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LAST (ラスト) (講談社文庫)
石田 衣良
価格: ¥560 (税込)

文庫
出版社: 講談社
発売日: 2005/08/12
ISBN: 4062751771
おすすめ度:3.5
Amazon ランキング: 90642位
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切り取る事が出来ない短編集
好きな作家ですが、後書きにあるとおり「意欲作」かつ「試作」の
要素が強い作品です。

普通、読み切りの短編集であれば、連作要素でもない限り幾つかの
作品をピックアップしたり、途中で読むのを止めても良いと思いま
すが、今作はテーマと筆致が重いので、選び方や止め方を間違える
と救われない気持ちだけが残り、後味が大変悪くなる可能性が高い
です。

むしろ、全作を読みきってトータルとして呑みこまないと、作者の
意図が伝わりにくい・・・だから最後の作品をわざわざ書き下ろし
たのでは?と思いたくなる構成でした。

いずれもどん底まで堕ちた、または喘いでいる人の結果として「生
き延び方」を描いているのですが、個人的には「小児性愛者を通し
た異形者と呼ばれる人の苦悩」と「マグロ漁船に乗ることが何故多
額の借金相殺に繋がるのか」に少しの感銘を受けました。

ところで、この作者には、「障害者と性」をもっと深い筆致で作品
化して欲しいなあ、と感じたのは私だけでしょうか?終わり方が、
「つづく」みたいな「短編にせざるを得ないが故の無理な閉め方」
に思えて、残念でしたので。
現実って・・・
【“現実”に押しつぶされそうになった七人の、予想もできない反撃!】
とゆう帯に惹かれて読みました。

・ラストライド
・ラストジョブ
・ラストコール
・ラストホーム
・ラストドロー
・ラストシュート
・ラストバトル

の七つの話からなる短編集。

中身は目を背けたくなるような現実。かなりヘビーで、少しグロくもあり。
ラストホーム、ラストバトル、ラストコールは良かった。



ただ、ギリギリまで現実に追い詰められた人間の最後にとる行動をテーマとした
作者の着眼点は面白いと思うが、
結局のところ手段は変えられても、結果の選択肢はあまりない。
やはりそうなのか・・・と感じてしまう。


この作品で一番衝撃を受けたのは、“マグロ漁船”の意味が分かった事w
安全な場所にいることの絶対的安心感
読みながら、時折こみ上げてくるこの苦しさはなんなのだろうか?
そんなに苦痛になるなら、読まなければいい。
読むことから逃げたいのなら、いっそこの本を投げてしまえばいい。

……そう思うくらい、時々旨の奥底で骨がきしむような嫌な胸騒ぎ
を覚えた。

……逆にいうと、それくらい引きつけてくれる短編集ということに
なる。面白い、どこにどんでん返しが待っている???と、自分な
りにストーリーをつくりながら、物語を追いかけていっても、まっ
たく想像もしえなかった結末が待っている。これだからやめられな
くなる、癖になります。

ちょっとした小説という名の媚薬として、触れてみるのも面白いか
と……。
本読んでいて、逃げ出したくなる感覚なんて、そうそう味わえない
ですよ。
直木賞受賞後の第一作

 敢えて全く違う方向性のものを出してみたかった、と後書きで語られている通り、爽やかな少年達の物語だった前作『4 TEENS』から一転。経済的に追い詰められ、都市の底辺で袋小路に陥った大人たちの、灰色の物語である。
 連作集であるが、どれもプロットは似ている。街金に借りた金を返せず、身体を売ったり、犯罪に手を染めたりする大人達。解決になるはずがなく、先送りにしているだけだと分かっていながらも奇妙に安住しかけていたその時、転機が訪れる。
 踏み出す一歩。
 表題となっている『LAST』は、それぞれの短編の中での『転機』を表している。

 必ずしも明るい物語ではない。
 希望の兆しが僅かに見える話もあれば、出口のない話もある。
 現実を、変に修飾しなければ、そうなるのだろう。石田は、『今』を書くことにこだわったと振り返っている。

 好みの分かれる作品だろうと思うが、どれも状況の細部がよく描かれていて、読んでいて飽きなかった。
<LAST>という矛盾
とにかく重く暗い。
借金、風俗、裏稼業・・・・・・すべての物語はこのどれかに関連している。
売春を扱った「ラストシュート」に至っては字面を追うのが辛いほどだった。

何故この作品を書こうと思ったのか−
直木賞受賞後第一作だったから?違う面を引き出そうという苦肉の策?
などと考えてみたが、作家業とはそんな単純なものでもないのだろう。

しかし、最後まで読んでみてようやく救われた気がした。
そして<LAST>という言葉の意味に気がついた。
サブタイトルにはすべて<LAST>がついており、確かに<最後の・・・>という意味に使われている。
しかし、<LAST>にはもう一つ、全く逆の<続く>という意味があるのだ。
それに気付いたとき、終わってしまったかに見えた主人公たちの人生に微かな光が射した。
でも、個人的にはファンタジーでも良いから、もう少しわかり易く大きな希望として描いて欲しかった。

読み始めて生理的に受け付けないと思った人はその場で本を閉じて、
中盤まで読んだ人は最後まで読んだ方が良いと思います。
3話目「ラストコール」辺りでやめると却って嫌な気分が残ります。



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