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女の一生 (新潮文庫)
モーパッサン新庄 嘉章
価格: ¥500 (税込)

文庫
出版社: 新潮社
発売日: 1951/02
ISBN: 4102014012
おすすめ度:4.0
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最後の一文に尽きる
純真な貴族の女の抱いていた輝かしい人生の希望が、
度重なる裏切りと挫折に無残にも打ち砕かれていく一生を描いた受難劇。
だが、これは感動的な悲劇ではなく「よくある話」に過ぎないのだ。

超越的な視点を一切持たないヒロインは、たった一つの自分の人生の中に埋没して生きている。
それゆえに数々の裏切りや幻滅をいちいち真に受けて打ちひしがれる。
夢見ていた「私の」人生の輝かしさが失われ、「私の」人生が不幸に染まるのを彼女は嘆く。
しかし、それは数ある人生のうちありがちな一つに過ぎないのである。

どこまでも環境に埋没して自分の人生を哀れむヒロインと、
庶民として人生の感傷に浸ることなく逞しく生きる女中との対比が鮮やかだ。

人の一生というものの物悲しさを、優しさを感じさせながらもアイロニカルに描いた作品。
当時の自然主義文学の限界
日本の自然主義文学にも大きな影響を与えたモーパッサンの代表作。貴族階級の夢大きヒロインが、放蕩貴族との結婚によって様々な辛酸を舐めながら生きて行く様を描いたもの。

夫の浮気にも耐える、婚家のしきたりにも従う。そして、人生をまっとうするのが女の幸せだという論調。まるで、日本の近代を描写しているかのようである。作者がヒロインの姿を肯定的に描いている所に当時のヨーロッパの自然文学の限界を感じる。現在、本作を読んでヒロインの生き方に共感を抱く人は皆無であろう。むしろ、女中の方が人間らしい生き方をしている。

当時のヨーロッパの貴族階級の生活の香りと共に、(モーパッサンを含む)上流階級の女性観の狭さを感じさせる作品。
題名どおり
内容は題名どおり主人公の女性の一生を描いています。
モーパッサンが着想から完成まで約5年かけたという労作。
自然主義で有名なモーパッサンですが、読んでみると確かに描写が具体的かつやや客観的で、
人によっては(現代の流行作家の小説に読みなれた人にとっては)少々読みにくいかもしれません。
ですが読む価値は十分にあります。
個人的に最後のページで主人公の女中が言うセリフが好きです。
まあ読んでみてください。
人生の真実〜最高の名作です
私が一番愛してやまない本です。
夢見がちな修道院育ちの主人公の女性が、結婚を機に現実に直面し、打ちひしがれていく姿と、それとは対照的に男に裏切られながらも、たくましく生きる下女の姿を対照的に描きます。
現実は甘くないということ、夢を見るより現実を直視して人生をわたる者の方が上手く渡っていけると言うこと、主人公は客観的な現実をみずに夢をみるから裏切られるのだと言うことが、如実に表現されています。
現代の女性が読んでも、女性が楽しく強く生きるためには、何が必要かを示唆する、素晴らしい本だと思います。
文体の端整な美しさ
子供時代に読んだときは、女癖の悪い男に騙され、放蕩息子の犠牲になる哀れな女の話に過ぎないと思い、ストーリーの暗さにむしろ嫌悪感を覚えた。
だが成長してもう一度読み返したときは、文体の美しさに改めて魅了され、見事に描き出されている失われた貴族階級の優美さに心惹かれた。



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