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宝島 (新潮文庫)
スティーヴンソン佐々木 直次郎稲沢 秀夫Robert Louis Stevenson
価格: ¥540 (税込)

文庫
出版社: 新潮社
発売日: 1951/03
ISBN: 4102003029
おすすめ度:5.0
Amazon ランキング: 281865位
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手に汗握る冒険鐔
 スティーブンソンの宝島は、あまりにも有名な児童文学であり、その訳、出版は多岐にわたる。本書はその中でも、訳は硬い印象を受け、その対象を児童とするには難しいと感じた。しかし挿絵もリアリティーにあふれ、文体・表現も素晴らしく、手に汗握る冒険鐔としての価値はとても高いように感じられた。

 どの児童文学と呼ばれる本にも共通のことであるが、本書の主人公は「子ども」である。しかも子どもが現代のような学校の中で育ち、社会に出てゆくような教育は行われていない。出版されたのは1883年であるから、義務教育すら整っていない時代である。

 大人の中で、それを発達のモデルとして自分の中で咀嚼し、真似ることで成長するしか手段はなかったであろうが、本書のホーキンズの「生きる力」には感服させられた。生死すらも自分の判断次第で左右されてしまう冒険は、きっと宝島の宝以上に彼に大きなものを与えたであろう。物語の最後に登場する晩餐のなんと彼の楽しそうなことか。苦しい冒険を生き抜いてこその楽しみである。

 このような子ども(ホーキンズ)は、大人への警告として存在するのかもしれない。教育のもつ暴力的な意味。冒険の与える無意図的な教育・・・現代においては世間からとっくに自明のこととしてうけとめられていた教育という営みが問い直されるのは本書のような舞台においてである。

 途中第一人称が違った人物で語られる部分は読みにくかったが、素晴らしい作品であることに変わりは無い。魅力的な幾人もの登場人物(ホーキンズ以外でも)が、きっと読者を冒険の世界へと誘ってくれることであろう。
本物の冒険小説
一人の少年が宝の地図を手に入れ船乗達と財宝を探しにゆくというあまりにも有名なストーリーだが、
この本のように、古い物で読む事をお薦めしたい。
子供向けに作られた本や、完全に現代の文字や言葉遣いに直された本では、
この物語の本当の魅力は味わえないと思うからだ。
この小説そのものが、「宝の地図」のような程良い難解さと、
海賊達のような残酷さを放つようでなければならない。
「冒険」というものが、そもそも命の危険にさらされる事であり、
自分の知識をフルに活用して行うものだからだ。
この本はそれを過不足無く体験させてくれる。
名著。



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