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マザコン
角田 光代
価格: ¥1,470 (税込)

単行本
出版社: 集英社
発売日: 2007/11/04
ISBN: 4087748839
おすすめ度:4.5
Amazon ランキング: 37614位
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ねっとりと絡みつく物語
母と子を題材にし、子の目線から書いた短編集。
どの物語も後味はすっきりとしなく、ねっとりとした
重苦しい余韻がまとわりつく感じ。
でも短い文章の中にそれぞれの人生が凝縮されていて
ズンとその物語の中に入り込んでしまう。
どれも30代が主人公なんだけど、30代ともなると
親は自分を保護してくれたという立場から保護しなくては
ならないという立場になる。この物語の主人公たちは
そこでその立場の逆転をうまく受け入れられずに
立ち止まってしまっている。どこへいったらよいのか
途方に暮れている。それゆえに、マザコンという題名が
ついているのかなと思った。いつまでも母親に庇護されて
いたい、でも自分は大人になってしまった、
母親を1人の女として、老いた女性として認めなくては
ならない、でも受け入れたくない。そういう気持ちが
見え隠れする物語が多かった。
角田さんの作品は後味ほんわかと後味ブラックと別れるけど
これは後味がブラックでほろ苦。でも読まずにはいられないし
読んで後悔もさせない。さすがです。
ただほんわかが好みなので星は4つ。
ありふれた光景の中の不安
 角田の近作は、なにやら鬼気迫るほどの充実ぶりである。本書もまた切れ味鋭かった。老母と、中年にさしかかった子との関係に焦点を絞った、コンセプト短編集。
 一編が短い。短くて無駄がない。オチのなさが読後の不安を呼ぶ。心がざわざわする。マザー・コンプレックスなんて、程度の差はあれ、誰にでも普通にあるものだと知る。わかりやすく病的なマザコンの例はない。
 「パセリと温泉」の真希子あたりが一番重い方だろうが、それにしたって社会的に逸脱しているとは思わない。だからオビに「だれもがマザコンなのかもしれない」とあるが、「だれもがマザコンなのだろう」くらいの読後感である。



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