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春琴抄 (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
価格: ¥300 (税込)

文庫
出版社: 新潮社
発売日: 1951/01
ISBN: 4101005044
おすすめ度:4.5
Amazon ランキング: 19375位
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ひたすら耽美だけど、文体の実験作でもある
 余りにも有名なストーリーなので、読まずとも読んだ気になってる人は多いと思う。でも、そんな人にこそ言いたいが、この話は粗筋が分かっていても読んで損はありません。まず、読んでいて目が痛くなるという言語体験はそうありません。そして、マゾヒスティックな女性礼賛振りが「芸術」に昇華される谷崎文学の味が、こんな短編でお腹いっぱい味わえてしまうというのも、この作品の良いところです。

 なお、著者本人が「文章読本」で語っているように、この短編は句読点に関する実験作でもあり、殆ど句読点が打たれていません。それゆえに、若干読み難く感じる人もいるかもしれませんが、ヒロインを扱った架空の伝記をネタに進んでいくストーリーともども、こういった細かい仕掛けが随所にある凝った作品でもあります。

 解説曰く、かつては「いかに生きるべきか」という問いが無い、という点からこの小説は非難されたそうですが、いえいえ、10年経つと忘れ去られるような薄っぺらい哲学やイデオロギーなんかを超えて、谷崎は「耽美的に生きる」ことを「生き様」として書き抜いて常に支持を得ている、ぶっとい作家なんだと思いますよ。この作品もそんな作品です。
最後は凝視出来なかった。。。
夜に読んだと言う事もあるかもしれませんが、例の佐助が盲目になろうろするくだりは、嫌いな爬虫類を見た時と同じように、本から目を背けてしまった。少し意味合いは違いますが、凝視出来ないと言う所は佐助も同じ心持ちだったのでしょう。

谷崎潤一郎の作品は始めて読んだので他の作品との比較が出来ませんが、この作品は句読点が極端に少なく、読んで行くうちに6代目三遊亭圓生のような話し方で読んでいました。ちょっとその辺は楽しかったですね。

本の内容は何度か読み返さないと、本質まで読む事は僕は出来ません。と言う事で星4つ。
短い本なので、又違った時期に読み返していたいと思います。
妙なる美
 初めて読んだ谷崎潤一郎の小説です。美しい言葉遣いにうっとりしながら読みました。息つく暇もないほどひたすらに語るような文体に(解説では饒舌体というそうですが)、そこここにある大阪弁があわさってなんとも言えない艶かしさを醸し出しています。
 そして春琴と佐助の愛のあり方、他者を全く介さない二人だけの世界がくりひろげられています。春琴の佐助への執着や佐助の春琴への献身もあげられますが、やはり佐助が自ら目を潰した後の話がその最たるものと思います。光を絶つことでさらなる思考の恍惚を得て、触覚や聴覚でも春琴を感じ、生涯をささげつくす佐助は私の理解を超えていながらも、どこか憧れのようなものを感じます。
決して好きではないが
正直、愛せる物語ではないです。自分含め何人かが「あらすじ読んだだけだけど読みたくない」と思っていた作品です。

読んでから距離を置いて思い返すと、歪んだ愛を注がれ続け、女王として君臨することを強制させられた琴が哀れに感じてきます。

がしかし!そんな一般的な哀れみや嫌悪感を持っていても、実際に読むとこの異常な世界から目が離せず、両目をつぶす下りは「そう、これしか有り得ない。これが正しい」と息を止めて読んでしまうのです。

完璧な世界設定と描写力、俯瞰の語り口構成(を設定していながら暴走気味に推測を付け足す)、極めて異常な世界に凡人を絡めとる圧倒的な陶酔感。タイトルの美しさだけで、買った日から数日は読まずにうっとりしてしまいました。天才です。

でももう読み返したくない…
ドSとドMの相性抜群の第一級のラブストーリー
全く、人間の幸・不幸は当人にしかわからない
もので、その最たるものがドMが光を失って
幸福になる場面であろう。
物語に負けず文体も素晴らしく美しい。
しかし、改行・句読点が少なすぎて若干読みにくい。
氏の「文章読本」を読む限りでは一息を長く等、色々な意図があるようだが、私には合わなかった。



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