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メリーゴーランド (新潮文庫)
荻原 浩
価格: ¥620 (税込)

文庫
出版社: 新潮社
発売日: 2006/11
ISBN: 4101230331
おすすめ度:4.5
Amazon ランキング: 29718位
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お役所仕事に革命を
話の内容はなかなかおもしろかったが、どの問題も案外すんなり片付いてしまい、イマイチ物足りなかった。理事長たちとのやりとりや、子供の徒競走のグループ分け等、リアリティがあってよかったと思うのだが、アテネ村のゴールデンウイークイベントについてはなんとなくご都合主義のような感じがした。結局、新しい市長によってアテネ村は閉鎖されることになるのだが、市長の鶴の一声にももう少し抵抗するなどの展開を見せて欲しかった。
この作品を読んでいる間は幸せな気分にひたれる
市役所に勤める主人公が赤字続きのテーマパークの再建に取り組む。
読みやすい文章で軽いストーリの中にも、ロッキーのテーマや子供の
作文「お父さんの仕事について」などの小道具によって、気弱な主人公
が奮闘する姿が良く表されている。

主人公が勤める地方都市の公務員や、テーマパーク管理会社の理事達、
オタクのプランナー、アトラクションの手伝いをする劇団の仲間、大工の
シンジと暴走族たち、そして主人公の所属するリニューアル推進室の
メンバーと、かなり個性的なキャラクターが多数登場する。
その姿は漫画的と言っても良いだろう。実際はどうか判らないが、
作者自身楽しんで書いているように思え、その楽しさが読み手まで
伝わって来るようだ。

人生はレースじゃないよ、メリーゴーランドだよ。

なんて言った所で、現実問題として、学校では受験競争、大人に
なれば出世競争や成果主義、格差社会などが厳然として存在する。
そんな中で日々足掻いている人にとっては、この作品が一服の
清涼剤となるのではないだろうか。少なくとも、この作品を読んで
いる間は幸せな気分にひたれるだろう。
地方都市に未来はないのか
 基本的には、地方公務員の保身と無責任体質を皮肉ったユーモア作品。でも、自分のできるところを精一杯尽くす中年・啓一のストーリーは熱い。極小劇団主宰の来宮が、強引で傍若無人に、それでも一応助っ人する。
 大赤字テーマパークが活性化するところがクライマックス。それなのに結局成功譚にしなかったのは、現実がそんなに都合良く行くはずがないからか。
 タイトルのメリーゴーランドは、美しいけどあまりにも寂しい輝きを見せた。
保身の亡者
作品中の言葉を借りて、本書のエッセンスを一言で表すと、「保身の亡者」を描いていると言える。
一部の公務員の、奇妙な世界を舞台にしているが、民間企業にも似た体質が無いとは言えないし、
本作品のクライマックスの、市長選も例外では無かったところは、印象深い。

特に象徴的な点は、このテーマパークの実績が、上がると困る公務員がいるという事だ。
本来、実績が下がると困るのが普通だが、保身に徹すると、こういう理屈も成り立つというのが、面白かった。

ただ、自己の保身に躍起になる、仕事社会の黄昏を迎えつつある人々に、ある程度共感出来ると共に、少々情けなくも感じる。
こんな風に、失笑を買いながらも、保身に徹するというのは、かなり安っぽい価値観だ。
ただ、人それぞれの、生活上その他の事情もあるのだろうが。

著者は時に、サラリーマン社会の醜い部分を、ストレートかつコミカルに描く。
それは、著者の「神様からひと言」などでも同様だった。

後の「明日の記憶」や「千年樹」といった作品は、方向転換を示しているのか?
いずれにせよ、著者が描く世界には、明瞭なテーマがあり、それがダイレクトに描かれている。

十分に堪能出来た。
地方公務員の主人公が第3セクターのテーマパークを立て直すために奮闘する
第3セクターのテーマパークを立て直すために、地方公務員の主人公が奮闘する話である。その姿は、見るのが痛々しい感じがする。この主人公は、強く言えない人だから、劇団の団長や硬直した組織に翻弄されるのだが、なんとかやり遂げるのである。自分が面白いと思ったことをどんどんやらせたほうがうまくいくんだな。やはり、公務員は公僕であるから、できることなら民間の力を借りてやっていくのがいいのだろう。そうすると、コストも安く済むし、企画も面白いものになる。第三セクターのテーマパークで苦しんでいるところなんかは、励みになるのではないか。

最後のほうになると、アテネ村を争点として、市長選挙が行われる。選挙の結果どうなるのか、また主人公はどうなるのかに注目するといいでしょう。

公務員や官僚の人たちって、本書で書かれていることをやっているのかな。足の引っ張り合いというか、そういうことを行うのかな。それだったら、公務員も官僚も政治家ももっと減らしたほうがいい。人件費の無駄だな。




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