2001年に出た単行本の文庫化。
「風々録」は「ぶーぶーろく」と読む。食べ物についてブーブー我がままを言ってみるということらしい。
内容的には食べ物にまつわるエッセイ。著者お得意のテーマで、楽しく読むことが出来た。取り上げられているのは、チーズ、鰻、サンドイッチ、ツクシ、鮎など。いわゆるグルメというのとは違うが、著者なりのこだわりが滲み出ている文章で味わい深い。
特に印象に残っているのはキャビアの寿司の話。イクラはあるのに、なぜキャビアの寿司はないのかと思って鮨屋に行ってみると、本当にあって、でも食べるのはよしてしまうという展開。いかにも著者らしいし、こだわりがあって良い。
食味風々録 (新潮文庫)
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阿川佐和子さんの父上と紹介されるのがおもしろくないと、最近のインタビューで言っておられましたが、
そういう表現が巧まざるユーモアになっているのが氏の強みかもしれません。
本書の刊行直後に文化勲章を受けられて、本書で初めて氏の文章に接したひとは驚いたと思います。
書名からは想像もつかない軽妙さは、実はもう一つの本質なのですね。
いわゆる「大家」の書く食物談義のたぐいは、だいたいが「美食」になるか、
さもなければ開き直った「B級C級グルメ」なのですが、
本書はどこまでも「自然体」で、頭が健康になる感じです。
文学のヌーベル・バーグといわれた「第三の新人」も次々に世を去って、
ずいぶん世の中は変わりましたが、
あの時の魅力の本質の一端が、今になってようやくわかったような気がします。
小説でもなく、「阿房列車」でもなく、本書こそは氏の代表作と、勝手に思っています。
世の中には、「グルメ本」としてレストランを格付けしたり、お見せとタイアップしてるのではなかろうかと思う「おいしい店紹介」などの本があふれている。これは、「ラーメン」や「蕎麦」や「カレー」等の「庶民の味」から、「寿司」「フランス料理」「中華」「イタリアン」まで途絶えることはない。
大体、こういう本に紹介された店の味は落ちていくのが世の常である。
「グルメ本」は、実は罪悪ではないかとすら思っている。
そういう点では、この本は、食事という人間にとって必要最小限の話に、「味」というプラスアルファを加えて、さりげなく論じている。
何のいやみもなく、特定の店に対する肩入れもない。
さすが海軍の出身者だけあって、「米とカレー」を第一話に持ってくるところが素敵ですね。
私は、C級グルメといわれようと、横須賀で売っている「海軍さんのカレー」が好きですね。
大体、こういう本に紹介された店の味は落ちていくのが世の常である。
「グルメ本」は、実は罪悪ではないかとすら思っている。
そういう点では、この本は、食事という人間にとって必要最小限の話に、「味」というプラスアルファを加えて、さりげなく論じている。
何のいやみもなく、特定の店に対する肩入れもない。
さすが海軍の出身者だけあって、「米とカレー」を第一話に持ってくるところが素敵ですね。
私は、C級グルメといわれようと、横須賀で売っている「海軍さんのカレー」が好きですね。



