著者の人生経験を振返り、人を思う謙虚さ滲み出る丁寧な文章に惹かれました。
木もまた生きてきた経験があり、配慮をもって、軽んじることなく描写しています。
様々な木について、じっくりと味わういい機会になりました。
木 (新潮文庫)
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著者は老齢で、かつ多忙な身でありながら北に南に巨木を追い求める。
樹木が好きな人は数多くいても、彼女のように貪欲に樹を求める人は数少ないだろう。
生きている木だけでなく、材木になった木、材木になれなかった木にまで迫り、木の本質を見極めようとする姿はものに憑かれたようでさえある。
樹木が好きな人は数多くいても、彼女のように貪欲に樹を求める人は数少ないだろう。
生きている木だけでなく、材木になった木、材木になれなかった木にまで迫り、木の本質を見極めようとする姿はものに憑かれたようでさえある。
父・幸田露伴から幼児に庭で受けた植物への愛着は、見事結実した。
幸田文は五感を駆使して、物事をとことんまで感じようとしている。人におぶわれてまで屋久島の縄文杉を見ようとしたり、無理矢理押し頼んで木材に加工できないアテと呼ばれる木をひいてもらったり。実際に見なくちゃ書けないと、ここまで貪欲な姿勢が清々しくみえる。この本は、細やかな表現とともに素直な筆者の気持ちが描かれていて、読んでいると『これが理解できる日本人でいて良かった』と思った。私の大好きな一冊である。



