2008年現在、2002年に週刊少年マガジンの連載開始から6年が経ち、マガジンspecialでの定着とラブコメにしては非常に息の長い作品となっている。
単行本も20巻台に突入し、名実共にマガジン系ラブコメの片翼を担う名作と言って良いだろう。
主人公・只野 麦と、ヒロイン・月咲 ゆうを基軸としつつも、目を瞠るような躁鬱的な展開は、当20巻に至るまではないに等しく、全体として非常にまったりとして言葉を悪くすれば、抑揚感に欠けると言えよう。
しかしながら、広島県尾道市という日本屈指の風光明媚で、古典的な舞台が醸し出す独特の雰囲気は、そこはかとなくノスタルジックな思いを掻きたてられ、「ぱすてる」の世界は叙情詩風情の二人の関係でも十分良いという気にさせてくれるのである。
まったりとした情景にあっても、高校一年生であった1巻と較べれば、高三となった彼らは確実に成長している。序列に読み返せば気づかないほど、ナチュラルに、それでも確かに二人は成長していることがよくわかるのだから面白い。
ただ、二人の関係も言えば頭打ち状態。そろそろクライマックスに向けての展開が要りようと言えばそうかもしれないし、こう言った作風も極めて大切だという考えもある。
「今の世に稀な純愛」と言うには語弊があるが、確かに80年代の匂いを漂わせる「ぱすてる」は、今の世に斬新なのかも知れない。
ぱすてる 20 (少年マガジンコミックス)
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