ、怖かった。



