不条理感たっぷりの内容が、タイトルにピッタリだと思いました。
こういう亡霊自体はそんなに怖くないなぁと思います。
でも、主人公の女性のどんどん追い詰められていく心理状態の描写は
なかなか怖かったんじゃないかなぁと思います。
訳がかなり直訳過ぎて、日本語の単語で英文作ってるみたいでした。
文章がもっと自然なら、もっと怖さが味わえたんじゃないかと思います。
ねじの回転 (新潮文庫)
ヘンリー・ジェイムズ/蕗沢 忠枝
価格: ¥460 (税込) 文庫 出版社: 新潮社 発売日: 1962/07 ISBN: 4102041028 おすすめ度: ![]() Amazon ランキング: 134629位 発送可能時期: 在庫あり。 ![]() |
1898年のヘンリー・ジェイムズの作品。この様な幽霊といった不可解な物を描く作品は、娯楽作としてアイデアの一つとしてこの世界に現象させるタイプと人間心理の発露として描くタイプがある。スティーヴン・キングやエリアーデの作品やどっち付かずの不出来で不可解性が変に魅力になってしまっている作品ももちろんある。本作は短い作品ながらその境界を曖昧な物として最後まで行き着く。主人公の女家庭教師から見た、幼い子供の不可解さ。それを早熟だと相手を自分本位の見解で決め付けた視点と、噛み合わない幼い子供自身の実は無邪気なだけの見解のすれ違いを書いている様でもある。自分の常識では測れない不可解な物をモンスターとして決め付ける大人の傲慢さであり、人が大人になって得る物と失われる物を描いているのであり、その無意識的なジレンマに悩む女性の心理を描いた物でもある。前述した事に当て嵌めれば大人が作り出した幻影、強迫観念と自分の器に合わせて認識しようとする臆病で自分本位な意識の馴れ合いが生み出した幻である。もう一つの見方は子供が主体であり、子供の精神力、それがかつてこの世に生きていた人間の影響力に寄る物か、子供自身の感情の発露に寄る物なのか、実体として表れたとも取れる。そして一番単純な見方が、幽霊自体が主体でありそのかつて生きていた者の残存思念が残っていて子供達を悪徳に引き込むという物であり、しかし商品説明でよく書いてある様な悪徳非難やその恐怖を描いた単純な作品では無い。むしろ逆である。本作で作者が言いたい事はなんであろうか。決められた所に嵌っていくボルトとナットの関係の様にねじを締める様な大人の子供に対する教育の是非を問うているのか、また大人と子供の関係に限らず、善悪の基準が決められている社会に人間を押し込む事に異義を唱えているのだろうか。その全ての個々の思念が渦巻く様に回転して幻想を生み出す事を描いている様だ。「ちび黒サンボ」の虎のバターの様に渦巻いて出来上がった物が豊穣の糧であったらいいのにね。そうはならないのだな。
かなり古い小説なのですが、今でも充分通用する、「恐怖」を題材にした小説です。
小説の冒頭の仕掛け(いわゆる、ツカミです)はかなり良いです、これからどんな展開が待ち受けているのか、とてもワクワクしますし、伏線と思われる単語も出てきて、素晴らしく摑まれます。が、やはり古典なのか、ちょっと展開がゆっくりに感じました。今現代の時間感覚からすると、です。小説内での時間の流れ、描写(心理的なものであれ、写実的なものであれ)も決して悪くは無いのですが。
比較的どうとでも取れるように意識的に、つまり読者の先を読む予測を外さないけれど、少しずらすセンスが良いです。
ただ、スティーブン・キングのような作家を、エンターテイメントと「恐怖」を融合させて読ませる作家さんを読んでしまった後では、少し見劣りするかもしれません、ちゃんと小説も進歩しているのだ、と確信しました。
古典に興味のある方にオススメ致します。
小説の冒頭の仕掛け(いわゆる、ツカミです)はかなり良いです、これからどんな展開が待ち受けているのか、とてもワクワクしますし、伏線と思われる単語も出てきて、素晴らしく摑まれます。が、やはり古典なのか、ちょっと展開がゆっくりに感じました。今現代の時間感覚からすると、です。小説内での時間の流れ、描写(心理的なものであれ、写実的なものであれ)も決して悪くは無いのですが。
比較的どうとでも取れるように意識的に、つまり読者の先を読む予測を外さないけれど、少しずらすセンスが良いです。
ただ、スティーブン・キングのような作家を、エンターテイメントと「恐怖」を融合させて読ませる作家さんを読んでしまった後では、少し見劣りするかもしれません、ちゃんと小説も進歩しているのだ、と確信しました。
古典に興味のある方にオススメ致します。
本書は1898年に発表されたヘンリー・ジェイムズの代表作。
英国郊外の古い屋敷で、若い女家庭教師が両親を失った幼い兄妹の世話をする事になるが、
そこで彼女は邪悪な男女二人の幽霊と遭遇してしまう。
その幽霊達は幼い兄妹たちにも現われているようなのだが、子供たちはそれについて何も知らないかのように振舞っている。子供たちは表面的には純真でとても良い子なのだが、陰では邪悪な幽霊たちとグルになっているらしい。そして次第に家庭教師を心理的に追いつめていく様が実に見事に描かれている。
幽霊を目撃するのはいつも家庭教師だけであり、彼女の妄想かもしれないと思ったりしながら、そして様々な謎を残したまま物語は最後まで進行していく。
翻訳に関しては所々直訳っぽい言い回しが見られたりして関心しなかったが、それを差し引いても十分楽しめる作品。また比較的短くて一気に読めるのも良い。
英国郊外の古い屋敷で、若い女家庭教師が両親を失った幼い兄妹の世話をする事になるが、
そこで彼女は邪悪な男女二人の幽霊と遭遇してしまう。
その幽霊達は幼い兄妹たちにも現われているようなのだが、子供たちはそれについて何も知らないかのように振舞っている。子供たちは表面的には純真でとても良い子なのだが、陰では邪悪な幽霊たちとグルになっているらしい。そして次第に家庭教師を心理的に追いつめていく様が実に見事に描かれている。
幽霊を目撃するのはいつも家庭教師だけであり、彼女の妄想かもしれないと思ったりしながら、そして様々な謎を残したまま物語は最後まで進行していく。
翻訳に関しては所々直訳っぽい言い回しが見られたりして関心しなかったが、それを差し引いても十分楽しめる作品。また比較的短くて一気に読めるのも良い。
知的に洗練された人々が根源的な悪と、悪がもたらす恐怖について耳を傾ける、という設定になっています。
名門の幼い兄妹を支配し、徹底的に堕落させる目的をもった亡霊たち。死んで後もこのような非人間的欲望をもつ亡霊の真っ暗で陰鬱な情熱、底知れぬ奈落が子供たちの前に口を空けています。
亡霊を見ることができるのは幼い当人たちと、彼らを守ろうとするうら若い家庭教師だけです。精神を研ぎ澄まし、霊的な戦いを挑む家庭教師には頼むもは自分自身だけです。
語り手は旧家の暖炉の前で、すでに亡き人となった家庭教師の手紙を読み上げます。語り手自身もこの事件について何も知らないのですから、いろんな憶測をもつこともできるし、家庭教師自身の妄想とさえ言えるのです。
デボラ・カー主演の映画「回転」の方も、視覚や聴覚に訴えて「やたらめったら」怖かったです。



