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旅のラゴス (新潮文庫)
筒井 康隆
価格: ¥460 (税込)

文庫
出版社: 新潮社
発売日: 1994/03
ISBN: 4101171319
おすすめ度:5.0
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「人生そのものが旅である」〜詩情とロマンに溢れた秀作
遥か昔に、異星(恐らく火星)から高度な文明を持ってやって来た祖先が、時が経つに連れ文明を失う代償として、人類が転移、予知などの特殊能力を身に付けた時代を背景に、ひたすら旅を続ける「ラゴス」の姿を描いた作品。「ラゴス」がナイジェリアにあるアフリカ第二の都市名である事と、乾いた文体から舞台はアフリカ北西部と想像される。

ラゴスの旅の一応の目的は、祖先が降り立ったという"キチ"という南の村で祖先が残した書籍を読む事である。"キチ"は宇宙"基地"の意であろう。しかし、キチに辿り付くまでの過程を読むと、旅そのものが宿命とも言える。壁抜け芸人の悲哀。怪鳥と大蛇の町。ラゴスを愛する女達との非情とも言える別れ。銀山での奴隷生活。全ての人に愛着を持たれながらも、ラゴスは南を目指すのである。そして愛馬スカシウマとの友愛は詩情さえ感じさせる。元々北の都市部で教育を受けたラゴスが書籍で得た高度な知識を活かす事によって、キチの村は栄え王国になるが、ラゴスは現代人がその高度な知識を用いる事の危険性を感じる。逆進化論者の筒井としては格好の題材の筈だが、物語はあくまで静かに進行する。そしてラゴスはキチを去り、また旅に出る...。

出逢いと別離、そして再会。略奪賊と友好的村人。現実と甘酸っぱい回顧。旅の最中でのこうした感情・状況が構成力豊かに描かれる。特に、スカシウマとラゴスが同化して谷を飛ぶシーンは美しく、ここで終っても良かった。故郷に戻ったラゴスはダ・ヴィンチよろしく万能学者として活躍するが、時代のレベルを忘れない。技術先行の現代への警鐘と言える。「人生そのものが旅である」。"氷の女王"を目指して、ラゴスはまた旅に出る...。詩情とロマンに溢れた秀作。
ラゴスの旅は続く・・・
大崎梢の「平台がおまちかね」で、「出版社営業マンが選ぶ10冊の文庫」に入っていたので久しぶりに手にした筒井康隆。
筒井康隆は昔、何冊も読んでいたが、こんな作風があったとは。
前半、時間の関係で途切れ途切れに読んだせいで、若干入り込めなかった。後半は一気読みしたので、ぐんぐん引き込まれた。ううむ、最初から腰を据えて読むべきだった。
ここでの皆さんのレビューを読んで大後悔。
次回は初めから一気読みしようと思う。
SFの要素をふんだんにちりばめつつ、壮大なファンタジーと、そして旅とは何か、人生とは何かを考えさせられる作品だった。
知性にあふれ、モラルもあり、醜い欲も無く、
いつも旅を求めて遠くを見ている、かっこよすぎるぞ、ラゴス。
きっとラゴスは今も終わり無き旅を続けているのだろう。
後味さわやか
とてもきれいなお話。1年に1回は読みたくなります。読み終わった後、さわやかな気分になりたい人にお勧め。
正統派SFファンタジーの傑作
一人の男の壮大な旅を描いた物語。
あるいは題名に則せば、旅をするラゴスを描いた作品と言ったほうが適切かもしれません。

世界観、人物、展開どれをとっても秀逸で、ラゴスの生き様に瞬く間に引き込まれていきました。
読後に「読んでよかったなぁ」と思える数少ない作品の一つです。

SF的な設定は簡潔であるため、SFに抵抗がある方や、SF初心者の方にもおすすめできる作品です。

「アルケミスト」より優れた名作だと思う
世界1000万部の大ベストセラーといわれるパウロ・コエーリョの『アルケミスト』と似たような不思議な雰囲気を漂わせた名作。

どちらも主人公が愛する人を心残りに思いながらも旅をし続けて歳を重ねていくという点で非常に似通っているのだが、
『アルケミスト』がやや宗教的というかスピリチュアル的な要素が強いためやや説教じみた部分を感じるのに対して
『旅のラゴス』はややSF的であるが癖がなく読みやすい。
 
そして人生についてより深く考えさせられるのも『旅のラゴス』の方である。

ただ、もしご興味があれば『アルケミスト』と読み比べてみると面白いと思う。



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