筒井のドタバタというか、ものすごい風刺の効いた本なのだが、やはり最後の方は爆笑してしまう。
このシリアスな話題を扱いながら、どこかで笑わせる、しかも大爆笑というのは筒井の常套手段だが、この本でもパワーは落ちているとはいえ、如何なく発揮。
内容は、老人が増えすぎて若者が支えられなくなったので、地区を決めて老人同士バトルロワイヤルみたいに殺し合いをさせるという法律が成立したため、殺し合いをする老人たちの泣き笑いドタバタ。(地区ごとに1名しか生き残れない。もし期限を過ぎても何人かが生き残っていたら、公務員に皆殺しされてしまうというルールがある)
この人の本で、喫煙家が追い詰められていき最後は全人類と戦って討ち死にみたいなのもあったが、世の中なんでも極端に考え詰めると、この様になってしまうのだろう。
老人の殺しあいというとんでもないテーマにもかかわらず、最後の象が出てくる所や、鯨を撃つでかいモリのようなので人を殺す場面などは、あまりのはちゃめちゃに涙が出そうになるくらい面白い。
しかし本当にこんな世の中が来ないように祈ってます。
※東海道戦争あたりをもう一度読み直したくなりました。
銀齢の果て
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「老人相互処刑制度」。普通の作家がこんな設定で作品を書いたとしたら、作家としての実力はさておき、当然、設定自体に賛否両論が巻き起こるに違いない。だけど、記憶ではこの作品が小説新潮に連載されていた当時も、単行本として出版されたときも、そんな騒ぎになった記憶はない。記憶にあるのは、話題になった「バトルロワイヤル」との比較くらいだが、小説として問題にならない(比べ物にならない)といった意見が殆んどだったように思う。
こういった刺激のある内容にもかかわらず、題材に対する非難がおこらなかったのは、筒井康隆の、小説家としての実力と、文字と文章を武器とする小説家という職業への誇りとこだわりに基づく行動にあるのだと思うが、それと同じくらい《70歳を越えた》筒井康隆が書いたという事実も大きかったように思う。
老人問題という大きな問題提起を含んだ小説だが「筒井康隆の小説」として考えた場合、題材と舞台設定は強烈だが、登場人物もストーリーもそれに埋没してしまっているので、話題作ではなり得ても、オビの宣伝に書いてあるような“新たな代表作”にはなり得ないと思う。舞台設定を整えた後は筆の勢いにまかせて突っ走ってしまった。そんな感じがする。
ただ、この年になっても突っ走ってしまうところが、筒井康隆の凄いところだとも思うのだが。
再読で新たに気付いたことがひとつ。それは初読の時には拍子抜けしてしまったラストシーンなのだが、登場人物の一人が最後につぶやくひとことは、実は、著者のもの凄い皮肉が込められた言葉だったのではなかろうか。
こういった刺激のある内容にもかかわらず、題材に対する非難がおこらなかったのは、筒井康隆の、小説家としての実力と、文字と文章を武器とする小説家という職業への誇りとこだわりに基づく行動にあるのだと思うが、それと同じくらい《70歳を越えた》筒井康隆が書いたという事実も大きかったように思う。
老人問題という大きな問題提起を含んだ小説だが「筒井康隆の小説」として考えた場合、題材と舞台設定は強烈だが、登場人物もストーリーもそれに埋没してしまっているので、話題作ではなり得ても、オビの宣伝に書いてあるような“新たな代表作”にはなり得ないと思う。舞台設定を整えた後は筆の勢いにまかせて突っ走ってしまった。そんな感じがする。
ただ、この年になっても突っ走ってしまうところが、筒井康隆の凄いところだとも思うのだが。
再読で新たに気付いたことがひとつ。それは初読の時には拍子抜けしてしまったラストシーンなのだが、登場人物の一人が最後につぶやくひとことは、実は、著者のもの凄い皮肉が込められた言葉だったのではなかろうか。
久しぶりにスカッとしました。
老人は身勝手です。もう充分生きたはずなのに、それでも長生きをしたがる。ボケたり寝たきりになったり、意固地になって子供たちの家庭を崩壊させ、せっせと納めた税金を食い潰し、年金を溜め込んで経済活動を停滞させ、後の世代が苦しむことなど気にしていない。
こんなことが実際にあったら、どれだけ年金や医療費やその他老人にかかる公費が削減されるだろうと思いました。
老人は身勝手です。もう充分生きたはずなのに、それでも長生きをしたがる。ボケたり寝たきりになったり、意固地になって子供たちの家庭を崩壊させ、せっせと納めた税金を食い潰し、年金を溜め込んで経済活動を停滞させ、後の世代が苦しむことなど気にしていない。
こんなことが実際にあったら、どれだけ年金や医療費やその他老人にかかる公費が削減されるだろうと思いました。
50歳代の私には、10代後半に乱読した、70年前後の筒井作品を彷彿とさせつつ、でもやはり全盛期ほどの毒気のパワーに欠けるような、懐かしさと少しの寂しさを感じる作品でした。
作中に山下洋輔作曲の楽譜が挿入されているのも、懐かしいような感じがしました。
筒井作品の「ベスト1」にはならないと思いますが、まだまだ現役作家として活躍中の確認ができました。
作中に山下洋輔作曲の楽譜が挿入されているのも、懐かしいような感じがしました。
筒井作品の「ベスト1」にはならないと思いますが、まだまだ現役作家として活躍中の確認ができました。
主題は非常に挑戦的・野心的で、引きつけられるものがあります。
筆者が実際に70歳になるのを待った作品ということで、
いかなメッセージがこめられているのかと期待を膨らまさずにいられませんでした。
が、そこにあったのは多くのお年寄りが淡々とした殺し合いを続けるさまだけ。
ブラックユーモアとサスペンスのいずれに受け止めようとしても中途半端で物足りない描写が続き、
果たしてどのような感想を読者に持たせたかったのか、はかりかねてしまいます。
散見される筆者の本音らしき文言は問題解決の糸口や指標などにはなりえない性質のもので、
問題提起から先がないままに終わる本作には、思いつきで最後まで突っ走った印象が残ります。
筆者が実際に70歳になるのを待った作品ということで、
いかなメッセージがこめられているのかと期待を膨らまさずにいられませんでした。
が、そこにあったのは多くのお年寄りが淡々とした殺し合いを続けるさまだけ。
ブラックユーモアとサスペンスのいずれに受け止めようとしても中途半端で物足りない描写が続き、
果たしてどのような感想を読者に持たせたかったのか、はかりかねてしまいます。
散見される筆者の本音らしき文言は問題解決の糸口や指標などにはなりえない性質のもので、
問題提起から先がないままに終わる本作には、思いつきで最後まで突っ走った印象が残ります。



