順吉(≒志賀直哉)は自らの屈折した性格に苦闘しながら、家族・世間と折り合いをつけようとする。第二子がうまれたとき、自然と妻の額に接吻するシーンはハッとさせられる。人間のこころの複雑さと単純さを考えさせられる。
その一方で、冗漫と思える記述もある。たとえば、三井銀行で待たされる一連の記述だ。しかし翻って考えると、それがこの中篇小説にいいリズムを生んでいるのかもしれない。
「暗夜行路」より「和解」のほうが志賀直哉の良さが味わえるとわたしは思う。
和解 (新潮文庫)
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書き出しは作品の命。
何かしら文章を書くことを志した人なら誰しも、一度は出会うはずの言葉。
書き出し(導入部)でいかに読者を作品世界に引き込めるか、作品の向かうべき方向を匂わせることが出来るか……に、書き手は苦心する。
そこに注目すると、この作品は凄い!鳥肌が立つ。最初の二三ページで、父と息子の微妙な関係(気まずさまでも)が浮き立つのだ。
鋭い人間観察眼と、神様と言われる小説の構成力あっての賜物。
これは是非一度は読んでおくべき作品です。
何かしら文章を書くことを志した人なら誰しも、一度は出会うはずの言葉。
書き出し(導入部)でいかに読者を作品世界に引き込めるか、作品の向かうべき方向を匂わせることが出来るか……に、書き手は苦心する。
そこに注目すると、この作品は凄い!鳥肌が立つ。最初の二三ページで、父と息子の微妙な関係(気まずさまでも)が浮き立つのだ。
鋭い人間観察眼と、神様と言われる小説の構成力あっての賜物。
これは是非一度は読んでおくべき作品です。
志賀直哉氏が父親との和解までの道のりを書いた作品。
昔からケンカをしても、次の日には何の気なしに話をしている。そんなガキだった自分。まあ男子なんてみんなそんなもんだった気がするけどw
それに反して、この志賀直哉氏は父親と仲違いして、ずいぶんと長い年月をかけて和解した。
なんかすごいかっこいいなぁ。ケンカしても仲直りしなけりゃいけない縁(仲直りしたい縁)というのがあるんだなぁ。
若干、自分の「きちんとしたケンカ」をするような相手もいなかった人生は、少し寂しいなぁ。と少しうらやましく思ってみた。
むっちゃよかった。
昔からケンカをしても、次の日には何の気なしに話をしている。そんなガキだった自分。まあ男子なんてみんなそんなもんだった気がするけどw
それに反して、この志賀直哉氏は父親と仲違いして、ずいぶんと長い年月をかけて和解した。
なんかすごいかっこいいなぁ。ケンカしても仲直りしなけりゃいけない縁(仲直りしたい縁)というのがあるんだなぁ。
若干、自分の「きちんとしたケンカ」をするような相手もいなかった人生は、少し寂しいなぁ。と少しうらやましく思ってみた。
むっちゃよかった。
第一子の祥月命日から始まり、最近の父親との争いの発端を探っていく回想じみた展開は読者を引き込ませるようでさすがにうまいと思った。志賀直哉らしく情景描写力、人間性の表現力は抜群で、この作品でも充分に滲み出ているのが第一子の危篤場面である。第一子の死による絶望から第二子の誕生による歓喜は、主人公の父に対する憎しみから調和への気持ちというコントラストと重なっており、生命のもたらす神秘的な力と意義を謳いあげているように思われる。半面、父と和解しようという気持ちの推移はあまり書かれておらず不徹底であるが、それはかえって生命の神秘的力を印象づける効果を高めていると言える。ただ、個人的には主人公の父への憎しみやそれから解放されるときの和やかな気持ちがグロテスクに表現されているのを期待していたばかりに少し残念だった。父子の血縁関係は絶対的なもので、それは決してなくなりはしない。どんなに嫌いになろうがその関係の強固さはゆるぎないということを改めて考えさせられた。
この本では威厳のある父親が登場します。単なるわがままではなく
芯のある良い意味での頑固さを持った父親です。古き日本社会の
典型的な父親像そのままで、包容力があり一家の大黒柱的存在感
が強く感じられました。今では、このような父親は皆無で理想とすら
されないように思われますが、礼儀や儒教的な思想といった共通意識
を持っている方が、家族としても社会としても最低限の秩序が保たれて
纏まるのではないかと思いました。
芯のある良い意味での頑固さを持った父親です。古き日本社会の
典型的な父親像そのままで、包容力があり一家の大黒柱的存在感
が強く感じられました。今では、このような父親は皆無で理想とすら
されないように思われますが、礼儀や儒教的な思想といった共通意識
を持っている方が、家族としても社会としても最低限の秩序が保たれて
纏まるのではないかと思いました。


