この人の作品は圧倒的に短編が良い。例えば「半落ち」にしろ「クライマーズハイ」にしろ、物語が大きくなれば成る程、登場人物の個性が消えてしまっているように感じる。
それと、自分を犠牲にして家族や愛する人を守るって言う大義名分で、彼等は死んでいったのかどうかにも疑問を感じる。本当か?本当にそんな陳腐な理由なのか?
余りにも主人公の心の揺れの振幅が狭い。本当に死を覚悟するって言うときに、こんな心の揺れで収まるのか?
読後に少し後悔しました。もっとちゃんとした「特攻」の物語は他にあります。
出口のない海 (講談社文庫)
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映画より原作の方が面白いことは多々あるが、この作品も同様。
著者の淡々とした表現が、戦争をより身近なものといて想定させる。
特に後半が良い。空の特攻はよく知られているが、海の特攻「回天」の存在も、もっと知られていいと思う。
著者の淡々とした表現が、戦争をより身近なものといて想定させる。
特に後半が良い。空の特攻はよく知られているが、海の特攻「回天」の存在も、もっと知られていいと思う。
「人間魚雷・囘天」。
なんといふ、おぞましい響きの言葉だらう。
子供の頃、父から、かういふ兵器があつたとふ話を聞いた。
飛行機で敵艦に突つ込む「神風特別攻撃隊」には、子供心にも、まだ勇壯なイメージがあつた。
しかし、この「囘天」は・・・
主人公の獨白。
「わかつてゐる。俺たちがやるしかない。體を張つて日本を守るしかない。家族を、美奈子を、俺が命を捨てて守るしかない − 。」
數年前、鹿兒島の知覽で、特攻隊の兵士達の手記を讀んだことを思ひ出す。
讀了したのは、あたかも「敗戰記念日」。
いまの平和な日本があるのは彼らのお蔭だといふことを忘れたくない。
英靈の聲なき聲に耳を傾けやう。
そして、いま私たちに出來ることは何かを考へやう。
2006年8月15日読了
なんといふ、おぞましい響きの言葉だらう。
子供の頃、父から、かういふ兵器があつたとふ話を聞いた。
飛行機で敵艦に突つ込む「神風特別攻撃隊」には、子供心にも、まだ勇壯なイメージがあつた。
しかし、この「囘天」は・・・
主人公の獨白。
「わかつてゐる。俺たちがやるしかない。體を張つて日本を守るしかない。家族を、美奈子を、俺が命を捨てて守るしかない − 。」
數年前、鹿兒島の知覽で、特攻隊の兵士達の手記を讀んだことを思ひ出す。
讀了したのは、あたかも「敗戰記念日」。
いまの平和な日本があるのは彼らのお蔭だといふことを忘れたくない。
英靈の聲なき聲に耳を傾けやう。
そして、いま私たちに出來ることは何かを考へやう。
2006年8月15日読了
神風特攻隊は知っていた私も、人間魚雷「回天」なるものの存在は知りませんでした。
脱出装置なしの海軍特攻隊。その操縦の難しさや、故障の多さから、実戦で効果を挙げることは少なかったようですが、そのことが一旦は「死」を覚悟した人間が本人の意思とは裏腹に生きて帰ってくることとなり、死ぬことのの意味、自分の命の使い方について深く考えるきっかけとなります。
ほんの些細な選択や、行き違いで生死が決まってしまうという展開は、まるでロシアンルーレットのゲームのようで、なぜ「並木」が…、とおもわずにはいられません。
今の時代を生きるすべての若者に読んでもらいたい書です。
脱出装置なしの海軍特攻隊。その操縦の難しさや、故障の多さから、実戦で効果を挙げることは少なかったようですが、そのことが一旦は「死」を覚悟した人間が本人の意思とは裏腹に生きて帰ってくることとなり、死ぬことのの意味、自分の命の使い方について深く考えるきっかけとなります。
ほんの些細な選択や、行き違いで生死が決まってしまうという展開は、まるでロシアンルーレットのゲームのようで、なぜ「並木」が…、とおもわずにはいられません。
今の時代を生きるすべての若者に読んでもらいたい書です。
映画は観ていないのですが、「回天」の物語ということで読みました。
あの時代にも、こんなにも人間味にあふれた物語があったのかと、
というか、あって欲しいと、フィクションと知りつつ、
その暖かさにすがってしまいたい自分を感じながら、読み進めていましたが、
主人公の最後は、「半落ち」に似たすっぽ抜け感を感じてしまいました。
あの時代って、きっとこういうものであったのだろうと、
その「空気」を感じさせてくれる小説です。
あの時代にも、こんなにも人間味にあふれた物語があったのかと、
というか、あって欲しいと、フィクションと知りつつ、
その暖かさにすがってしまいたい自分を感じながら、読み進めていましたが、
主人公の最後は、「半落ち」に似たすっぽ抜け感を感じてしまいました。
あの時代って、きっとこういうものであったのだろうと、
その「空気」を感じさせてくれる小説です。



