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三四郎 (新潮文庫)
夏目 漱石
価格: ¥340 (税込)

文庫
出版社: 新潮社
発売日: 1948/10
ISBN: 4101010048
おすすめ度:4.5
Amazon ランキング: 15102位
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知ろう「三四郎」
漱石の作品に、いまさら解説やあらすじは必要ないだろう。
もう一度読んでみたいかどうか?
これを作品の面白さの基準とすれば、
迷わず、「一度ならず何度でも読みたい」そう答えることが
できる作品である。
漱石の偉大さを感じる。
私にとって最高の小説の一つ
学生時代に初めて読んでから30年ぶりに再読しました。この小説には受け止めるべき人生訓も、なんらの思想や哲学の押しつけもありません。あるのはただ三四郎の淡い恋心です。そして読み終えた後、三四郎の恋心と一緒に心の中にしっとりと残るものがあります。「ああ、いい小説を読んだ。いつかまた読みたい」という幸福感です。真に優れた小説(芸術と言い換えてもいい)の醍醐味はここにあります。ドナルド・キーン(サイデンステッカーだったかも)が司馬遼太郎に、もっとも好きな漱石の小説は何か、と聞いたら、司馬氏は、三四郎と答えたそうです。キーン氏は「自分と同じで嬉しかった」と書いています。
青春文学
前期三部作の一作目。青春文学といったところ。
しかし、読書量の乏しいためか、私には曖昧模糊で、言いたいことがよくわからんかった。
ただ、熊本から上京した主人公が、これから一体どんな生活が待っているのだろうかというわくわくした心境に共感は覚えた。大学などで上京した人は読んでみてもいいかも。
青春小説の代名詞
誰もが意中の人の一挙手一投足が気になって仕方が無くなったことはないでしょうか。
自分に対するかすかな反応で相手が自分をどう思っているのか頭をめぐらすことに夢中になったり、相手のが別の誰かと懇意にしているのを見ていったいどういう関係なのかと探りを入れたくなったことはないでしょうか。
三四郎はそんな青春時代の淡い体験を見事な文体で思い出させてくれます。
熊本から大学に行くため上京してきた三四郎は見るものすべてが新しく、右も左もわからないまさに迷羊(ストレイシープ)そんな中都会の女性美禰子と出会い恋に落ちます。美禰子と親しくなりつつも、果たして自分がどうしたいのか、また美禰子心は自分に、それとも別の男性に傾いているのか。結局美禰子は見合いで見知らぬ男性と結婚し三四郎の恋は静かに破れます。美禰子の思いが誰に向けられていたのかを推理しながら読んでいるのも面白いと思います。三四郎にか、はたまた彼が勘ぐったように野々宮にか、もしかしたら美禰子もまた迷羊だったのかもしれません。
明治のモラトリアム
漱石の作品群を読むと、この人ってつくづく就職したくなかったんだなぁと思います。
日々、大学の図書館に通い、好きな本を読み、帰りがけにカフェかなんかによって葡萄酒を引っ掛け、行きつけの食堂で食事をし、家に帰ると下宿のオバサンがお茶を入れたりしてくれて、そのお茶を飲みながらまた本を読む。
そして夏には安い海の宿に泊まってひと夏を過ごす。
そんな大学生活を永遠に送りたかったんだなと思ってしまいました。

「こころ」の先生は主人公の私に向かって、「財産は相当のものを貰いなさい、でないと後で後悔しますよ」と言うし、私も就職活動らしきものをしようとしません。
「坊ちゃん」では成り行きで松山に教師として赴任しますがつくづく不向きで結局東京に帰ってきてしまう。

そしてこの三四郎も結婚にも就職にも消極的です。
恋愛はしたいけれど結婚はしたくない。
財産がたくさんあって働かないで暮らせるのはとてもいい。
でも働かずにぶらぶら遊んでいると世間に思われるのはプライドが許さないから、大学生という肩書きは凄く便利だ。

「三四郎」って実は永遠に大学生でいたかった漱石のユートピア小説にも思えてしまうのです。
だから結末もつかないまま中途半端な終わりかたをしてしまうといったら言いすぎでしょうか?

明治の人間は大した人達だったとよく言われますが、漱石って実は今の人間以上に怠け者であったような気がします。




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