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浪漫的恋愛 (新潮文庫)
小池 真理子
価格: ¥700 (税込)

文庫
出版社: 新潮社
発売日: 2003/05
ISBN: 4101440174
おすすめ度:4.5
Amazon ランキング: 200336位
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大人の恋愛
40代後半の既婚者同士の恋愛ものである。
このように聞いて,受け付けないと感じる方は読まない方がよいかもしれない。
物語は,「男」の亡き父親が書いた恋愛小説,
「女」の母親の恋愛,
そして,この「男」と「女」の恋愛の三重唱で綴られる。
不倫は不倫であり,望ましくないものである。
不倫を始めたときに,これが皆に祝福される結末をたどると期待するものはないであろう。
それでも,人を好きになってしまうことはあるものである。
作者は,その年齢を問わない恋愛感情を肯定する。
しかし,この手の恋はいつか決着を付けなければならず,
決着のときには,自分か家族か,誰かが傷つくことになる。
読む自分もそれは分かっているので
主人公が,若い娘のように華やいだ気分になったり,そうかと思うと,狂おしい気分になるのを傍観しながら,何か哀しい刹那的な気持ちになった。
少し胸が痛くなるような大人の純愛だ。
余韻が残る作品
先生の作品の中で、一番好きな作品は?と質問されたら迷わずに
この本と答えます。

個人的な意見ですが「大人の恋」の素敵さ辛さを、ありきたりな不倫の作品に仕上げていない所が、さすが小池先生だと思えました。
読み終えた後も主人公二人の純粋な恋が痛いほど印象的に残り、しばらく作品の余韻が心に残り、中々消えませんでした。

既婚者にとって読み終えた後、「大人の恋」について色々と考えさせられ作品です。

いつまでも女は、ときめきを、求めている。
いくつになっても女は少女のような心持ちつずけている。40歳過ぎた女主人公は、それまでは、ふつうの主婦だったはず。
ある人と出会うまでは・・・
 とても共感出来ました。どうしようもならない恋、お互い夫も妻いる二人。切なくて心が熱くなりました。普通の恋愛をしている人にはイマイチかも。でも、愛し合っても叶わない恋をしている人には、オススメ
の一冊です。

大人の恋の代表作
暗い夜空を青白く照らす月をモチーフにした,お互いに家庭を持つ男と女が強く惹かれ合う恋の物語。
暗い夜空は,主人公千津の母親が,許されない恋の果てに精神を病み,やがては家族を捨て死を選んだこと。そのことがあって千津は決して身を焦がすような恋はしないと自分の心を閉ざしてしまった心の闇。
青白く光る月は,2人の許されない状況に自分の心を抑制しつつも,静かにそして強く,押さえても押さえきれないほど熱くお互いを求め合う心の炎。
千津は自分の母親の呪縛に怯え,自分もやがて同じ道を歩むのではないかとの想いの中で,それでもお互いの心と体を強く求める燃え上がった恋の炎を全て自分自身で受け止めようとする。そうすることで母親の呪縛から逃れようとするかのように。
ただやみくもに突き進む恋ではない。常に周囲に気を配り,お互いの家庭には踏み込まず,抑制と理性を守りながらの恋である。お互いを求め合う気持ちを抑えきれなくなった時に,2人が最後に選択した結末とそこに行くまでの深く切ない苦悩。
あえて言う「若くない2人」の恋であるが,これほど純粋に惹かれ合う2人を見ていると,恋に年齢や条件は関係のないことが分かる。
「恋するとは,惹かれ,好きになり,溺れる。ただそれだけのこと」というフレーズそのものが描かれている。
許されない恋とか不倫とか,そんな単純な言葉でこの2人を語るのは間違いである。
本当にすばらしい大人の恋がみごとに描かれている。
精神的に成熟した大人の恋愛
40代後半男女に突然降りかかった恋の喜び、苦しみ、哀しみを余すところなく豊かな感性と見事な描写で描き切った最高傑作。気が狂わんばかりの恋慕の情を、「理性」でギリギリのところまで「抑制」した大人の恋の物語。

主人公千津には、禁断の恋の果てに自殺した母の影が常に付きまとう。母のような生き方を否定しつつも、皮肉にも母と同じ類の恋に堕ちてしまう千津。そして、千津が選んだ道は・・・。小説を最後まで読んでも、二人の恋の行方はまだわからない。どちらかの「死」をもって結んでない限り、この物語は永遠に続くのであろう。二人はこの先どうやって老いていくのか。読んだ後も暫く呆然と想いを馳せてしまった。

タイトルは改題前の「月狂ひ」の方が響きはよかったと思うが、それだと作中小説のテーマである「死をもって成就する恋」が前面に出てしまう。この小説のテーマは死に向かう恋ではなく、死をも越えた浪漫であると言いたいがために改題したのではないだろうか。

終盤は涙が止まらなかった。小池真理子はきっとこういう恋の経験があるのだろう。想像だけでここまで細かい心理描写ができるとは思えない。本当にすばらしかった。




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