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斜陽 (集英社文庫)
太宰 治
価格: ¥340 (税込)

文庫
出版社: 集英社
発売日: 1999/06
ISBN: 4087520536
おすすめ度:4.0
Amazon ランキング: 119603位
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ドキドキ
あれは中2の頃、国語の授業で『走れメロス』を習って、そこそこ興味を持った私は「太宰が愛読書なの」と言いたかったからなのか、何も知らず、誰に薦められた訳でもなく図書館で『斜陽』を借りてきました。そして「これって良いの??」とドキドキしながら読み進めたのを覚えています。それまでの私が読んだ物語や小説とは全く違う世界がそこに横たわっていました。大人の世界を垣間見たような、嫌悪とも憧憬ともつかない思い。以来、太宰氏と秘密を共有してしまった風に勝手に思い込んで、次々と作品を読みはじめたのです。
斜陽族
という流行語ができたと聞いたことありますが・・・

正直、貴族の描写は、貴族に何の縁もない、太宰治の想像の世界だなと。

でも、没落し破滅していく姿の描写は、

さすがに、上手です。

滅びの美学は、三島由紀夫の方がうまいと思いますが、

臨場感は太宰治が上回ってますね。
日本文学の必読本
青森生まれの太宰治。有名な作品。
〜朝、食堂でスウプを一さじ…〜
この有名な書き出しは誰もが耳にしたことがあるだろう。
大学入試や、教養試験にも出題される有名な書き出しの作品。戦後の特権階級の苦悩、没落の様子が、品のよい言葉で綴られいて、なぜか静けさを感じる。
落ち行く日は太宰にふさわしきスポットライト
太宰の代表作ですから、内容に関してはいまさら解説するまでも無いでしょう。「斜陽」は没落貴族の物語ですが、主体が女性の語り口は、女性心理を知り尽くした太宰ならではの芸当なのかもしれません。実際この作品のモデルとなっているのは、ある女性が書いた日記なのだそうです。それをパクった訳ではありませんが、これを読んだ太宰がインスピレーションを得て「斜陽」は書かれたとの事です。

「斜陽」は、太宰作品に珍しいミステリー「犯人」に出てくる、三鷹駅すぐ近くの肉屋の「離れ」で書かれました。現在では三鷹駅周辺もすっかり変わり、いくつか在った太宰の仕事部屋跡も大きなマンションに建て替えられてしまいました。武者小路実篤や童謡「赤とんぼ」の作者・三木露風ら多くの文士・歌人が住んだ三鷹、しかし三鷹と言えば「太宰」です。毎年6月に禅林寺で催される「桜桃忌」には、熱烈なファンで溢れ返ります。まさにカリスマ作家。センセーショナルな生き様はあまりに強烈ですが、太宰の神髄は文学作品なのでありあの唯一無二の文体の魔術である事を、アウトローなれど偉大な文学者であった事を忘れてはなりません。

「太宰」入水自殺を報じる当時のニュース映像を観た事があります。現在の玉川上水は水嵩も低く、流れもほとんどありません。とてもこんな場所で人が入水自殺を図ったとは信じられません。町並みだけでなく自然環境も随分変わってしまった様です。現在の川べりは鉄柵で囲われていますが、当時は西洋の田園風景の様にのどかで美しい場所だった様です。太宰がお気に入りの川辺に腰を下ろしている写真を見た事があります。玉川に架かる紫橋から百メートル上流、太宰と愛人が入水をした場所、それがちょうど写真の辺りです。やはりそんな美しい場所を死に場所に選んだのだなあ、と哀しいけれど納得がいきました。やはり太宰は、最後の時までロマンと美学を見失わなかったのだと。

落ちてゆく旧華族
斜陽、西に傾いた太陽の様に落ちてゆく旧華族の話。でもその生き方は誰よりも美しい。「いまの世の中で、一ばん美しいのは犠牲者です。」という主人公のセリフに”滅びるなら、華麗にほろびたい”という強い意思が色濃く出ています。
チェホフの『桜の園』を意識して描かれたという『斜陽』。併せて読んでも面白いと思います。M・C。



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