初めて読んだ三島由紀夫の小説。
あまりにも著者の最期のイメージが強くて、おっかなびっくり、読もうか読むまいかと思っていた彼の作品ですが、ままよと思って薄くて読みやすそうな一冊を購入して読みました。
そうしたら予想外に素朴で素敵な純愛小説だったので「へぇ〜、これがあの三島由紀夫が書いた本なんだ〜」と、今までのイメージをいい意味で裏切られたことに素直に感動しました。
この小説の舞台は昭和30年頃の歌島(地図上では明らかに三重県の神島・・・。名前を変えているだけのようです)。
この島の暮らしや情景等を自分がまさに見ているように感じられ、またそのイメージはモノクロタッチなのに、時々見られる色使いや吐息のようなものを肌に感じられるほどに文中の人たちが生き生きと描かれているのは、著者の文章の巧みさのお陰だと思います。
※文章が読みやすいのは、旧仮名づかいで書かれているものは新仮名づかいに改められている(新潮文庫)というのも一つの要因と思いますが・・・。まぁそれは置いておいて。
安心して、素直に、主人公である漁師の新治を応援しながら読みきることができる作品です。
ただひとつ難を言えば、当方、解説を読んでから本文に入っていくのが好きなのですが、解説にネタばらしが書かれていてガックリしました。したがって、これから読む方は本文から素直に読み始めたほうが良いと思います。
潮騒 (新潮文庫)
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自分はミシマのごてごての文体はちょっと苦手なんですが、この作品は結構好きです。健全一本の小説はミシマにはめずらしい(と思う)ですが、こんな一面もミシマが持っていたと思うともう一回他の作品も読み直してみようかなという気にさせられます。
内容は漁村での牧歌的な恋物語。ごく単純でありふれた筋ではありますよね。始まりがあって、山があって、一件落着と他作品とも大きな違いはありません。でも、やっぱりミシマ。単なる恋愛小説で終わらせずに、色々な部分で力強い描写を見せてくれます。岸壁に打ち寄せ砕ける波頭、荒れ狂う海、嵐のなでの邂逅……ストレートですがやっぱり感動させられてしまいます。面白い恋愛小説をと言われたら、金色夜叉かこれかなぁ。良いと思いますよ、お勧めです。
恋愛小説にはつきものの都合の良さが時々あってひょっとしたらミシマファンには読みにくいんじゃないかという気もしますが、良作ではあります。
内容は漁村での牧歌的な恋物語。ごく単純でありふれた筋ではありますよね。始まりがあって、山があって、一件落着と他作品とも大きな違いはありません。でも、やっぱりミシマ。単なる恋愛小説で終わらせずに、色々な部分で力強い描写を見せてくれます。岸壁に打ち寄せ砕ける波頭、荒れ狂う海、嵐のなでの邂逅……ストレートですがやっぱり感動させられてしまいます。面白い恋愛小説をと言われたら、金色夜叉かこれかなぁ。良いと思いますよ、お勧めです。
恋愛小説にはつきものの都合の良さが時々あってひょっとしたらミシマファンには読みにくいんじゃないかという気もしますが、良作ではあります。
純愛に素直に感動するが、もの足りない。
善悪がはっきり分かれており、善のご都合主義な展開が続く。
しかし話の展開上、善が善らしからんことをする場面もある。
「それは生まれて始めてであっただろう・・・」
なんて勝手な!!
出典があるのもうなずける。
ただ、そういう手法で書いてみたかったのかな。
でもすぐ飽きてしまっているようだし。
小説では読み手が立ち止まりながら内容を進めていくので、
暇ない怒涛の舞台の方が見れると思う。
映画は見てみたいな。
善悪がはっきり分かれており、善のご都合主義な展開が続く。
しかし話の展開上、善が善らしからんことをする場面もある。
「それは生まれて始めてであっただろう・・・」
なんて勝手な!!
出典があるのもうなずける。
ただ、そういう手法で書いてみたかったのかな。
でもすぐ飽きてしまっているようだし。
小説では読み手が立ち止まりながら内容を進めていくので、
暇ない怒涛の舞台の方が見れると思う。
映画は見てみたいな。
「潮騒」は、無口で純情な青年が様々な障害を乗り越えて、
美しい少女と結ばれるという、あまりにも健全で純粋な恋愛小説であり、
それゆえ三島由紀夫の作品の中では異質とされる。
しかし決して退屈な小説ではないし、
この様な直球型とも言える小説を書かせても三島由紀夫は一流だと関心してしまう。
だが最後の2行の文は、読者によって意見が分かれる所だと思う。
私はこの部分から、主人公の底知れぬ腹黒さを感じてしまったのだが、どうだろうか?
やはり、三島由紀夫という人は一筋縄ではいかない作家だと思う。
美しい少女と結ばれるという、あまりにも健全で純粋な恋愛小説であり、
それゆえ三島由紀夫の作品の中では異質とされる。
しかし決して退屈な小説ではないし、
この様な直球型とも言える小説を書かせても三島由紀夫は一流だと関心してしまう。
だが最後の2行の文は、読者によって意見が分かれる所だと思う。
私はこの部分から、主人公の底知れぬ腹黒さを感じてしまったのだが、どうだろうか?
やはり、三島由紀夫という人は一筋縄ではいかない作家だと思う。
三島由紀夫と云うと、どうしても強烈なその最後のために何処かしら読み手は作品の中に暗い翳りを感じ取ってしまうものですが、この潮騒を書いた頃にはまだその片鱗はなく、後に書かれた豊穣の海や金閣寺と比べると文体もすっきりとしていて、作文の視座も違っています。
ですが、いかにも美しい文章で孤島での純愛の素晴らしさを読者に示して見せて、作品の結びに皮肉を織り込めて(その皮肉さえも一見すがすがしい)読者を置き去りにしてしまうあたりは正しく三島由紀夫の文学です。
タイトルにも書いた通り、読み終わったら晩年の作品も読んでみてください、そうすれば矛盾したようで終始一貫していた三島のニヒリスティックな人生観や恋愛観がはっきり分かるかと思います。
ですが、いかにも美しい文章で孤島での純愛の素晴らしさを読者に示して見せて、作品の結びに皮肉を織り込めて(その皮肉さえも一見すがすがしい)読者を置き去りにしてしまうあたりは正しく三島由紀夫の文学です。
タイトルにも書いた通り、読み終わったら晩年の作品も読んでみてください、そうすれば矛盾したようで終始一貫していた三島のニヒリスティックな人生観や恋愛観がはっきり分かるかと思います。



