ああ正妻
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姫野さん、リアルな本質をつかまえるのは上手なんだけど、ここではそれを客観化するための距離がほとんどとれてなくて、ただつらいだけの小説になっていた。愚痴を聞かされているような気分だ。川田教授の社会学的分析の部分だけが客観化の役割をしていたけれど、それならそれでフィクションではなく、現実世界の分析をしてほしい。
もう直木賞は諦めたのか、ってくらいベタな大衆小説に仕上がっている。こういうのも嫌いじゃないけど、後半、かなり破綻しちゃってる。
大衆小説ってのは、時事、世俗をうまくデフォルメ、カリカチュアして作品に盛り込む手腕が求められると思うんだけど、姫野カオルコ、センスはあるんだがなぁ。今回はプロに徹してないというか、一旦、「ツ、イ、ラ、ク」読んじゃうと、こんなとこで書き散らしてないで、もうちょっとだけ我慢して勝負してくれ!って心持ちになってしまう。大衆小説、ユーモア小説的ライトなエンターテインメントより、突拍子もなく、破天荒で、途轍もなく規格外のヘンな小説をやっぱ期待しちゃうんだよ。
「しこめのいいわけ」とか「白い夜を行く」とか、小学館と講談社を足して2で割ったような出版社とか、業界受けしそうなネタは散りばめられてるんだけど、「雪穂」を後半、もっともっと動かしてほしかったよな。
勝ち犬、負け犬論争で行くと、結局、自己愛を満たす経済力が有るか無しかが、勝ち、負けの分かれ目であって、自らの経済力に頼るか、男の経済力を利用するかってのは、方法論でしかない。雪穂は「男の経済力コース」を選択した勝者なんだよ。まあ、自ら働くのではなく、働く奴、稼ぐ奴に賭ける、利用する、配下に置くってやり口は、昨今の投資家の皆さん、ヒルズ族の皆さんと相通ずるところがあるよな。ラクしてイイ暮らしするって方向性では、男の理想像がパクられる寸前のホリエモンで、女の理想像が三浦りさ子や君島十和子ってことなのかね。
作者が何度も強調するように、この小説、実話ベースなんだろうから、今って、デフォルメでもカリカチュアでもなく、まさにそんな時代なのかもしれない。
そうそう、P180に出てくる計算、21%+89%=100%じゃないんですが、書き下ろしならまだしもねぇ。
大衆小説ってのは、時事、世俗をうまくデフォルメ、カリカチュアして作品に盛り込む手腕が求められると思うんだけど、姫野カオルコ、センスはあるんだがなぁ。今回はプロに徹してないというか、一旦、「ツ、イ、ラ、ク」読んじゃうと、こんなとこで書き散らしてないで、もうちょっとだけ我慢して勝負してくれ!って心持ちになってしまう。大衆小説、ユーモア小説的ライトなエンターテインメントより、突拍子もなく、破天荒で、途轍もなく規格外のヘンな小説をやっぱ期待しちゃうんだよ。
「しこめのいいわけ」とか「白い夜を行く」とか、小学館と講談社を足して2で割ったような出版社とか、業界受けしそうなネタは散りばめられてるんだけど、「雪穂」を後半、もっともっと動かしてほしかったよな。
勝ち犬、負け犬論争で行くと、結局、自己愛を満たす経済力が有るか無しかが、勝ち、負けの分かれ目であって、自らの経済力に頼るか、男の経済力を利用するかってのは、方法論でしかない。雪穂は「男の経済力コース」を選択した勝者なんだよ。まあ、自ら働くのではなく、働く奴、稼ぐ奴に賭ける、利用する、配下に置くってやり口は、昨今の投資家の皆さん、ヒルズ族の皆さんと相通ずるところがあるよな。ラクしてイイ暮らしするって方向性では、男の理想像がパクられる寸前のホリエモンで、女の理想像が三浦りさ子や君島十和子ってことなのかね。
作者が何度も強調するように、この小説、実話ベースなんだろうから、今って、デフォルメでもカリカチュアでもなく、まさにそんな時代なのかもしれない。
そうそう、P180に出てくる計算、21%+89%=100%じゃないんですが、書き下ろしならまだしもねぇ。
良い結婚相手探しを貪欲に行った雪穂と、まんまとその罠にはまった小早川君。
実在の話だというが、確かに雪穂のような女は周りを見回してもたやすく見つけられるかもしれない。
ただ、みんなもっとオブラートにくるんではいると思うけど・・・・。
雪穂という名前にあれ?と思ったら、やはり「白夜行」を思わせる記述があり、その主人公の名前をとったんだなとわかる。
これ以外にも「負け犬の遠吠え」「くたばれ専業主婦」をもじってうまく「ああ正妻」の中に紛れ込ませているあたりはたしかに
実験小説といえるのかもしれないが、川田教授が原稿を推敲している部分(いわゆる実験小説の実験的部分)はちょっと長すぎるかなぁと・・・。
中盤までは良かったテンポが悪くなってしまったと思う。
最後の小早川君の反撃がしょぼすぎます。全体的に尻つぼみになってしまった感があり。
