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人間・この劇的なるもの (新潮文庫)
福田 恆存
価格: ¥380 (税込)

文庫
出版社: 新潮社
発売日: 2008/01
ISBN: 4101216029
おすすめ度:5.0
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「懐疑」と「保守主義」
この本に描かれているのは徹底した「懐疑」です。

「戦後民主主義」で素朴に信じられている「理想」、「自由」「平等」「博愛」や「個性」「人道主義」に対する「懐疑」、それが本当に「称賛」に値し、人を「幸福」にするのか、という「疑問」です。

この本を読めば「懐疑」こそ「保守主義」に至る道なのだということが、よく分かると思います。
所詮は芝居が下手なのだ。
 芝居を、自己表現(というような陳腐な言葉で表現出来るほど“演戯”は浅い言葉ではないが・・・)と読み替えるならば、誰も、「自分」を存分に表現し、体験する事以外に「自由」など・・無い。
それを完全に逸脱して不条理な、生きることから遊離した「自由」を求めるのは、倒錯した精神分裂としか言えない。また、本質的な自分にどうしても相容れぬ何かを無理に「演じて」みても必ず「自分」は叛乱してくる。
「演戯」が上手くなりたいと思う。存分に・・自分を・・それこそ「自由自在」に動かせる「演戯力」を身につけたい。
草葉の陰で、福田恒存は「暴れる・・・演戯を知らぬ若者」をどう眺め、論ずるのであろうか?
学校では教えてくれない本当のこと
個性の尊重、自由に生きることの大切さ・・・・

学校で学んできたこれらの価値観を抱いて

社会に出て行ったはいいものの、

なんだか、社会はそのようにはなっていないようだ。

学んできたことは、単なる「建前」であり、

現実は、厳しいということなのだろうか?

そういうことではなくて、もっと根本から

間違っていた可能性はないだろうか・・・・?

「・・・ひとは自由について語る。・・・

・・・私たちが真に求めているのものは自由ではない。」

それでは何なのか・・・・

必然性とは? 役割りとは?

「自由とは、所詮、奴隷の思想ではないか。」

などなど、刺激的な言葉が満載。

一生かけて読んでいく本であると感じます。

星5つでは、足りません。



福田恒存がいかに偉大か
人間というのをいかに理解するか、それには古今東西さまざまな人々によって考えられてきたが、この福田恒存という人物は人間を、まるで、劇場で繰り広げられる演劇の1登場人物として、人間を捉える。
そして、その視点から、人間の悲劇性、宿命性、そして、全体性と部分性へと話を、シェークスピアを題材にしながら、論じていき、そして、最後には(筆者は明言をさけているが)超越性、すなわち神、絶対神へとつながっていく。
なぜ、超越性というのがそれほど大事なのかということ、そして、超越性を追い求めつづけた、福田恒存氏の根本思想がわかる歴史的名著である。
ようやっと
以前、「考える人」で、
坪内祐三さんが福田恆存さんを取り上げたとき、
この本について、書いていました。
すぐに読まねば、と思ったのですが、
書店で捜すぞ、と意気込んだものの、
結局捜せずじまいでした。

それから、幾星霜。
ようやっと手にして、
一気に読んで、
もう少し早く読んでおけばよかった、
と思いました。

香山リカさんが、「30代うつ」という
特異なうつ病(のような人たち)について、
いろいろなところで言及してますが、
その原因のひとつは、おそらくこの本のなかで、
福田さんが指摘している「全体を見てしまう」と、
いうところにあるのではないかと思います。
内田樹さんのいう「下流志向」の一因もあるのでは。。。

とにかく、
若いうちに読むと、なおのことよい本だと思いました。
(40前にして)



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