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パルムの僧院〈下〉 (新潮文庫)
スタンダールStandhal大岡 昇平
価格: ¥620 (税込)

文庫
出版社: 新潮社
発売日: 1951/03
ISBN: 4102008020
おすすめ度:4.5
Amazon ランキング: 195197位
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スタンダールの代表作
あの志賀直哉は、本書の主人公であるファブリスについて「なんだ、ただのグレン隊じゃないか」とバッサリ切り捨てたそうだが(三島由紀夫の文章読本から引用)、確かに前半は主人公の金持ち貴族の放蕩ぶりが描かれており、とても共感出来るものではない。また、ナポレオン崇拝から衝動的にワァテルローの戦いに飛び込んでいく姿も滑稽にしか映らない。しかし牢獄に入ってクレリアと恋に落ちてからは、徐々に共感できる人物に変わっていく。にもかかわらず、最後の方ではファブリスのエゴとも言える行為によって結局は悲劇的な結末を招いてしまう。最後の方の行動については読者によって賛否両論あると思われ、その意味でも是非読んでいただきたい。
一方、ヒロインであるクレリアは、控え目で清楚な令嬢として描かれており、非常に日本人受けするヒロイン像だと思うのだが、西洋人も実はこういう女性に惹かれるのかなーと思ったりした。そんなクレリアが、ファブリスを助けるために牢獄の塔を大胆にも駆け上って行く場面は圧巻であり、これをクライマックスにしてハッピーエンドの話に作り変えても良い位に思った。(のは、私だけ?)
本書は大岡昇平による名訳だが、1830年頃に書かれた古典なので、所々解りづらい記述もあり、特に宮廷での政治の駆け引きに関する事柄は解り難いのだが、ある程度は曖昧な理解のまま読み進めても問題なく読了出来ると思う。
無題
上巻を読み終えた時点で登場人物達の地位や彼らの置かれた環境がほとんどわからなかった。それにもかかわらず、途中で投げ出さず下巻へ読み進めることが出来た。なぜ上巻を読み終えた時点で理解できなかったのか、まず自分の集中が足りなかったという点が上げられるが、それよりも、この物語のスケールが大きく、主人公は至る所に現れ、至る所で事件や物語が紡がれる。そしてふと気がついたら数年経っているといったような疾走感溢れる進み具合いのせいもあるだろう。どちらが良い悪いという意味でなくこの小説のすぐ前に埴谷雄高の「死霊」を読んでいたせいもあるかもしれないが、とにかくあれよあれよという間にこの物語の中に引きずり込まれてしまった。



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