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知的な痴的な教養講座 (集英社文庫)
開高 健
価格: ¥560 (税込)

文庫
出版社: 集英社
発売日: 1992/05
ISBN: 4087498131
おすすめ度:4.5
Amazon ランキング: 114517位
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爆笑下ネタトリビア集
この本は中学生の頃に初めて読んでかなり衝撃的な内容(痴的に)だったので、今回懐かしく読み返してみたんですが、大人になってから読むとまた味わい深いものがありました。
知識的にも体験的にも、痴的な部分の理解がより深まるので、中学生では汲み取りきれなかった下ネタをちゃんと味わえるんですね(笑)

しかしこのエロトーク満載の短編集を、あたかも学術的な内容であるかのように知的に論じてしまうあたり、開高さんの知的な意味でのエロかっこよさ全開です。
一歩間違えばただのエロオヤジ、でもそこをちょっとだけかっこよく見せることで教養のあるオヤジに変身してしまう。

でも自分の父親がこんなんだったら正直引くかもなあ・・・(笑)
くだけた、リラックスした爆笑の雑談
 この作家の、本質は、好奇心であり、それに基づく又はそれを満たさせる行動力にある。
 そして、そうして実体験したものをユーモアたっぷりに書いていく。
 本書は、その中でやや異色な作品である。様々な薀蓄を本や想像力とでミックスさせて、気楽に書かせて貰いました・・・という感じであろうか?しかし、それが違和感なく気持ちいい。リラックスした行動は文豪の雑談というところであろうか?


秀逸です。大爆笑。
 谷沢永一氏の本を通じて開高健の名前は知っていたものの、その作品を手に取るのは今回が初めてです。本書が開高健の作品の中でどういった位置付けに当たるのかすら、私には判然としませんが、とにかく笑わせてもらい、別の作品にも手を伸ばしたくなったのは確かです。私は小説・エッセーに類する文章のレビューは苦手なので、以下、徒然に雑感を羅列します。

 ・「第一章―小さな死(P.8)」・・・これを読んで、すぐにこの作品集に引き込まれました。男女の快楽の後、男性はすぐ動き出すのに対し、女性は深い眠りに落ちることを解説しているのですが、「原始時代には男性は外的への防衛体制を取る必要があったのに対して、女性は妊娠するために苗床を放置しておく必要がある」という学説と「男は丸干しじゃけん、女は開きじゃけん、渇きの速さが違うんよ(P.10)」という田舎の漁師の言が並列されているところを取っても諧謔精神に溢れています。

 ・「第七章―変態(P.37)」・・・テーマは変態性欲の話ですが、統計学に触れている個所で妙に共感を覚えました。「『統計学』 数量的比較を基礎として、多くの事実を統計的に観察し、処理する方法を研究する学問―と岩波の『広辞苑』にあるが、な〜に、算数のちょっと大がかりなものにすぎない。しばしば数字のお遊びさ(P.41)」とあり、何とも断言しがたい分析結果にあれこれ結論をつけるための補助道具として使われる一面を否定できないと感じた訳です。

 ・「第十二章 隣の畑(P.61)」・・・「原料となるブドウの畑がこちらと隣というだけでワインの味が違う」ということを説明する際の例えが秀逸でした。加えて、酒が製造される地域の気候で、その酒を飲むのが最も上手いという指摘にも賛成です。
軽妙だが深遠、洒脱だが真摯
一つ一つのテーマがせいぜい2~3頁で区切りよく読めるのが良い。

テーマは料理から男女、聖書、歴史、文学、人生観・・・ととりとめが無いが、そこはかとない一貫性があってリズムが崩れない。

軽妙かつ洒脱を装っているが言葉の端々にはカミソリのような切れ味もあり、ハっとさせられる深遠さ真摯さがまたある。

音楽を流してウイスキでも飲みながらか、または寝入る前の10分の読書にはもってこいでしょう。

偏見がないこと=教養があるということ
50章中、どの章を読んでもすんごく面白い。(はずれなし)
ミスター開高は、一貫して、人間の知性と痴性の双方、まるごと人間的であるだよ言っているようだ。
ミスター開高の手によると、釣りも狩りも戦いも美食も感能も、エロでもグロでも、偏見がなくって、いとおかし。



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