ベーコン
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短編が好きでよく読む。一冊にいろいろな物語が入っていると、読んでいて得した気分になる。音楽や香りは人の記憶を呼び起こすものだが、料理には匂いがありそれぞれの短編の主人公たちはこの先、目玉焼きやベーコンを焼く香りでこの物語の情景を思い出すのだろうな、としんみりする作品集です。
「食欲→食事→性欲」という緩い関係性を軸に、
組み立てられた九篇の短編集。
一つ一つの短編には味わい深いものがあるが
ほとんど全て不倫絡みというのでは
後半、同じ展開にやや飽きが来る。
淡々とした中の、しかし心の機微に触れる
老成した筆致は非常に素晴らしい。
組み立てられた九篇の短編集。
一つ一つの短編には味わい深いものがあるが
ほとんど全て不倫絡みというのでは
後半、同じ展開にやや飽きが来る。
淡々とした中の、しかし心の機微に触れる
老成した筆致は非常に素晴らしい。
新聞の書評を見て、面白そうだと手に取った一冊。
初めて読んだ作家だ。後で調べたら井上光晴の娘だった。
9つの食べ物と愛についての短編集。確か書評には「エロスが云々」ってあった気がするけど別にたいしてエロくない。しみじみと良い愛が描かれていると思う。
そして食べ物がちゃんと丁寧に美味しそうに描かれていて、好感が持てる。
初めて読んだ作家だ。後で調べたら井上光晴の娘だった。
9つの食べ物と愛についての短編集。確か書評には「エロスが云々」ってあった気がするけど別にたいしてエロくない。しみじみと良い愛が描かれていると思う。
そして食べ物がちゃんと丁寧に美味しそうに描かれていて、好感が持てる。
ごく短い9つの物語に、不倫をとりまく人間模様が、角度を狭めてピンポイントで描かれる。それぞれの物語の空白感が面白い。何かが足りないと感じながら生きている空虚さが濃密だ。世の中の大切なことや重要な決定は、どこか自分の知らないところで進んでいる、という感じ。
「父の水餃子」は、実父の井上光晴を色濃く反映していて味わい深い。「目玉焼き、トーストにのっけて」のアバンギャルドな暴走ティーンズは、井上にしては異色作でこれまた面白かった。
だが、白眉は「煮こごり」だ。興味深いなぞの老人鵜飼をめぐり、周辺の女たちが右往左往しながら、結局鵜飼については何一つわからないまま物語が終わる。人生がわかると思うことなんて、錯覚に過ぎないと、強烈に思い知らされた。
「父の水餃子」は、実父の井上光晴を色濃く反映していて味わい深い。「目玉焼き、トーストにのっけて」のアバンギャルドな暴走ティーンズは、井上にしては異色作でこれまた面白かった。
だが、白眉は「煮こごり」だ。興味深いなぞの老人鵜飼をめぐり、周辺の女たちが右往左往しながら、結局鵜飼については何一つわからないまま物語が終わる。人生がわかると思うことなんて、錯覚に過ぎないと、強烈に思い知らされた。
今の自分がぴったりしっくり共感出来る短編集で、思った以上によかったです。いくつかの物語で、たんたんとした大人のわりきりが描かれていますが、これは自分がこの齢になってやっとわかることで、かなりぐさりときました。
今まで自分の心の動きと食べ物の相関関係を意識したことがなかったので、この小説をきっかけに、そういった断片で自分の人生をみてみるのも楽しそうだなと思いました。
今まで自分の心の動きと食べ物の相関関係を意識したことがなかったので、この小説をきっかけに、そういった断片で自分の人生をみてみるのも楽しそうだなと思いました。



