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ジャージの二人
長嶋 有
価格: ¥1,575 (税込)

単行本
出版社: 集英社
発売日: 2003/12
ISBN: 4087746771
おすすめ度:4.0
Amazon ランキング: 309439位
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名脇役は魚肉ソーセージ
いい年の男二人が学校の名前の入ったジャージ姿・・・
この「絵」って違和感あるけど妙に和める不思議な風景です。
この風景を想像するだけでニヤニヤしちゃう(笑)
ビジュアル的にやられました。
大人になると、こんなのんびりした時間を過ごすことはなかなかできない。
何が起こるわけじゃないけど、佇まいが珍妙で、ぎこちない空気のユルユル加減が変な癒し効果になって、
なんだかこの本を読んでいる時間はすごーくくつろげました。

父子がよく食べている魚肉ソーセージ。
私も大好きですが、このB級さがこの作品とうまくマッチしてるんだよねぁ。
憎らしいほど絶妙な小道具でした。
どこがいいというのは難しいけれど
庶民が別荘を持つとこんなものだろう、と本筋とは関係のないところで感心してしまいました。
つまらない(主人公の精神的に)日常を綴った作品ですが、じんわりと染み入るものがあります。
つまらなそうに見える人にも、その人の哲学があって、はっきりしない悲しみがあって、時間がゆっくり流れていく、そんな感じを綴った作品と思いました。
傷心の男ののんびりとした山荘での日々
妻ともうまくいかず、仕事もその為にやけになって辞めちゃって
実父の別荘(山荘のようなもの)で父と二人で過ごす夏の日々の話。

パラレルの主人公と同一人物かも。妻は不倫していて、
結局不倫相手が遊びでうまくいかなかったみたいけど、不倫した
という事実をどうしても許せない。話のはしばしに散らばる妻への
消せない恨み辛みが情けない感じに描写されている。
「パラレル」でも思ったけど、この本でも恋愛に関しては男の人の
方がねちねちしているのかなって思った。

それでも世間一般の父親よりいいかげんっぽい父(実際に2回離婚
して、今は3回目の結婚をしている)とのやり取りや、
別荘での日常生活の描写が良い感じにおもしろく、
話の重みを中和している。話の舞台が自然の中でなければ
もっともっと重くて読みすすめにくい話だったかも。
ジャージをきて、ごろごろしながら、読みました。
親子、兄妹、夫婦、なんだかみんな複雑な関係なんだけど、山中で過ごす夏の数日間には、その縮図が凝縮されていました。劇的なことは何も起こらないのに…。

『猛スピードで、母は』で母と子、
『パラレル』で夫婦、
『ジャージの二人』で父と息子の関係だなー、となんとなく思いました。
淡々と
淡々と、淡々と、ただ過ぎていく、そんな雰囲気。
いいのではないか、と思う。
何にも得るものがないような一日を過ごしてみたいときに読むような
空気のような読書が味わえる作品であろう。
しかし、丁寧に書かれていると思う。



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