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欲望 (新潮文庫)
小池 真理子
価格: ¥700 (税込)

文庫
出版社: 新潮社
発売日: 2000/03
ISBN: 410144014X
おすすめ度:4
Amazon ランキング: 105250位
発送可能時期: 在庫あり。

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4小池さん自身の人生論なのかな
初出は1997同名で新潮社。読んだ文庫本も12刷と人気の作品らしい。500ページ弱にもおよぶ作品である。小池さんの最近の作品(ふたりの季節)の評価がそれほどでも無い理由は「恋」「欲望」等のある種、非日常的でインモラルで殺伐としてミステリアスである文脈が変化して温かみのある作品に変化したからだろうか?
さて本作品は主人公青田類子の中学時代から中年まで(33で結婚し13年が過ぎた現在で終わる)の生き様である。おそらくは小池さん自らの生きた時代の足跡をたどる旅のようにも思う。
正しい人生だとか間違った人生などという区別が無意味な様に、多様な恋愛の形があることを類子の生きた人生をなぞりながらストーリーが進んでいく。
そしてふと今まで生きて来た足跡を振り返って眺めてみた。確実に心に刻み込まれた人生の襞を時に愛おしく撫ぜながら今を穏やかに生きている。
そんな小池さんの人生なのかなと思った作品である。
4感動しすぎで、感想が決まらない!
 最後のページを読み終えたのは、通勤しているバスが下車すべき停留所に到着しようかという寸前だった。
 読了の最後の時間が、バスの中だったというわけだ。下車する停留所にバスが停まった。でも、僕の視界に、現実社会はないも同然。視線は現実を見ているのだが、そんなものは上の空。僕の頭に再現されていたのは、『欲望』に描かれていた色々な場面を回想していた。石垣島の海で、どこまでも沖に泳ぐ彼の姿。それをずっと追っている彼女の視線。

 バスは発車する。
 『たった今、会社に行くために降りてどうするんか』

 それよりも感動の時間を長く持ちたい。
 こうして俺は、白昼にバスの中で、本の世界にとどまるために瞑想しつづけ、この小説を意図的に遅読して過ごした、3週間の幸福なひとときのことを、いつまでもいつまでも考えていた。
5例えば、ロココ調の部屋で紅茶みたいな、私の知らない世界の空気
 DVDがあり、小池真理子さんの原作と書いてあったので、小池さんの小説が
映像になってるのなら観たい、オリジナルがいちばん偉いと思っている私は、
まず原作を、と思って読みました。面白かったです。

 生まれてはいたけど、その世相はマスメディアでしか感じたことがない、
若者も社会も焦れていたような、そのくせ終焉がきたことを感じていたような時代の
雰囲気、ときどき伝承ロマンミステリーとかを読みたくなる時があるように、私の
中では、小説の中にしかない国、時代の雰囲気を堪能した感じがしました。

  『無伴奏』(June文学ガイドで紹介されてたのをきっかけで読んだので、もう
20年弱前なのね)もとても良いものを読んだなあと思った記憶がありますし、
主役格の二人の美しい青年をイラストに描いてみたりもしましたが、『欲望』にも
精神も肉体も美しい若者が出てきます。
 今までそんな言葉で表現したり、たとえたりしたことはないのに、文章を読むと
情景が目に浮かぶ映像美と、よくある俗っぽい関係も描いているのに、失われない
硬質で静謐な空気。この小説を読み出してから、味わいたいと潜在的に願っていた
小池ワールドが広がります。

 おどろおどろしいミステリーと思っていたのが、意に反して理に落ちてたりというような、
最初こんな風な話だろうと思ってたのが、肩すかしに終わったりすることも少なくない中で、
『欲望』は、ああ、こんな話なのねとふくらんだ気持ちが、途中でしぼむことなく読み終え
られます。後日譚だと思ったのが、や、まだそうじゃなかったのねと思いましたが、
それも、余韻が残ることが想像されるので、段々フェイドアウトするので、余韻をお楽しみ
くださいという感じで、この話だからこの長さが必要だと思わされました。
(なので『レモン・インセスト』が物足りないのは、書き足りない感があるからだと
思います)

 こことは違う場所に連れていってくれるのは、小説を読んで幸せに思うことです。
そのうえ、物語の人を、愛しく思ったり、切なく感じたりすることも楽しいことです。
現実の人になんの感情も湧かなくても、物語の人を大切に思ったり、もらい泣きして
しまったりする人には、とても幸せに読める小説だと思います。
5なぜ。
タイトルだけで手に取ったいわゆる「ジャケ買い」(笑)だったものの、見事にハマった。
ミステリー作家だと思って今まで避けてたけれど、いい意味で裏切られた。
こんな切ない恋愛があるだろうか?
読んだ興奮も覚めやらぬうちに映画も観たが、ラストがちょっと弱かったのが残念(泣いたけど)
5傑作
賞を獲りすぎている作家の代表作だけあって、素晴らしい読後感でした。禁断の恋愛や心理サスペンスを書かすならこの人の右に出るモノはいないと思ってましたが、純文学でもこれだけのものが書けるとは!純文学!?思う人もいるかもしれないが、これこそ私の純文学。



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