文庫になって版を重ねるロングセラーであるとともに、最近では大手書店の三省堂がキャンペーンを張り、注目を浴びた山本周五郎賞受賞作である。
本書は、精神科の病院を舞台にした群像ドラマであり、そこで暮らす患者たちの日常を、患者目線で淡々とドキュメンタリータッチで描いている。
歌を詠むチュウさん。それを清書する秀丸さん。外来で通ってくる女子中学生の島崎さん。耳が聞こえない昭八ちゃん。昭八ちゃんの甥の敬吾くん。そこには、健常者と何ら変わらない個性のある人びとがいる。しかし、彼らは何らかの理由によって外の世界では生きられない精神病患者なのである。ここにいるだけの理由が、それぞれにある。
作者は本書で、あえて精神科医であるという自らの専門分野を題材に取り、「閉鎖病棟」を管理化された私たちの社会全体の象徴としてとらえている。物語の後半で起こる殺人事件も含めて、そこで起こるさまざまな出来事は、私たち一般社会の縮図なのである。そうであるがゆえに、読者は共感し、本書からなんとも言いようのない感動をおぼえるのである。
閉鎖病棟 (新潮文庫)
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精神病患者達を割と軽快なタッチで描いており、「閉鎖病棟」というタイトルからイメージされる重厚感や悲壮感はあまり感じられない(悲惨で不幸なシーンが随所にあるものの)。それほど感動する話ではないしインパクトにも欠けるが、社会的なハンディを負った登場人物達が前向きに逞しく生きていく様には勇気づけられた。
精神的障害を持っている人に対する我々のイメージは「怖い」「危ない」等のマイナスの部分が圧倒的にあります。当然、精神に障害があるために健常者には考えられない行動を起こしたりするのですが、彼らが常時そのような精神状態ではないこと、そして精神病は治療によってある程度抑える事が出来るということを本書により知りました。また先天的な障害者と後天的な障害者とでは大きく違いますし、我々も外的なプレッシャーや肉体的恥辱を与えられる事でいつ何時そのような精神状態に陥るか分からないのかもしれないと感じました。本書にはそのような精神病患者の日常が描かれています。それはもしかしたら健常者の社会よりも純粋でより人間らしい人間の集まりであるように感じます。自分の精神状態に負い目があり、自分の起こした過去の間違った行動に対し後悔があるからこそ、彼らはより人間らしい精神状態を保つことが出来るのかもしれません。彼らの日常はこのような小説を通してでないと知ることが出来ません。その意味でも本書の役割は非常に大きいと思われます。
本屋さんでずっと気になっていました。タイトルからして暗いのかなと躊躇しておりましたが、手にとって読んでよかったです。
精神を病んだ患者さんの歩んできた様々な人生、病棟での仲間、病院関係者の人間関係が大変良く描かれていると思います。内容はとても重くなりがちなのですが何故かそんな感じは見受けられず、人間の持つ純粋さ、優しさの表現が素直に入ってきました。不思議と嫌な気持ちにならない文章はなんなのだろうかと。難しいことは分かりませんがこういう描き方ってあるんだと著者の作品初めて読ませていただき感動いたしました。
最近多発する、通り魔事件。ある人がおっしゃってました。「以前は皆、仲間意識、集団意識で助け合って人と係ってきた、それが今失われつつある。」と。
この本を読んで改めて人間というのは人と係って、寄りかかりあいながら、生きていかなくてはならないし、生きていけるのだと思いました。後半は涙が溢れて電車内、困ってしまいました。人間の嫌な部分も出てきますけれど、ちゃんと救われるくだりがあり、ほっとしたり。。ほんの少しでも心が温かくなります。。是非読んでみてください。
これを機に他の作品もどんどん読んでいくつもりです。
精神を病んだ患者さんの歩んできた様々な人生、病棟での仲間、病院関係者の人間関係が大変良く描かれていると思います。内容はとても重くなりがちなのですが何故かそんな感じは見受けられず、人間の持つ純粋さ、優しさの表現が素直に入ってきました。不思議と嫌な気持ちにならない文章はなんなのだろうかと。難しいことは分かりませんがこういう描き方ってあるんだと著者の作品初めて読ませていただき感動いたしました。
最近多発する、通り魔事件。ある人がおっしゃってました。「以前は皆、仲間意識、集団意識で助け合って人と係ってきた、それが今失われつつある。」と。
この本を読んで改めて人間というのは人と係って、寄りかかりあいながら、生きていかなくてはならないし、生きていけるのだと思いました。後半は涙が溢れて電車内、困ってしまいました。人間の嫌な部分も出てきますけれど、ちゃんと救われるくだりがあり、ほっとしたり。。ほんの少しでも心が温かくなります。。是非読んでみてください。
これを機に他の作品もどんどん読んでいくつもりです。
もう発売されたの14年も前ですが、本屋の店員さんオススメコーナーにあったので(^^;)
私、店員さんの書くポップとかに弱いんです・・・
原作者さんは今はどうか知りませんが現役の精神科医だそうです。
そしてこの小説の舞台も題名でも分かるように精神科病棟です。
最初はミステリーかと思って読み始めたのですが、病院に入院する人々や通院する人々の半生を描く群像劇でもあるしサスペンス的要素もありますが、全体的に無垢な人々の優しさと切なさが出ていて、胸を打たれるものがありました。
実際の現場はどんなものか分からないのだけど、一言に精神病といっても色々なものがあって、ほとんどが無垢な人々ではないかと思いました。
私、店員さんの書くポップとかに弱いんです・・・
原作者さんは今はどうか知りませんが現役の精神科医だそうです。
そしてこの小説の舞台も題名でも分かるように精神科病棟です。
最初はミステリーかと思って読み始めたのですが、病院に入院する人々や通院する人々の半生を描く群像劇でもあるしサスペンス的要素もありますが、全体的に無垢な人々の優しさと切なさが出ていて、胸を打たれるものがありました。
実際の現場はどんなものか分からないのだけど、一言に精神病といっても色々なものがあって、ほとんどが無垢な人々ではないかと思いました。



