多くの方が書いておられるので余りコメントしませんが、インテリジェンスとは何か、の
描写は優れていますが、小説としては3流でしょうね。冒頭で色々と種まきがされるのです
が、待てど暮らせど実を結びません。
また、インテリジェンスについては、知識がそれ程無いので判断できないですが、作中に
出てくる競走馬の名前「サイレントギャラクシー」「サイレントディテクター」。競馬を
やる人ならば常識だと思うんですが、中央競馬に登録できる競走馬の名前は「9文字」まで
なんで、上記の2頭は存在出来ません。どうでも良い事かも知れませんが、自分の知っている
領域でいい加減な仕事をされると後の部分まで信じられなくなり、正直白けました。
ウルトラ・ダラー
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「小説家」としてのキャリアが殆どない著者だけど、最後のページまでクライマックスを引っ張り続けた点は「素人小説家」としては頑張ったもんだと思う。(実際の諜報員ならこんな軽はずみな行動は絶対にしないと思う箇所がクライマックスにはいっぱいあるが(笑)。)
この著者はよほど小泉首相訪朝時の密室外交が気に食わないらしく、その時代の外務省を批判する文章を文芸春秋あたりに幾つか書いているが、そういった文章と併せて読むと、この小説はある特定された当時の関係者達に向けた告発小説として構想されていることがよく分かる。その辺はやはりジャーナリストが書く小説という感じではある。
それにしても、NHKワシントン支局長というのは、そんなに各国の機密情報を集めようとすれば集まるポジションなのだろうか。彼が直接握っている「インテリジェンス」の鮮度は時間と共に落ちるので、今が旬の人なのかもしれない。
この著者はよほど小泉首相訪朝時の密室外交が気に食わないらしく、その時代の外務省を批判する文章を文芸春秋あたりに幾つか書いているが、そういった文章と併せて読むと、この小説はある特定された当時の関係者達に向けた告発小説として構想されていることがよく分かる。その辺はやはりジャーナリストが書く小説という感じではある。
それにしても、NHKワシントン支局長というのは、そんなに各国の機密情報を集めようとすれば集まるポジションなのだろうか。彼が直接握っている「インテリジェンス」の鮮度は時間と共に落ちるので、今が旬の人なのかもしれない。
全体的にストーリーから脱線したどうでもいい話が多いため、
ややテンポに欠けるとはいえ、
中盤から終盤にかけての物語の盛り上がりはおもしろい。
国際情勢をめぐる問題に、
様々の立場の人間が入り乱れ、
それぞれの利害でうごめいていく様相と、
単なる偽札づくりにとどまらない、
問題の広がりはなかなかおもしろい小説だった。
読んで損はない本だと思います。
ややテンポに欠けるとはいえ、
中盤から終盤にかけての物語の盛り上がりはおもしろい。
国際情勢をめぐる問題に、
様々の立場の人間が入り乱れ、
それぞれの利害でうごめいていく様相と、
単なる偽札づくりにとどまらない、
問題の広がりはなかなかおもしろい小説だった。
読んで損はない本だと思います。
本書は、元NHKワシントン支局長としてTVにも登場した手嶋龍一による、わが国初のインテリジェンス小説として、’06年にベストセラーとなった。
主人公は在日英国情報部員スティーブンである。彼の元へ「新種の偽百ドル札(“ウルトラ・ダラー”)がアイルランドのダブリンにあらわれた」という情報が入るところから物語は始まる。
この北朝鮮製とみられる“ウルトラ・ダラー”の謎解きを軸に、拉致問題、ハイテク企業の陥穽、外交官の暗闘など、あらゆる問題を巻き込んで、それこそ世界を股に駆けた北朝鮮をめぐる物語が展開されるのだ。
「なにをもってインテリジェンス小説というのか」という疑問を持って読み始めたが、どうやら今のわが国が抱えている政治・外交・諜報の諸問題の情報を十分に精査・分析して書かれた近未来・問題提起小説のようである。であれば手嶋龍一のような経歴と交友関係を持った人が情報を収集しなければこのような小説は書けないであろう。
本書は、問題が多岐に渡りすぎてポイントがつかみ辛かったり、登場人物が多すぎたりと、物語小説としては未熟の部分があるが、上述のようなインテリジェンス小説という観点からすれば、その目的は充分達成した作品といえるだろう。
主人公は在日英国情報部員スティーブンである。彼の元へ「新種の偽百ドル札(“ウルトラ・ダラー”)がアイルランドのダブリンにあらわれた」という情報が入るところから物語は始まる。
この北朝鮮製とみられる“ウルトラ・ダラー”の謎解きを軸に、拉致問題、ハイテク企業の陥穽、外交官の暗闘など、あらゆる問題を巻き込んで、それこそ世界を股に駆けた北朝鮮をめぐる物語が展開されるのだ。
「なにをもってインテリジェンス小説というのか」という疑問を持って読み始めたが、どうやら今のわが国が抱えている政治・外交・諜報の諸問題の情報を十分に精査・分析して書かれた近未来・問題提起小説のようである。であれば手嶋龍一のような経歴と交友関係を持った人が情報を収集しなければこのような小説は書けないであろう。
本書は、問題が多岐に渡りすぎてポイントがつかみ辛かったり、登場人物が多すぎたりと、物語小説としては未熟の部分があるが、上述のようなインテリジェンス小説という観点からすれば、その目的は充分達成した作品といえるだろう。
最近興味のある、北朝鮮もの。北朝鮮が「ウルトラ・ダラー」なる贋金を刷り始め、それをヒーローたちが阻止しようとする、という話。
かっこいいスパイものというと 007 の名前があがると思うが本作もイギリス人のイケメンスパイが日本とヨーロッパとアメリカで活躍するという話であり、かつ「現代の秘境」北朝鮮が悪役であって、つぼをきちんとおさえたスパイものと言える。エキゾチックな日本人美女が恋人役で登場するのも、007 的話型をよくなぞっているだろう。最後陳腐な恋愛小説みたいになっていくのはいただけないが。この人は恋愛小説みたいなのは書かないほうがよい。
しかし、佐藤優先生との対談「インテリジェンス武器なき戦争」では、本書には多分に「嘘のような本当」がまぶされているということが語られていたが、どこがほんとか分からんが、半分事実に基づいた話と思って読むとすごい。いろいろ制約があったのだろうが、ノンフィクションで出して欲しかったなあ。
かっこいいスパイものというと 007 の名前があがると思うが本作もイギリス人のイケメンスパイが日本とヨーロッパとアメリカで活躍するという話であり、かつ「現代の秘境」北朝鮮が悪役であって、つぼをきちんとおさえたスパイものと言える。エキゾチックな日本人美女が恋人役で登場するのも、007 的話型をよくなぞっているだろう。最後陳腐な恋愛小説みたいになっていくのはいただけないが。この人は恋愛小説みたいなのは書かないほうがよい。
しかし、佐藤優先生との対談「インテリジェンス武器なき戦争」では、本書には多分に「嘘のような本当」がまぶされているということが語られていたが、どこがほんとか分からんが、半分事実に基づいた話と思って読むとすごい。いろいろ制約があったのだろうが、ノンフィクションで出して欲しかったなあ。



