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オセロー (新潮文庫)
シェイクスピア福田 恒存
価格: ¥420 (税込)

文庫
出版社: 新潮社
発売日: 1973/06
ISBN: 4102020020
おすすめ度:4.5
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4奸計が引き起こす悲劇
物語を紡いでいるのはイアーゴー。
彼の出世欲から、キャシオーを失脚させるために始まった計略により、誠実な軍人オセローはデズデモーナを疑い、ついには絞め殺してしまう。

デズデモーナの不義は嘘であったと知らされた時のオセローの衝撃は大きい。

物語の真相を知るのは、イアーゴーと神の視点の読者(観客)のみ。
観客は、イアーゴーの犯す悪事を最初から目撃しながら、イアーゴーの悪事がどこまで成功してしまうかを固唾を飲んで見守ることになる。

キャシオー、デズデモーナ、オセローがイアーゴーの手のひらで踊らされるさまをひたすらに見守るしかないもどかしさ。
悲劇の進行をすべて知った上で、オセローがようやく悲劇の真相を知るところではじめて、観客は登場人物と真相を共有し、オセローの悲劇を共感することができる。

悪事を冒頭から共有しているだけに、悪としてのイアーゴーに一番人間的な印象を感じる作品であった。
5最も信頼できる者がこの上もない裏切り者だったら
 ムーア人であるオセロー戦地で尽力し、ひたむきに国のために戦う義を重んじる将軍である。本書の中でオセロー自身が「戦の庭にあって石を枕に鋼の床と明け暮れしてまいった身にとりましては、今や戦場こそこよなき羽毛の寝床」(PP34 L5-7)
と、語っているように人々にとって彼はまさに非の打ち所のない軍人であった。
 一方このように誠実である男の人生を破滅へと導く人物として描かれているのが、オセローの旗手であるイアーゴーである。彼は、外見はオセローと同じく誠実そうで最も信頼するに足る人物に思われる。だが、実際は地位を得るという私利私欲のために手段を選ばず、妻でさえも利用するしたたかな人物である。
 この物語でオセローを悲劇のどん底に陥れる鍵となる人物はやはりイアーゴーである。彼の悪知恵により、周囲の者は口車にまんまの乗せられ、悲劇が悲劇を加速度的かつ連鎖的に生み出している。とりわけ、誠実なオセローはイアーゴーの進言を傾聴し、次から次へと事実からは程遠い虚言を鵜呑みにしてしまう。それが最悪の結末を招くこととなってしまった。
 この作品で私は改めてシェイクスピアの緻密な作品構成に感服した。オセローの妻への疑心、イアーゴーの策略などすべてが伏線となり、ひとつとして無駄がない。なるほど、これは起こるべくして起こった悲劇であり、他の結末などあり得ないと考えざるを得ない。

 
5愛することを知らずして愛しすぎた男の身の上
嫉妬の悲劇。高潔で義に厚いムーア人の将軍オセローは、
旗手イアーゴーの謀略・奸智にひっかかって、優しくて
無垢な心の持ち主の妻デズデモーナが不義を副官キャシオウと
犯していると妄想してしまう。


デズデモーナの優しさと広大な愛の心に涙が止まらない。
大詰めのオセローの罪悪感と痛みも、又、悲しい。
悪のヒーローイアーゴーのキャラクターも印象的。

舞台化を意識しつつ、美しい日本語を以て訳された福田恒存氏の
名訳は読むたびに感銘を受ける。読みながら、自分が舞台に
立っているような錯覚を覚えることさえある。

声を出しながら読むことをお薦めしたい一冊である。


5美しい
昔の自分なら、イアーゴーただ一人に煽動されたオセローはなんて馬鹿で単純な人だろうと思っていただろう。しかし、遍歴、そのほとんどが盲目な恋愛ではあるが、それを経た今となっては、デズデモーナという女性を心の底から愛していたオセローの気持ちが少し理解できたような気がした。恋愛している最中にもう一読してみたら、また違った味わい方ができるのではないかと思っている。
3古典的火曜サスペンス劇場
 誠実な男(オセロー)が悪人(イアーゴー)に騙されて、自分の最愛の妻(デズデモーナ)を殺してしまい、最後に真実を知り自殺するという物語。「クラシック的火サス」とでも言おうか。
 台詞がとにかく長いが、恋愛絡みなので古典としては読みやすいほうかも…。
 一般的なイメージの「演劇」像がここにある。いかめしい台詞が並び、そんなことしゃべらねーよと思わせる。ただ、これはあくまで古典なので昨今はまた違ったものも出てきている。西洋との文化的違いも関連するし。
 つかこうへい氏が好きなら意外といけるかも。勝手に、想像上で登場人物を殴りつけ・蹴り付けながら読むとハマリます。



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