孤島に設立された私立学園。そこに赴任してきた新卒の木苺くん。そこ『プラト
ン学園』のイントラには、『プラトン学園』そのものが精巧に描出されており、
疑似体験ができるソフトが入っていました。なんだか腹にイチモツ持っているよ
うな胡散臭い教師たち。事故死したはずの教師・石黒から届く謎のメッセージ。
学園そのものにも何か大きな秘密が隠されている予感……読み始めて早々提示され
る疑問の数々。その数々の謎が、現実とパソコンのソフト内の虚構の学園を行き
来しながら少しずつ明らかになっていく!
……って、ならない! ならなかった!ギャー!
沢山の謎を抱えたまま、物語は中盤を迎え現実と虚構はどんどん入り乱れる。そ
してどんどん残りのページ数は少なくなっていく。「まさかこのまま進むんじゃ
なかろうな!」と思っていると、どんどんそのまさかになっていく。
前のめりにつんのめって、つんのめって、最後に「ズコーッ!」てな感じですね。
『マトリックス』(1999)と同様の仮想現実、いわゆる「自分の人生は本物
か?」物語です。ただ、マトリックスと違うのは、いろんな謎とか疑問とかを
おっぴろげるだけおっぴろげてフワーッと終わらせちゃった、というところ。ス
トーリーそのものは魅力的ですが、スカッとした結末を求める方にはオススメし
ません。
97年当時としては、こういう話って刺激的だったのかなあと遠い目をして考えさ
せてくれます。
プラトン学園 (講談社文庫)
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