最初のうちは読みにくさを感じる部分が多かったが、
3分の1を過ぎたあたりから面白くなってきた。
終盤の展開は読んできてよかったと思わせてくれるほど見事。
一言でいえば「勘違い女」の澄伽だけれど、
そのわりにはところどころ理解しているような節もある。
劇団をやめてほしいと言われて動揺しているあたり、
やはりどこか自分のダメさを認めているのではないか。
「そんなおもしろいのに私の前に戻って来ちゃ駄目じゃない」
という清深の台詞がなんともシニカルで秀逸。
主題とは関係ないかもしれないが、夏休みを感じる小説でもある。
腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)
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自分は唯一無二の存在。
そう信じて疑わぬ姉、澄伽が実家に帰ってきた。
妹、清深は恐れおののく。
なぜなら、姉の壮絶な復讐劇が始まるからだ。
そして、妻にDVを繰り返しながらも、
兄弟の仲を取り繕うために人生を賭ける兄、宍道。
三人の兄弟は絶妙なバランスでなんとか保たれていた。
しかし、両親の事故死をきっかけに
少しずつ破綻を来していく。
自分の性格を一言で表現してと言われたら
何て答えますか?
さるきちは、戸惑ってしまう。
いろいろな要素が絡み合って、
時に、ある部分が前に出たり、引っ込んだりして、
さるきちを形成している。
さるきちには、自分がよくわからない。
この作品に登場する人物は一要素が突出している。
それが他の要素を抑圧し
トータルとしての人間性を歪ませるほど。
いってみれば、個性。
でも個性と呼べるほど、
個性だと裏付けられるほど、自信なんてない。
だから、支えてる一辺がなくなると、
がらがらと音を立てて崩れていくのだ。
溜めに溜めて、
ハラハラどきどきさせて、
一瞬たりとも飽きさせぬ、
そして、予想外の結末。
まさに舞台のよう。
すっごい迫力。
本谷氏の小説はまだ二冊目だけど、
ううむ、スゴイなあ。
力強い文章と、圧倒的な表現力と
物語の中で渦巻く、“生”。
生きていくためには、自らを信じるしかない。
もしくは、他人を憎むことしかない。
激動の“生”を味わいたいヒトにおススメの一冊。
そう信じて疑わぬ姉、澄伽が実家に帰ってきた。
妹、清深は恐れおののく。
なぜなら、姉の壮絶な復讐劇が始まるからだ。
そして、妻にDVを繰り返しながらも、
兄弟の仲を取り繕うために人生を賭ける兄、宍道。
三人の兄弟は絶妙なバランスでなんとか保たれていた。
しかし、両親の事故死をきっかけに
少しずつ破綻を来していく。
自分の性格を一言で表現してと言われたら
何て答えますか?
さるきちは、戸惑ってしまう。
いろいろな要素が絡み合って、
時に、ある部分が前に出たり、引っ込んだりして、
さるきちを形成している。
さるきちには、自分がよくわからない。
この作品に登場する人物は一要素が突出している。
それが他の要素を抑圧し
トータルとしての人間性を歪ませるほど。
いってみれば、個性。
でも個性と呼べるほど、
個性だと裏付けられるほど、自信なんてない。
だから、支えてる一辺がなくなると、
がらがらと音を立てて崩れていくのだ。
溜めに溜めて、
ハラハラどきどきさせて、
一瞬たりとも飽きさせぬ、
そして、予想外の結末。
まさに舞台のよう。
すっごい迫力。
本谷氏の小説はまだ二冊目だけど、
ううむ、スゴイなあ。
力強い文章と、圧倒的な表現力と
物語の中で渦巻く、“生”。
生きていくためには、自らを信じるしかない。
もしくは、他人を憎むことしかない。
激動の“生”を味わいたいヒトにおススメの一冊。
「自分は特別なのだ」という当世若者の、
根拠レスな自意識を、伝統的手法で、しかし
エネルギッシュにしっかりと描いた小説。
題名からしてもそうだが、若い女性が書いたとは
思えないほど骨太で、傑作。
もともと戯曲であるからして、良くも悪くも祝祭的であるが、
そこを論じても好みの問題に終始してしまうであろう。
ともかく、日本の田舎の閉塞性と濃密な人間関係から
産み出されてきた土着の空間を、問題意識をそのままに
かくもコケティッシュに現代に蘇らせた手腕を
まずは高く評価していいのだ、と思う。
根拠レスな自意識を、伝統的手法で、しかし
エネルギッシュにしっかりと描いた小説。
題名からしてもそうだが、若い女性が書いたとは
思えないほど骨太で、傑作。
もともと戯曲であるからして、良くも悪くも祝祭的であるが、
そこを論じても好みの問題に終始してしまうであろう。
ともかく、日本の田舎の閉塞性と濃密な人間関係から
産み出されてきた土着の空間を、問題意識をそのままに
かくもコケティッシュに現代に蘇らせた手腕を
まずは高く評価していいのだ、と思う。
無駄のない描写。一冊の小説の隅から隅まで計算つくされて完成度の高い芸術作品。
さすが劇団を立ち上げているだけあり、文章から、『絵になる、鮮やかな』シーンがたくさん。色分けもしっかりなされていて、話を読むだけではなく、イメージのなかで映像も楽しむことのできる刺激がある、新しい小説。
伝えたい軸がブレぬように、必要最低限な4人でおりなされるために世界にも浸りやすい。
純文学を好むひとで、最近、面白そうな作品の出会いがないという人にオススメ。
難しい小説が苦手なひとにもオススメ。
さすが劇団を立ち上げているだけあり、文章から、『絵になる、鮮やかな』シーンがたくさん。色分けもしっかりなされていて、話を読むだけではなく、イメージのなかで映像も楽しむことのできる刺激がある、新しい小説。
伝えたい軸がブレぬように、必要最低限な4人でおりなされるために世界にも浸りやすい。
純文学を好むひとで、最近、面白そうな作品の出会いがないという人にオススメ。
難しい小説が苦手なひとにもオススメ。
戯曲が基になっているだけあって、誇張された表現が多く、キャラの性格も
分かりやすすぎるくらい一本調子です。
それを不快に思うか気持ちよく感じるかで、好みがかなり
分かれると思います。
ただ、一つの物語としてはそれなりに面白いです。
全てがギリギリの日常の中で、果たして誰が一番
“強さ”を持っているのか。
そんなことを考えながら読むといいのではないでしょうか。
読後、タイトルの絶妙さに気づくはずです。
分かりやすすぎるくらい一本調子です。
それを不快に思うか気持ちよく感じるかで、好みがかなり
分かれると思います。
ただ、一つの物語としてはそれなりに面白いです。
全てがギリギリの日常の中で、果たして誰が一番
“強さ”を持っているのか。
そんなことを考えながら読むといいのではないでしょうか。
読後、タイトルの絶妙さに気づくはずです。



