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赤と黒 (上) (新潮文庫)
スタンダール小林 正
価格: ¥540 (税込)

文庫
出版社: 新潮社
発売日: 1957/02
ASIN: 4102008039
おすすめ度:4.5
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5心理描写の密度が濃い
大傑作!この小説を読むと、やれ芥川賞だ〜、やれ直木賞だ〜などと言っている今の作家の小説など読む必要がないことがよくわかる。登場人物の心理がAからBに変化するとき、その間の過程が10段階あるとすると、スタンダールは、その10段階全てを克明に書いている。しかし、今の作家の本を読んでも、せいぜい2〜3くらいしか書いていない。スタンダールは、心理描写の密度が圧倒的に濃いのである。凡庸な作家の本を読む暇があったら、スタンダールを読もう。
5世界最古のメロドラマ小説(本当のロマンスの意味がわかる一冊)
ジュリアン・ソレルは青春の象徴です。
美しく貧しい青年が、野心を持ち最後に愛に殉じる。

本作、ハーレクイン的メロドラマの源流です。
その理由は、読んでみるとわかります。
人妻と令嬢の間で揺れる美貌の青年の生と死のストーリーです。

実は下巻が盛り上がるのですが、
下巻の情感の盛り上がりとその愛の破綻を味わうためには、
上巻は必読です。

ジュリアンが夫人の寝室に忍び込む場面と夫人のへの真実の愛に気づく場面など、
めりはりの効いた展開が本作を傑作と呼ばさせる所以であると思います。

とにかくエンターテイメントとしてのストーリーが素晴らしく、
愛に殉じる意味をしっかりと考えさせてくれます。
誰かを愛したときにその愛を考えるために読んでほしい一冊です。
5野心を征服したもの
ナポレオンに憧れる、激しく野心家で美青年のジュリヤン・ソレル。
彼が家庭教師の職をはじめとして上流社会へと徐々に入っていき、野心を実現しようとした瞬間に過去を暴かれ断頭台に消える四年弱の出来事を描く。
やはり主題となるのは恋と愛ではないだろうか。最初はナポレオンを真似て野心の実現としてはじめたレナール夫人との関係はすぐ恋にかわった。不倫の関係が露見してレナール夫人と別れ、パリで新たな恋人マチルドに出会う。気位が高く自己主張の手段としてジュリヤンを恋人にしたマチルドとの恋は激しくはあったけれど、どこかに冷たさが残るものだった。つねにレナール夫人と引き比べているジュリヤンの姿が語られる。
それでもマチルドとの結婚によって野心を達成しようとしたとき、レナール夫人からふたりの関係を暴露する手紙が届いた。ジュリヤンは激昂して彼女を撃ち、殺人未遂から死刑を宣告される。最後にすべてを投げ捨てて彼のもとへ来たレナール夫人との間に、本当の愛が生まれたのではないだろうか。
人の性格をここまではっきりと描き出している小説は他にない。そして愛と恋についても、こんなに情熱的でありながら客観的に観察して分析している小説も他にはないだろう。
5切なくなります。
フランス文学の不朽の名作、スタンダールの『赤と黒』 です。

レナール夫人(ルイーズ)と主人公ジュリアン・ソレルのどんどん燃え上がる恋の炎が見物です。

初めは駆け引き(使命感?)のつもりでルイーズを誘惑していたジュリアンでしたが、彼女の魅力に触れ、次第に本気で愛するようになります。

しかしここは不倫の恋ですから、2人には辛く悲しい別れが待っています。

何年か前に読んで以来、この本は私の愛読書です。
何度読んでもどきどきします。

新潮社の『赤と黒』の訳は比較的読みやすいと思うので、初めて読む方にもおすすめです。
5魅力的な主人公
この小説を最後まで読ませるのは、主人公ジュリヤン・ソレルの魅力、それに尽きると思います。
強い上昇志向、そして、屈折した内面。「赤と黒」を読むと、
彼が生き生きと心の中で動き回る気がします。

私が一番心を打たれたのは、レーナル夫人の純情でした。
若い男特有の、ジュリヤンの残酷な誘惑心に負けてしまった夫人。
彼女が無垢さゆえに、ジュリヤンにはまりこんでいく気持ちが、
痛いほど伝わってきました。
(そのへんがスタンダールの心理描写の巧さです)
マチルドとの、駆け引きに満ちた恋愛も、おもしろかったのですが、
レーナル夫人の恋心には、全身全霊を愛に傾けてしまった人にだけ
見いだせる「愛」の透明さがあるような気がして、惹かれます。

最後の一行にはぞくりとさせられます。

スタンダールは恋愛心理描写の達人であると、つくづく思わされる小説です。


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