実在の話だというが、確かに雪穂のような女は周りを見回してもたやすく見つけられるかもしれない。
ただ、みんなもっとオブラートにくるんではいると思うけど・・・・。
雪穂という名前にあれ?と思ったら、やはり「白夜行」を思わせる記述があり、その主人公の名前をとったんだなとわかる。
これ以外にも「負け犬の遠吠え」「くたばれ専業主婦」をもじってうまく「ああ正妻」の中に紛れ込ませているあたりはたしかに
実験小説といえるのかもしれないが、川田教授が原稿を推敲している部分(いわゆる実験小説の実験的部分)はちょっと長すぎるかなぁと・・・。
中盤までは良かったテンポが悪くなってしまったと思う。
最後の小早川君の反撃がしょぼすぎます。全体的に尻つぼみになってしまった感があり。
現実味がありすぎて、面白いのかそうでないのかよくわからない本でした。実際、こ
こまで極端ではなくても、似たような話は身近にもあります。こんな妻でも何年も夫婦
でいてくれる旦那さんがいるんだなあ、と羨ましい気持ちさえしました。レビューを読
んで、姫野カオルコさんの本を初めて読みました。文章が読み辛かったですね・・・。
急に話が変わり、「あれ?違う話になったの?」と思うところもあったり、
姫野さんのファンの方なら、もしかしたら、そういう意外性のある面白さがわかってい
らっしやるのかなと思いましたが、初めて姫野さんの本を読んだので、この文章の技法
についていけず、内容の面白さを消してしまったような気がします。テーマはとても面
白かったので、普通に書いてくれたらわかりやすくて内容に入っていけたのになあと思
いました。姫野さん初心者にとっては、いきなり高度な本を選んでしまったのかなと思
います。でも、じっくり考えると「ああ正妻」は誰の気持ちかと考えた時、自己解釈で
すが、切ない気持ちにもなりました。読者に芽生えるに反撃心が消化不良のままで、そ
れがかえってリアルさを増しているのかもしれませんね。
こまで極端ではなくても、似たような話は身近にもあります。こんな妻でも何年も夫婦
でいてくれる旦那さんがいるんだなあ、と羨ましい気持ちさえしました。レビューを読
んで、姫野カオルコさんの本を初めて読みました。文章が読み辛かったですね・・・。
急に話が変わり、「あれ?違う話になったの?」と思うところもあったり、
姫野さんのファンの方なら、もしかしたら、そういう意外性のある面白さがわかってい
らっしやるのかなと思いましたが、初めて姫野さんの本を読んだので、この文章の技法
についていけず、内容の面白さを消してしまったような気がします。テーマはとても面
白かったので、普通に書いてくれたらわかりやすくて内容に入っていけたのになあと思
いました。姫野さん初心者にとっては、いきなり高度な本を選んでしまったのかなと思
います。でも、じっくり考えると「ああ正妻」は誰の気持ちかと考えた時、自己解釈で
すが、切ない気持ちにもなりました。読者に芽生えるに反撃心が消化不良のままで、そ
れがかえってリアルさを増しているのかもしれませんね。
「良妻賢母」と言う言葉がありますが、この小説の主人公の妻雪穂は言ってみれば「悪妻愚母」。ほとんど犯罪の域に達していると思われる雪穂の家庭運営は、しかしながらかろうじて「民事不介入」の原則に則って警察の介入は逃れる範囲でしょうか。
彼女を娶ったエリート編集者小早川くんの悲惨な結婚生活の物語です。
後半で小早川が執筆を依頼する大学教授の分析が、それまで悲惨な家庭のうちに視線を投じていた僕を、客観性のある外の視線に移しました。
作中で小早川くんがたびたび思うように、雪穂の悪行は基本的に客観性を欠いているところにある、と僕も感じます。でも所詮プライベートな人間関係で客観性は二の次。自分が心地よいと思う事が大事。これも、小早川くんが諦めるとおり、僕もそう思います。
例えば雪穂が管理職で僕の上司だったら、人事部門に相談にして対処するところですが、自分の妻となれば自分で対処するしかありません。
その対処が笑える(と言うか、笑うしかない)小早川くんの物語でした。
彼女を娶ったエリート編集者小早川くんの悲惨な結婚生活の物語です。
後半で小早川が執筆を依頼する大学教授の分析が、それまで悲惨な家庭のうちに視線を投じていた僕を、客観性のある外の視線に移しました。
作中で小早川くんがたびたび思うように、雪穂の悪行は基本的に客観性を欠いているところにある、と僕も感じます。でも所詮プライベートな人間関係で客観性は二の次。自分が心地よいと思う事が大事。これも、小早川くんが諦めるとおり、僕もそう思います。
例えば雪穂が管理職で僕の上司だったら、人事部門に相談にして対処するところですが、自分の妻となれば自分で対処するしかありません。
その対処が笑える(と言うか、笑うしかない)小早川くんの物語でした。



