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春の雪 (新潮文庫―豊饒の海)
三島 由紀夫
価格: ¥660 (税込)

文庫
出版社: 新潮社
発売日: 1977/07
ISBN: 410105021X
おすすめ度:4.5
Amazon ランキング: 7877位
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「源氏以来の作品」
「源氏以来の作品」、そう川端康成が評した『豊饒の海』四部作の第一部。

きらびやかな意味でのその文章表現の美しさは近現代の文芸作品の中でも他を圧しており、
あるいは日本が文字という不可解なものを手にして以来、古今絶無ではあるまいか。
いづれにしろ日本文学を愛好する者なら一度は手にとってみなければ話にならない作品で、
この第一部は、未だ四部作全体の難解なテーマにあまり頭を煩わされなくても済むうちに読めるので、
安心して陶酔できる「わかりやすい」美しさで彩られている。

あらゆる意味での、三島の総決算である『豊穣の海』はまた、
多くの意味で日本文学の総決算でもあり、現代日本への大反逆でもある。

日本にはもう本物の日本文学と言うものが生まれないんだ、と言うようなことを晩年の彼はもらしているが、
奇しくも彼自身がその日本文学の終止符となってしまった感が否めないことは、
現代に生きる者として寂しいことで、読み重ねるごとに陶酔よりも失望を新たにすることが多くなる。

まったく、三島由紀夫はとんでもないものを置いていってしまった。
読み終えたくなかったが、読み終えると早く次が読みたくなる作品
先日、春の雪を読み終わりました。読み進みながら読み終わりたくないという気持ちと、早く読み終えて次を読みたいという思いが私の中で葛藤しました。
私は最初に映画のDVDを鑑賞し、その後読み始めましたが、映画以上に美しい作品だと思います。むしろ映画が作品を表現しきれなかったという感さえあります。映画も美しくて素晴らしいものなのですが、原作はそれを超えてます。
作品のそこかしこに、次作、或いはその後に繋がるものが隠されていて。それを感じることで次が読みたくなる。しかし、美しい作品が故に、この物語の中にもっと浸かっていたいという感情もこみあげてきました。
そして先日読み終わり、いまその余韻の中に私がいます。
これから続く清顕の生まれ変わりを読むという何十年というタイムテーブル、時の旅人になった気持ちで奔馬を読もうかなと思います。
三島の描いた最大の騙し絵
 修飾過多とも言える美麗な日本語と、卓越した文章表現力で日本の文壇の中でも異彩を放っている三島由紀夫。 そんな彼の最後にして最大の作品(だと私は思う)であるこの『豊饒の海』シリーズ。
 
 『浜松中納言』物語をモチーフとし、ウロボロス的な構造を持つこのシリーズの最大の特徴は、一旦、最終巻にあたる『天人五衰』まで読み終わると、読者自身の認識がコペルニクス的回転を起こし、2週目からは、全く違った物語として読み進めることができるという点にある。

 『春の雪』はその「起」に当たり、4作品の中で最も独立した作品である。作品の主題も恋愛であるため、感情移入しやすく、読みやすい構成となっている。

 ロマンティックで感傷的で、物悲しい。そんな雰囲気に三島の文体がさらなる情緒を加えてくれる。他の作家のラブシーンにも等しいと三島本人が豪語していた仔細な風景描写も、ロココ調とでもいうべき形容詞と形容動詞を最大限利用している修飾過多な文章も、それでいて論理的で主述の関係が崩れないのもさすが三島の文章と言いたくなるほどである。

 現代文学においては古臭い主題である「恋愛」を巡る物語である『春の雪』だが、読者はのんびりと構えていてはいけないし、さっさと読み飛ばしてはいけない作品なのである。この『春の雪』は三島が散りばめた伏線と罠に満ちている。ここで伏線と罠に気付かずに過ぎてしまっては最後の最後で筆者が残した落とし穴にまんまと落ちてしまう。

 『豊饒の海』。三島の描いた最大の騙し絵の秘密。それを解き明かすことが私の最大の楽しみなのである。
美しい文体
心情をここまで的確、繊細に活字で表現できるものか。初めて三島文学に触れた作品で、以降読み漁ることになった。当初コレでもかという比喩表現いささかクドさを感じたが、徐々にそれが快感になってくるといったら大袈裟か。

4部作で構成され、輪廻転生が基軸になり『春の雪』はその伏線。映画化されているように独立して読むも可。恋愛に閉鎖的な華族社会に生きる青い炎のような清顕が、幼く女々しい自虐的な切ない恋に燃える。
おもしろいです
4部作の内、第一巻「春の雪」だけしか読んでいませんが、
とにかく第二巻以降が早く読みたくて我慢ができない、そんな内容です。
聡子の美しさを自分の心に強く強く貫入させながら酔ったように読み進みました。
それだけでも充分に堪能できるのに加えて、構成の周到さ、描写の重厚さがたまりません。
ただ唯識論に触れる部分だけはやや難解で興醒めさせられるので、
全四巻でひとつの世界が見事に完成するのだと、そう予感しての星5つです。




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