人間誰でも多少はひねくれているが、この作品の語り手ほどひねくれた奴は少ないだろう。
太宰治にもっと体力があったら、『人間失格』の代わりにこういうものを書いたかもしれない。
翻訳は大変読みやすく、新訳の必要性を感じない。
地下室の手記 (新潮文庫)
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これは自虐道化的で苦しい作品だ。同時に《思想的》な意味で随分深い。
(実はこの小説、引用したい言葉がたくさんある"口語的名言"の宝庫でもある。)
個人的な感想は、感動や興奮の類は他のドスト氏の作品ほど湧き上がらない。
ひたすら、突発的・散発的な書き殴りの中に、恐ろしいほどの、人間の性の本質や、
その本質ゆえに苦しめられた著者の無限連鎖的な思考・感情の闇が克明に浮かんでいる。
ドストエフスキーの私小説という形と取った思想小説とも言える。実は主人公の道化ぶりは笑うに笑えないが"腹筋"肉痛ものです。
この手の自意識に苦しめられている人や苦しめられた人は意外と多いはずです。
笑い飛ばせないほど、実は悲劇的(喜劇的)なんです。
難解そうな思考の中に、驚くほど複雑な神経から生み出された深い世界観が見え隠れする。
(実はこの小説、引用したい言葉がたくさんある"口語的名言"の宝庫でもある。)
個人的な感想は、感動や興奮の類は他のドスト氏の作品ほど湧き上がらない。
ひたすら、突発的・散発的な書き殴りの中に、恐ろしいほどの、人間の性の本質や、
その本質ゆえに苦しめられた著者の無限連鎖的な思考・感情の闇が克明に浮かんでいる。
ドストエフスキーの私小説という形と取った思想小説とも言える。実は主人公の道化ぶりは笑うに笑えないが"腹筋"肉痛ものです。
この手の自意識に苦しめられている人や苦しめられた人は意外と多いはずです。
笑い飛ばせないほど、実は悲劇的(喜劇的)なんです。
難解そうな思考の中に、驚くほど複雑な神経から生み出された深い世界観が見え隠れする。
笑えるなどと書くと、 「なぁに言ってんだこのクソ馬鹿め!」 とあるいは思われるかもしれないが、いや実際笑えるからすごい。笑えるところがすごい。 これが何一つも笑える要素のない、ごく一般的な真面目腐りすぎた書物であったならば、僕は三ページほどで読むのをやめてたこと必須である。 もちろん、当のドスト氏は(芥川流言い方)、笑いを狙ってはいないと思う。いや、それはわからない。狙ったのかもしれない。私には謎である。 とにかくも、読むまで、 「なにが地下室の手記だ」 と敬遠していた僕は、この本の魅力にスッカリ取りつかれ、最近は頭の中で、 〈私も地下室の住人であり、ドスト氏が101号室ならば、私はもっとずっと後の部屋だろう〉 などと考える始末である。 自意識過剰な人間は、常として自分の周りには誰ひとりいないが、しかし、世界中の統計を取ってみると、もう溢れんばかりにいることだろう。 そう考えると、こうしてドスト氏のように、芸術として認められる人の条件とは、いったいなんであろうかと考える今日このごろである。 書き忘れていた・・・このような大作家ですら、(文中にあるのだが)蔑むような目でみられていることに、私は勇気が湧くなあ。
地下室にこもった男がぶちまける手記という形をとった、19世紀のひきこもり文学。
ドストを読んでいていつも驚くのは、この弁舌、人の心の描き方。
ここまで激烈でなくても、主人公のような心情におちいったことのある人間は、けっして少なくないだろう。
ニーチェや太宰と同じ系統の、非常に感染力の高い本だと思う。
主人公ネクラーソフ(名前までが冗談めいている)は、激烈な自尊心と、同じくらい激しい自己卑下の心を持ち、世界と相容れない理由を必死に弁明しようとする。
世界が悪いのか、自分が悪いのか、それともどちらでもないのか。
この、誰でも一度はぶつかる壁に、本書はひとつの思考の結末を提示している。
世界は悪い、自分も醜悪、だからひきこもる。
人間は矛盾に満ちている、という話。
2+2=4の世界に怒りをぶつけ、醜悪さを露呈したがるその心。
「自分が茶を飲めるならば、世界など破滅してもかまわない」という、ある意味極論の名言が印象的な本。
ドストの作品の転換点と言われる本書は、ドストの歴史の中の位置づけから見てもおもしろいが、単体のひきこもり文学としても、じゅうぶんに読む価値がある。
ドストを読んでいていつも驚くのは、この弁舌、人の心の描き方。
ここまで激烈でなくても、主人公のような心情におちいったことのある人間は、けっして少なくないだろう。
ニーチェや太宰と同じ系統の、非常に感染力の高い本だと思う。
主人公ネクラーソフ(名前までが冗談めいている)は、激烈な自尊心と、同じくらい激しい自己卑下の心を持ち、世界と相容れない理由を必死に弁明しようとする。
世界が悪いのか、自分が悪いのか、それともどちらでもないのか。
この、誰でも一度はぶつかる壁に、本書はひとつの思考の結末を提示している。
世界は悪い、自分も醜悪、だからひきこもる。
人間は矛盾に満ちている、という話。
2+2=4の世界に怒りをぶつけ、醜悪さを露呈したがるその心。
「自分が茶を飲めるならば、世界など破滅してもかまわない」という、ある意味極論の名言が印象的な本。
ドストの作品の転換点と言われる本書は、ドストの歴史の中の位置づけから見てもおもしろいが、単体のひきこもり文学としても、じゅうぶんに読む価値がある。
「ぼくは病んだ人間だ・・・」
出だしから、もうマイナスパワー全開です。
前半独白
中盤コメディ
後半ホラー
って感じでした。
特に中盤の主人公のへたれっぷりには
声出して笑ってしまいました。
出だしから、もうマイナスパワー全開です。
前半独白
中盤コメディ
後半ホラー
って感じでした。
特に中盤の主人公のへたれっぷりには
声出して笑ってしまいました。



