恐らくお父上が転勤族だったのだろう、日本中あちこちを転校して歩いた著者の背景がわかっておもしろかった。地方都市の描き方がうまいのは、そういうことだったのね。引っ越しのたびに本の整理を余儀なくされたであろうことは十分想像がつく。恩田氏の夢は、今まで読んだ本を順番に書棚に並べていくことだそうで、この尋常でない読書量からすれば、どんな豪邸を建てても不可能だろうが、共感した。
読書量ははるかに及ばないが、私がこうしてレビューをつづっているのは、多分、同じ理由からだ。書き始めたきっかけの一つになっていることに、さっき気づいた。レビュアーとしては邪道だろうが、思い出せる限り、愛した本たちのことを書いていきたいと思う。
小説以外
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「夜のピクニック」であれこれ受賞されていた頃に刊行された雑文集。
近年の作品を読むときに感じる期待と不安はなく、ただ文章とその構成の妙を楽しめます。
世代の文章だな、と。本人がどうかと言うより表現ということに対してどこか俯瞰。「予感と残滓」とはよく言い当てたものです。
恩田陸を読まなくても楽しめます。これから読む人は恩田ワールドの参考書といったところ。
文庫化されたら待ち時間や旅行用に携えたい一冊。
近年の作品を読むときに感じる期待と不安はなく、ただ文章とその構成の妙を楽しめます。
世代の文章だな、と。本人がどうかと言うより表現ということに対してどこか俯瞰。「予感と残滓」とはよく言い当てたものです。
恩田陸を読まなくても楽しめます。これから読む人は恩田ワールドの参考書といったところ。
文庫化されたら待ち時間や旅行用に携えたい一冊。
SFマガジン等で恩田作品の書評を読んで、また、木曜組曲(映画)を観て、面白そうだなと思いつつも読んでいない。そんな私にとって、彼女の書物関するエッセイを集めたこの1冊から入ってしまったのは、不幸なことであった。だってね、私に彼女の1/10ほどの読書量しか無いにも関わらず、凄く読書の趣味が合うのよ。エッセイの中で彼女は自分の著書についても触れているが、謙虚でシャイな方であるからして当然自分の本をべた褒めなどしない。一方彼女以外の人が書いた本に関しては、本書に納められているその多くがあとがきでもあることから非常に好意的に面白く書かれている。となれば、どうしたって恩田作品でない方を読みたくなってしまうのだ。す、すまん、恩田さん、遠くない将来、絶対貴女の本も読むからね、とつぶやきつつ、まずはケイ・フーパーのシャドウシリーズをいそいそと読書リストに加えるのであった。
おもに作者の読書歴や本に対する愛情が綴られています。文庫本の解説に多く紙幅を割いていたのが、残念といえば残念でした。最近、「夜ピク」を読んで、前向きな姿勢を持った作者だと印象を強くしたのですが、この本を読んで、本当は暗めな小説が好きだと知り、作家の懐の深さを再認識した次第です。この本は惹句の云うように、恩田陸の私生活を覗くような出歯亀的な暴露はそれほどありません。物書きの仕事への真摯な態度が垣間見える程度です。ファン以外、それも相当な読書通以外のひとにとってはあまり楽しめないかも知れません。
もし恩田陸が大好きな人ならば、彼女の私生活をどうしても覗きたくなるはずだ。しかし、それが叶わない時、おとなしいファンとしては、ひたすらその知的作業の片鱗を覗くべく、そっと忍び寄り、垣間見た裏話にほくそ笑み、ああやはりそうだったのかと相槌を打ち、やはりあなたもそうだったのねと同志を感じ、一人合点の世界に浸るのである。
もし、恩田陸が大好きな人ならば、少々あなたの知らない彼女がそこにいたとしても、新しい魅力を十分に感じる事ができるだろう。思い描いていた彼女の仕事部屋にたたずむ事ができたと実感した人には、至福のひと時を感じさせること間違いない一冊である。
もし、恩田陸が大好きな人ならば、少々あなたの知らない彼女がそこにいたとしても、新しい魅力を十分に感じる事ができるだろう。思い描いていた彼女の仕事部屋にたたずむ事ができたと実感した人には、至福のひと時を感じさせること間違いない一冊である。



