1000年の中の出来事が時を越えて絡み合います。
奇麗事ばかりではないという印象です。
大樹は
そこにあり続けたけど
あまり
それが前面に出すぎることはありませんでした。
千年樹
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講演会ではユーモアが得意です、と自認していた荻原さんでしたが、本書ではうって変わって暗い話しばかりでしたが、そんな中、『郭公の巣』では子供の描写がとても良く書けていたと思います。荻原さんは子煩悩と云うか、本当の意味で子供の心を理解している人なんだなぁと感じました。本書を読んで、ユーモアとは人間への深い理解であるとも思いました。長大な寿命の樹木と対比して人間の一生がささやかなものに見え、暗い話しですが、おかしみが見て取れたのは、作者の周到な意図のもとに書かれたからだと思います。つまり「なんでも書けるぞっ」って書いた訳では無く、ちゃんと自分の特長を押さえたうえでの本書の執筆だったと思いました。
樹齢千年のクスノキの傍らでおこる、過去と現在を織り交ぜた、少しホラータッチの短編集。
「萌芽」千年樹発芽の秘話といじめられ自殺を考えてた少年
「瓶詰めの約束」空襲で逃げ延びた少年とかつて千年樹のそばにあった幼稚園
「梢の呼ぶ声」人目を避け、小高い山の上立つ千年樹を待合わせ場所にした廓の女郎と短大生「蝉鳴くや」詮無い事で切腹をする事になってしまった忠之介と不満だらけの中学教師
「夜鳴き鳥」盗賊に育てられたハチとやくざの下っ端のケンジ
「郭公の巣」ドライブ帰りの家族と跡取りの男子が授からずにいじめられる嫁
「バァバの石段」亡くなったバァバの恋文と孫娘のメール
時代を超えて生き続ける老樹は、卑小な人間の営みをどんな気持ちで見つめ続けてきたのだろう。
「萌芽」千年樹発芽の秘話といじめられ自殺を考えてた少年
「瓶詰めの約束」空襲で逃げ延びた少年とかつて千年樹のそばにあった幼稚園
「梢の呼ぶ声」人目を避け、小高い山の上立つ千年樹を待合わせ場所にした廓の女郎と短大生「蝉鳴くや」詮無い事で切腹をする事になってしまった忠之介と不満だらけの中学教師
「夜鳴き鳥」盗賊に育てられたハチとやくざの下っ端のケンジ
「郭公の巣」ドライブ帰りの家族と跡取りの男子が授からずにいじめられる嫁
「バァバの石段」亡くなったバァバの恋文と孫娘のメール
時代を超えて生き続ける老樹は、卑小な人間の営みをどんな気持ちで見つめ続けてきたのだろう。
本書は、’03年12月号から’06年12月号の間に「小説すばる」に掲載された作品をもとにした、萩原浩としては珍しい連作短編集である。
いじめに悩む中学生の雅也がくすの巨樹の前で自殺を考える「萌芽」。
タイムカプセルを埋めようとした幼稚園児の雅也と、こまどり組の17人が、木の下からガラスビンを発見する「瓶詰の約束」。
くすの木の下で男を待つ女が、かつて同じ場所で男を待ち続けた女と出会う「梢の呼ぶ声」。
木を上司や生徒に見立ててナイフで切り刻むのが日課の中学教師と、過去理不尽な切腹を命じられた男の運命が交じり合う「蝉鳴くや」。
人を殺そうとしていたヤクザを昔ここで人を殺した盗賊の運命が救う「夜鳴き鳥」。
ドライブ中偶然巨樹を発見した家族の前に150年前の間引きの風習と母の苦悩が蘇える「郭公の巣」。
祖母の初恋を知った孫娘の共感を描いた「バァバの石段」。
市役所職員となった41歳の雅也が、かつて自殺を試みた「くすの木」の伐採に立ち合う「落枝」。
物語は、時に短編一編内で、また時に短編間の枠を超えて、時代を超えて交錯する。巨樹「くすの木」は千年にわたってすべてを見ていた・・・。
今回の作品にはいつもの萩原浩のようなユーモアやペーソス、そして何かに向かって奮闘する姿というものは薄い。何となくはかなく哀しく、時に少し怖い物語ばかりだった。
いじめに悩む中学生の雅也がくすの巨樹の前で自殺を考える「萌芽」。
タイムカプセルを埋めようとした幼稚園児の雅也と、こまどり組の17人が、木の下からガラスビンを発見する「瓶詰の約束」。
くすの木の下で男を待つ女が、かつて同じ場所で男を待ち続けた女と出会う「梢の呼ぶ声」。
木を上司や生徒に見立ててナイフで切り刻むのが日課の中学教師と、過去理不尽な切腹を命じられた男の運命が交じり合う「蝉鳴くや」。
人を殺そうとしていたヤクザを昔ここで人を殺した盗賊の運命が救う「夜鳴き鳥」。
ドライブ中偶然巨樹を発見した家族の前に150年前の間引きの風習と母の苦悩が蘇える「郭公の巣」。
祖母の初恋を知った孫娘の共感を描いた「バァバの石段」。
市役所職員となった41歳の雅也が、かつて自殺を試みた「くすの木」の伐採に立ち合う「落枝」。
物語は、時に短編一編内で、また時に短編間の枠を超えて、時代を超えて交錯する。巨樹「くすの木」は千年にわたってすべてを見ていた・・・。
今回の作品にはいつもの萩原浩のようなユーモアやペーソス、そして何かに向かって奮闘する姿というものは薄い。何となくはかなく哀しく、時に少し怖い物語ばかりだった。
それぞれの章は、悲劇的です。
樹齢千年のくすの木が見守ってきたのは、多くは人間の悲劇でした。
それらの悲劇は、必然ではなく、人と人との間で繰り広げられたしがらみです。
中には希望で幕を閉じる章もあるものの、これらの悲劇を読み進むのは、少々辛いです。
文章に重みがあります。
それぞれの章は、緊迫感に満ちていて、読者をハラハラとさせます。
そして、もたらされる結果には、やりきれない重さを伴います。
少しファンタジックです。
この木の周りには、ある男の子が出没します。
時代がかった風体のこの子はいったい誰なのか、という事は容易に想像出来ます。
ただ、この子は、人に幸福をもたらせてはくれません。
本書は、著者のこれまでの作風と、かなり異なります。
「明日の記憶」といった、重いテーマを扱った作品もありますが、
著者のこれまでの作品は、もっと明るくて、もっと希望に満ちていました。
本書は重いです。
千年樹の樹齢の長さに対する重みに加えて、文体自体も重くなっています。
重い分、読み応えも大きいです。
樹齢千年のくすの木が見守ってきたのは、多くは人間の悲劇でした。
それらの悲劇は、必然ではなく、人と人との間で繰り広げられたしがらみです。
中には希望で幕を閉じる章もあるものの、これらの悲劇を読み進むのは、少々辛いです。
文章に重みがあります。
それぞれの章は、緊迫感に満ちていて、読者をハラハラとさせます。
そして、もたらされる結果には、やりきれない重さを伴います。
少しファンタジックです。
この木の周りには、ある男の子が出没します。
時代がかった風体のこの子はいったい誰なのか、という事は容易に想像出来ます。
ただ、この子は、人に幸福をもたらせてはくれません。
本書は、著者のこれまでの作風と、かなり異なります。
「明日の記憶」といった、重いテーマを扱った作品もありますが、
著者のこれまでの作品は、もっと明るくて、もっと希望に満ちていました。
本書は重いです。
千年樹の樹齢の長さに対する重みに加えて、文体自体も重くなっています。
重い分、読み応えも大きいです。



