全く三島由紀夫の作品には興味がなかった私ですが、
受験した大学の問題に女神の中に収録されている「白鳥」が
使われていました。
問題を解くために読むのではなく、楽しむためだけに読んでいました。
それがきっかけで三島由紀夫という文豪を尊敬し、
彼の作品に触れたいと思いました。
「女神」に収録されている作品は読みやすく、
想像力をかき立てられるものばかりなのなのでおすすめです。
私と同じ受験生の方は、ちょっとした気分転換に読んでみるのも良いと思います!
三島由紀夫の作品なら問題で使用されないとも限らないので、
勉強も休憩も出来て一石二鳥です♪
女神 (新潮文庫)
|
完全な美しさを求め続けても、決してそれは固定されることはない。時の流れ、即ち老いによって美しさはどうしても崩れてゆくからである。逆に言えば美しさを求めることは不可逆的時間の流れる「自然」に対抗する人間の「意志」であり、女性の化粧やダイエット、若作りはその表れに他ならない。しかし、悲しいことに美しかろうとする「意志」と老いていく「肉体」の齟齬が発生してしまう。それを理解したとき、依子がその心情を吐露している場面が非常に切ない色を帯びてくる。
どんなに飾ったところで本当の恋に目覚めた女の美しさには勝らない。その美しさを見て嫉妬を覚えるのは父親の宿命であって仕方ないけれども、恋を憚らない、揺ぎない「意志」を持った娘が、またそれ以上に美しいことに驚かされる。これをありのままの、「自然」な美しさに対し、人間の「意志」による美しさの勝利とするのは容易であるが、その両者の緊張状態の中に、一つの美しさがあると考えることができそうである。
『女神』の他、10編の短編がある。恋の、またそれをフィクション化する繊細な描写や、作者にとってあまり類を見ない幻想的なものもあって興味深く、どれも読み応えのある作品ばかりである。
どんなに飾ったところで本当の恋に目覚めた女の美しさには勝らない。その美しさを見て嫉妬を覚えるのは父親の宿命であって仕方ないけれども、恋を憚らない、揺ぎない「意志」を持った娘が、またそれ以上に美しいことに驚かされる。これをありのままの、「自然」な美しさに対し、人間の「意志」による美しさの勝利とするのは容易であるが、その両者の緊張状態の中に、一つの美しさがあると考えることができそうである。
『女神』の他、10編の短編がある。恋の、またそれをフィクション化する繊細な描写や、作者にとってあまり類を見ない幻想的なものもあって興味深く、どれも読み応えのある作品ばかりである。
完璧な女性を作り上げる天才「周吾」.
嘗て周吾に見出され彼の妻になったものの,美貌を喪い見捨てられた「依子」.
幼少期は全く省みられなかったものの依子が美を失った時から輝き始めた娘「朝子」.
この三人に芸術家「斑鳩一」とプレイボーイ「永橋俊二」を加えた5人によって物語は回りだす.
登場人物達の交差する様々な思惑.
肉欲,嫉妬,傲慢,妬み
ずれ合う個々人の思い,完成した女神.
狂乱の末最後に辿り着いた安寧の地,そこには「やっと二人きりになれた」という想だけが残っていた.
嘗て周吾に見出され彼の妻になったものの,美貌を喪い見捨てられた「依子」.
幼少期は全く省みられなかったものの依子が美を失った時から輝き始めた娘「朝子」.
この三人に芸術家「斑鳩一」とプレイボーイ「永橋俊二」を加えた5人によって物語は回りだす.
登場人物達の交差する様々な思惑.
肉欲,嫉妬,傲慢,妬み
ずれ合う個々人の思い,完成した女神.
狂乱の末最後に辿り着いた安寧の地,そこには「やっと二人きりになれた」という想だけが残っていた.
三島由紀夫の描く、憂いのある優美な世界が好きな私。
その点で、この女神も申し分ないです。
何年か前に読んだ本ですが、今でもお気に入りです。
内容については、書かれている方の通りです。
周吾は、妻依子の美貌を失うが娘朝子を上品で美しい娘に育て上げる。
私が、おもしろく感じたのはその周吾の教育です。
例えば、その日着ている洋服の色に合ったお酒を選ぶこと。とか、
それを当たり前と実践なさっている方もいるでしょうが、
私には、こういう所に気がつく女性って素敵だなぁ・・・と、参考になる点もちらほら。
お年を召した素敵な女性から昔話を聞いているような・・・
私の中ではそんな一冊です。
クラシカルな感覚、雰囲気がお好きな方には、おすすめです。
その点で、この女神も申し分ないです。
何年か前に読んだ本ですが、今でもお気に入りです。
内容については、書かれている方の通りです。
周吾は、妻依子の美貌を失うが娘朝子を上品で美しい娘に育て上げる。
私が、おもしろく感じたのはその周吾の教育です。
例えば、その日着ている洋服の色に合ったお酒を選ぶこと。とか、
それを当たり前と実践なさっている方もいるでしょうが、
私には、こういう所に気がつく女性って素敵だなぁ・・・と、参考になる点もちらほら。
お年を召した素敵な女性から昔話を聞いているような・・・
私の中ではそんな一冊です。
クラシカルな感覚、雰囲気がお好きな方には、おすすめです。
周吾は何よりも「女性の美」というものを崇拝していた。 彼の妻、依子はまことに造化の妙を嘆ぜしめる美人であった。永い海外生活のあいだ、このおしどり夫婦は彼の属する商事会社の誇りでもあり、ひろくは日本の誇りでもあった。その彼女の美しさをこの上なく褒め尽くしていたのは周吾自身であった。
戦争のさなか、妻依子はその美貌を事故で失うことになる。「美」を崇拝していた周吾は「くずれた美」などにはもはや目もくれないようになる。気が付くと、娘の朝子は母の美貌を受け継ぎ、美しい娘へと成長を遂げていた。 一度は崩れた自分の夢が、この娘に託されていくことになる。
依子は事故以来、自分の人生を台無しにしたのは他でもない、「女性は美しくあるべきだ」という思想を刷り込ませた周吾のせいにした。周吾の並外れた娘に対する愛を傍らで嘲笑しながら・・・。



