芥川晩年の作品には他人とは思えない愛しさを感じる。特に桃太郎、河童、歯車、或る阿呆の一生、そして或る旧友に送る手記。(高橋氏による解説は半分共感。妹尾氏の鑑賞はいまいち)
よく「神経を病んだ」とされるが、ピンとこない。彼は感受性が人の何十倍も鋭く、感覚が鋭敏だったために、そして高い美意識をもった理想主義者だったために、人の何十倍も傷つき、自殺に至ったのだと思う。感覚が優れているというのは、神経質とか神経過敏とは全然違う。
彼が苦しんだのは、人よりもいろいろなことを強く感じすぎたためだ。歯車を読んで「ぞっとする」という人はおそらく芥川の本当の気持ちはわからないだろう。歯車には何をしてもどこへ行っても感じすぎて苦しむ姿がこれでもかと描かれる。底なしの空しさが彼の感覚を食いちぎり、残酷に引き裂く。それは医者が診れば精神病とか神経症なのだろうが、読者が否応なしに感じる芥川の魅力はけっして病的なものではない。悪魔的でありながら、天使の顔を垣間見せる彼の人間的魅力があふれているから。
感受性が鋭いために平凡に生きられず苦悩する人は、精神病院に行ってはいけない。そこは終末だから。芥川が精神科医に頼らなければ、あるいは彼は死ななかったかもしれない。35歳という年齢は微妙だが。若すぎず、老いすぎてもいない。一番美しいまま死ねると思ったのか。
桃太郎や河童には彼が元来社交的で明るく、博識で好奇心が強く、独創的なユーモアと洒落たサービス精神に恵まれた極めてポジティブな強いエネルギーをもった男だったということが如実に現れている。現に多くの友人にも愛されていたではないか。
何を芥川は失って、絶望して命を絶ったのか。彼は肝心なことは一切書かずに去った。ただインプリケーションだけが残された。彼の矛盾に満ちた複雑な精神を理解してくれる人間はいないと思ったのだろう。
「僕はあの時代にはみずから神としたい一人だった」。君を抱きしめたい。
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河童 (集英社文庫)
芥川 龍之介
価格: ¥360 (税込) 文庫 出版社: 集英社 発売日: 1992/09 ASIN: 4087520277 おすすめ度: ![]() Amazon ランキング: 135254位 発送可能時期: 通常3~5週間以内に発送 ![]() |
河童を幻想小説(ファンタジー)だと思うと面白くないかもしれない。
一人の人間の独白(モノローグ)だと思うと、そこに興味を持つ人がいるかもしれない。
共感を持って読むか、そういう人もいるんですねという傍観者的に読むかは、その人の感覚によるかもしれません。
近代の古典として一度は読んでおきたい作品だと思います。
自分がいつか、他人には意味不明の独白をしているかもしれないことに気がつかないことがないようにか、意味を分かってくれる人がいるかもしれないことを期待してかは別にして。
一人の人間の独白(モノローグ)だと思うと、そこに興味を持つ人がいるかもしれない。
共感を持って読むか、そういう人もいるんですねという傍観者的に読むかは、その人の感覚によるかもしれません。
近代の古典として一度は読んでおきたい作品だと思います。
自分がいつか、他人には意味不明の独白をしているかもしれないことに気がつかないことがないようにか、意味を分かってくれる人がいるかもしれないことを期待してかは別にして。
「雛」はラストの描写が光る良い作品だと思うが
他がねぇ・・・。
芥川自身の内面を書き出すとドロドロした感じで
映画だとクローネンバーグ作品のようなグロ趣味っぽい
ある種の不快さを感じた。
「河童」もあまり良いファンタジーとは思えない。
「蜜柑」が好きで他のも読んでみようと手にとったのですが
この路線は苦手です。
他がねぇ・・・。
芥川自身の内面を書き出すとドロドロした感じで
映画だとクローネンバーグ作品のようなグロ趣味っぽい
ある種の不快さを感じた。
「河童」もあまり良いファンタジーとは思えない。
「蜜柑」が好きで他のも読んでみようと手にとったのですが
この路線は苦手です。
私の部屋に作家の顔写真があります。私の家の便所にも彼の作品冒頭部分があります。勿論私の本棚には彼の本があります。彼の文学を読めばきっと魅力に取り付かれることでしょう。河童を始めて読んだ時たくさんの事を発見しました。二回目に読んだ時、三回目、四回目、五回目・・・必ず何か新しいものを発見する事でしょう。そしてどうしてもっと早くこの作家にめぐり合えなかったものかと後悔するやもわかりません。是非この作家のとりこになることをお勧めします。 Mizuki.A
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