バブルの絶頂期に分譲マンションを買ったが,その直後からマンション価格が下落し,今では自分より1000万円も安い価格で同じマンションを購入した人(あなた)がいる。あなたは,妙に私に親しげにして,「一緒に家族でキャンプに行こう」などと誘うが,あなたの一家はマンション中で目の敵にされ,イジメの対象となっている。
そんな冒頭の作品『カラス』が,夜中に読んでいてぞっとするほど怖かった。私や友美を含むマンション住民の微妙な「狂い」方,あなたの一家に対する陰湿なイジメが,本当に怖い。
重松の作品は,陰湿なイジメを描きながら,どこかホッとできる救いがあるのが普通だが,本書は違う。が,これはこれで,普通の人の心の中の陰湿さを明らかに描いた作品として,読む価値があると思う。
見張り塔からずっと (新潮文庫)
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重松清と言えば、庶民の視点に立ち、スーパーマンは出てこないしハッピーエンドに終わる
話も少ないけど(結論が無い話も多いけど)、どこか温かくて読んでいて元気の出る小説を
書く作家と言うイメージが出来上がっていますが、この本はデビュー間もない時の作品でも
あり、そういったイメージとは無縁の、暗い話です。
最初の「カラス」の余りにも救いようの無さに詠むのをやめてしまおうかと思った程です。
「文庫版あとがき」が無ければ、今でも人に読むことを薦めたくなるような話ではありませ
ん。逆に言えば、「文庫版あとがき」の「見張り台」の意味を知るだけでも本書を読む価値
はあるのではないかと思います。
話も少ないけど(結論が無い話も多いけど)、どこか温かくて読んでいて元気の出る小説を
書く作家と言うイメージが出来上がっていますが、この本はデビュー間もない時の作品でも
あり、そういったイメージとは無縁の、暗い話です。
最初の「カラス」の余りにも救いようの無さに詠むのをやめてしまおうかと思った程です。
「文庫版あとがき」が無ければ、今でも人に読むことを薦めたくなるような話ではありませ
ん。逆に言えば、「文庫版あとがき」の「見張り台」の意味を知るだけでも本書を読む価値
はあるのではないかと思います。
あらかじめ断っておくが本書は暗い。
どんよりとした曇り空の下でストーリーが展開されてゆく気分である。
読後感もどんよりとした曇り空のよう。
平成17年9月現在彼の書く小説は、澄み切った青空を思わせるものが多い。
しかし、本書があったがゆえに今があるのではないか。
その意味で原点と呼ぶにふさわしい小説である。
どんよりとした曇り空の下でストーリーが展開されてゆく気分である。
読後感もどんよりとした曇り空のよう。
平成17年9月現在彼の書く小説は、澄み切った青空を思わせるものが多い。
しかし、本書があったがゆえに今があるのではないか。
その意味で原点と呼ぶにふさわしい小説である。
重松清は温かい小説を書く人だという先入観が吹き飛ぶような、ダークで陰鬱な生活感あふれる小説だ。
隣人、家族といったものの、負の面をえぐりだした心理サスペンスに近いような内容。
普通の平凡な生活の場面からここまでのことを感じてしまう作者の<感受性>は、後に発表するさまざまな小説に共通するものがある。
重松さんの本を読んだことがない人は、この本だけを読んで判断してほしくはない・・・。
逆に考えれば、このような世界から、今の苦くもあたたかい重松ワールドを、よくぞ築き上げたなあ、と思う。
隣人、家族といったものの、負の面をえぐりだした心理サスペンスに近いような内容。
普通の平凡な生活の場面からここまでのことを感じてしまう作者の<感受性>は、後に発表するさまざまな小説に共通するものがある。
重松さんの本を読んだことがない人は、この本だけを読んで判断してほしくはない・・・。
逆に考えれば、このような世界から、今の苦くもあたたかい重松ワールドを、よくぞ築き上げたなあ、と思う。
重松清という人がいい小説を書くらしい。という話を聞いていつかは読んでみたいものと思っていました。そこで初めて読んだのがこの作品。一言でいって上手いです。その団地感覚が素晴らしい。(最近は「団地」なんて言わないのかな?マンションですか?マンション群?)ここで扱われる人間模様は全て団地人間の哀しみに彩られています。黒いゴミのビニール袋をゴミの集積所まで運んでいく主人公の父親。その父親の手が汚いから?手をつなぎたがらない女の子。下品で貪欲なカラスにつつかれて破れる黒いゴミ袋のようなバブルがはじけて、当初の値段より格安になってから入居してきた新人家族をいじめる「損した症候群」の建設当時からの原住民。奥さんの意地悪が悲惨です。
どうしてこんなに悲しい哀れな日本人がいるんでしょう?東京の郊外にはこうして時代に流され傷ついたフツウの家族が住んでいる。こんなに真面目に生きて、こんなに希望があったのに。それなのにどうしてこんなに僕らは不幸なんだ!どうしてこんなに惨めなのか!
リアルでそして幻想的な庶民的スタイルが重松清の持ち味そして本領と思います。
どうしてこんなに悲しい哀れな日本人がいるんでしょう?東京の郊外にはこうして時代に流され傷ついたフツウの家族が住んでいる。こんなに真面目に生きて、こんなに希望があったのに。それなのにどうしてこんなに僕らは不幸なんだ!どうしてこんなに惨めなのか!
リアルでそして幻想的な庶民的スタイルが重松清の持ち味そして本領と思います。



