似たような設定の小説は数あれど、この物語が例えばコミックやドラマでも成り立つ
のかと考えてみるとこの作品の書き方のすごさがよくわかる気がしてくる。
ひとつあげれば主人公の名前について出てくるのが終わりから二つ目の章で、それも
「そういう名前だったの」「にんべんのつくほうかと思った」などという会話で処理され
結局わからず終いの所など、まあ遊びといえば遊びかも知れないけれど小説ならでは
の楽しみだと感じた。にんべんが付いても同じ読みをする名前って.....「有」?
また、この作品でも長嶋氏の描く女性像が実にイイ。
夕子ちゃんの近道
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小説好きが好みそうな小説。私もさわやかな読後感を持った。
主人公のバックグラウンドは作中ほとんど語られない(大卒ということくらい)
だが世のしがらみを捨てた後も(あくまで一時的ですよね。また元の場所に戻っていくのが何となく分ります)捨てる前も、本人の孤独になんら変わりはない。ただ捨てた後は、周囲に嫌いな人、苦手な人がいなくなった。そういうスタンスに身を置いたのだ。
小説は主人公を視点人物にして、周囲の人間を描き、読者はそれに寄り添って心地よく読み進んでいく。
だが、読み終わって心を占めるのは、語り手の主人公なのだ。それを取り巻く登場人物がはかないくらい背景に退いていく。すらすらと読み進み、本を閉じて初めて、主人公のこれまでの人生を、具体的ではなく漠然と想ってしまう。これはやはり、この小説の力だと思う
主人公のバックグラウンドは作中ほとんど語られない(大卒ということくらい)
だが世のしがらみを捨てた後も(あくまで一時的ですよね。また元の場所に戻っていくのが何となく分ります)捨てる前も、本人の孤独になんら変わりはない。ただ捨てた後は、周囲に嫌いな人、苦手な人がいなくなった。そういうスタンスに身を置いたのだ。
小説は主人公を視点人物にして、周囲の人間を描き、読者はそれに寄り添って心地よく読み進んでいく。
だが、読み終わって心を占めるのは、語り手の主人公なのだ。それを取り巻く登場人物がはかないくらい背景に退いていく。すらすらと読み進み、本を閉じて初めて、主人公のこれまでの人生を、具体的ではなく漠然と想ってしまう。これはやはり、この小説の力だと思う
派手な事件が起こるわけでもなく劇的な秘密があるわけでもないので、
正直言って最初のほうは少し物足りない印象を受けましたが、
読み進んでいくにつれて、フラココ屋の世界がどんどん自分の中に広がりました。
構成がうまいのもあるし、なにより、語り手と周囲との距離が絶妙なんですね。
まったくわざとらしくなく自然に話が展開していくので、
無理せずに時の流れについていくことができます。
最後の章もよかったのですが、主人公が出ていってしまった後のことはふれずに、
想像にゆだねるほうが、個人的には好みだったかなと思います。
でもパリの話もすてきだし、読後感はあたたかくなるので、好みの問題かと思います。
正直言って最初のほうは少し物足りない印象を受けましたが、
読み進んでいくにつれて、フラココ屋の世界がどんどん自分の中に広がりました。
構成がうまいのもあるし、なにより、語り手と周囲との距離が絶妙なんですね。
まったくわざとらしくなく自然に話が展開していくので、
無理せずに時の流れについていくことができます。
最後の章もよかったのですが、主人公が出ていってしまった後のことはふれずに、
想像にゆだねるほうが、個人的には好みだったかなと思います。
でもパリの話もすてきだし、読後感はあたたかくなるので、好みの問題かと思います。
主な登場人物
○主人公は多分中年にさしかかった男。勤めに嫌気がさして辞めた。でも、結構な資産持ちであくせくする必要はない。印象は明るくないが、温和で丁寧なしゃべり方をする。フラココ屋という骨董品店の狭い二階に住み、その店の手伝いをしている。
○フラココ屋店主幹夫・・中年で妻子持ち、商売に精を出しているが商売人というほどがめついところも細かさも癖もない。フランソワーズの元カレ説も
○瑞枝・・30の中頃で夫と長期別居中のイラストレーター。なれ親しい感じでやや浮世離れしている。
○八木朝子、夕子・・朝子は美大生、夕子ちゃんは定時制高校生、ちょっとずれた感じで優しい。
○フランソワーズ・・フランス人の中年女性で日本語が達者。
これらの人々がそれぞれ時間とともに移ろいながら、なぜかゆるい結合を保ち仲良くしている物語。生活感、現実感がうすく、癒し系のストーリーです。
○主人公は多分中年にさしかかった男。勤めに嫌気がさして辞めた。でも、結構な資産持ちであくせくする必要はない。印象は明るくないが、温和で丁寧なしゃべり方をする。フラココ屋という骨董品店の狭い二階に住み、その店の手伝いをしている。
○フラココ屋店主幹夫・・中年で妻子持ち、商売に精を出しているが商売人というほどがめついところも細かさも癖もない。フランソワーズの元カレ説も
○瑞枝・・30の中頃で夫と長期別居中のイラストレーター。なれ親しい感じでやや浮世離れしている。
○八木朝子、夕子・・朝子は美大生、夕子ちゃんは定時制高校生、ちょっとずれた感じで優しい。
○フランソワーズ・・フランス人の中年女性で日本語が達者。
これらの人々がそれぞれ時間とともに移ろいながら、なぜかゆるい結合を保ち仲良くしている物語。生活感、現実感がうすく、癒し系のストーリーです。
フラココ屋というアンティークショップに居候し、バイトとして働く
『僕』が主人公。
てっきり夕子ちゃんが主人公なんだと思いましたけど・・・。
長嶋さんの作品らしく、主人公である『僕』はつかみどころのない
世間からちょっと外れてしまった感じの人。
『僕』の経歴が一切書いてなく、
なぜフラココ屋で働くようになったのかも
まったく説明されておらず、
そして彼の回りの人間もそんなことには執着せずに 毎日を送っている。
そこになんだかゆる〜い時間が流れ、 こんな生活でもいいのかな、と思わせる。
人生のちょっとした夏休み、そんな感じの 『僕』の日常。
大きな事件が起こることもなく、 日々淡々と流れていく時間が
でも、何故だか愛おしく感じられる。
長嶋さんの作品を読むと、
人生急いでいくばかりじゃないんだよ、
たまには途中下車してノンビリするのもいいんじゃない?
なんて気持ちになります。
実際にはなかなかそうはなれないけど、
本を読んでる時間だけでも
そんな風に思えると
それだけで幸せに思えます。
『僕』が主人公。
てっきり夕子ちゃんが主人公なんだと思いましたけど・・・。
長嶋さんの作品らしく、主人公である『僕』はつかみどころのない
世間からちょっと外れてしまった感じの人。
『僕』の経歴が一切書いてなく、
なぜフラココ屋で働くようになったのかも
まったく説明されておらず、
そして彼の回りの人間もそんなことには執着せずに 毎日を送っている。
そこになんだかゆる〜い時間が流れ、 こんな生活でもいいのかな、と思わせる。
人生のちょっとした夏休み、そんな感じの 『僕』の日常。
大きな事件が起こることもなく、 日々淡々と流れていく時間が
でも、何故だか愛おしく感じられる。
長嶋さんの作品を読むと、
人生急いでいくばかりじゃないんだよ、
たまには途中下車してノンビリするのもいいんじゃない?
なんて気持ちになります。
実際にはなかなかそうはなれないけど、
本を読んでる時間だけでも
そんな風に思えると
それだけで幸せに思えます。



