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すべての雲は銀の… Silver Lining〈上〉(講談社文庫)
村山 由佳長崎 訓子
価格: ¥620 (税込)

文庫
出版社: 講談社
発売日: 2004/04
ISBN: 4062747537
おすすめ度:4.0
Amazon ランキング: 189295位
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

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痛みのない読書
 この小説のあらすじは兄に女を寝取られた青年が田舎のペンションにて住み込みで働く事により、特色のある人々と出会い自分の人生について見つめなおすというものだ。
 話の筋立て自体はそれほど特徴的というのではないが、他の方もお書きになっているように、作者の人物描写はそのあらすじに面白さと内省を促す落ち着きを与えている。荒々しく心を揺さぶられるのでもなく、静かに心に響くような書き方は作者の非常に優れた点だと思える。
少年の成長を追った『ロードノベル』
恋の感傷を引きずった主人公が、大学を休学して信州菅平のペンション「かむなび」に住み込みで働くうちに、地域の人たちとの交流を通して、本当の自分を見つける姿を描いた作品。
著者特有ともいえる作中人物の心理描写は繊細で、ちょっとした所作や言葉の中に、その人の意思を感じ取ることができる。洒脱な人柄の「園主」や闊達な気性の瞳子など、人物造形もしっかりとされていて好感を抱かせる。
上下巻に分けられた長編小説であるが、会話中心のさっくりした文体はとても読みやすい。
家族や友人など人との繋がりや社会との係わり方などを、いろいろな立場の人たちを使って、いろいろな形で表現されているので、幅広い年齢層で読める作品に仕上がっていると思う。
読みやすい。
主人公は「僕」で、著者は女性なのに、男の視点から書かれている。
なのに本当に自然な気持ちが書かれている気がして、村山さんて不思議な人だと思った。
場面設定や状況の説明は簡単に書かれているのだが、とても上手くて読みやすい。また、登場人物はたくさん出てくるが、混乱すること無くすんなり読める。
この登場人物の感情もそれぞれあるが、理解できる人物達だ。
これは、心の闇を抱えた人たちが、段々とそれを克服して行く話だ。それと共に、読んでいる自分も最後にはすっきりした気持ちになれた。
時々私は、落ち込んだ時にはこれを読み返して、晴れ晴れした気持ちを取り戻している。

この小説を読んで村山さんの小説のファンになりました。
一言が心にしみる本でした
「失恋の痛み」なんて表現すると陳腐ですが…。
それをここまで描けるなんてこの人すごい!!と脱帽しました。
祐介の心理描写はもちろんですが、園主のキャラがきいてますね。
心が疲れたときに読みたくなる、そんな本でした。
これからに期待をこめて星4つで(^^)
読み終わるのがおしい一冊・・
 主人公の少年を中心に、淡々と描かれている人間模様。幸せって、その人にとっての幸せの”かたち”があることをつくづく実感させられました。学校にいけなくなった少女、そんな非社会的な娘に対し世間の目ばかり気にする母親の葛藤。野生児のように生きながらも、誰よりも深い悩みを抱える人。生きることは単純じゃなくて、それは仕事とか、夢とか、人間関係とか、恋愛も全部ひっくるめて・・・静かに考えさせられるこの本をぜひ読んでほしいと思います。最後に、テンポの良さと、独特な人物像、ところどころにあるユーモアに、笑わずにはいられないことをお約束します!



すべての雲は銀の… Silver Lining〈下〉(講談社文庫)
村山 由佳長崎 訓子
価格: ¥620 (税込)

文庫
出版社: 講談社
発売日: 2004/04
ISBN: 4062747545
おすすめ度:3.5
Amazon ランキング: 171325位
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

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「普通」の小説
作中で述べられている言葉に、およそこんな意味あいの言葉があったと思う。
好きな人と死に別れるのと、生き別れるのと、
どっちが痛いのだろう。という言葉だ。
昨今、好きな人と死に別れる痛み、というものに焦点があてられている。
しかし、この小説は生き別れの痛み、に焦点を置いた作品だ。
筋に目を奪われるような面白さは、本書はあまり含んでいない。
北上次郎氏が述べている通り、本書は「普通」の小説である。
筋を追う楽しさよりは、会話文、地の文、人物描写の魅力が詰まった、
活字を追うことそのものを楽しむ小説である。
失恋の痛みを抱えた祐介が再生していくというだけでなく、
生きていれば必ず負う痛みを、生きていくことそのものを、
描き出した作品ではないかと思う。
村山由佳だからこその傑作
この作品を読み終えたとき、本当に驚きました。
村山由佳は、どうしてこんなにも美しい直球が投げれるのだろう?

北上次郎氏は解説で「本書は失恋の痛手をかかえた大学三年生の祐介が、信州の宿にアルバイトでやってきて、そこで再生していく物語である。」と書いています。まさしくその通り、そんな話です。つまり、ものすごく基本的な話なのです。
失恋は苦しいんだよ、って。それだけのことを、こんな素晴らしい形で表現しきれる。どうしてこんなことができるんだろう?
個人的に、この作品は現時点での村山由佳最高傑作だと思っています。

そっと、大切に、心の中にしまいこみたい優しい作品でした。

個々の経験
少し味気ない感は否めません。
でもその味気なさは読者の経験によって
深みを増すのではないかと思います。

物語は主人公がハッピーエンドのスタートラインに立とうとする所で終わります。
完璧なハッピーエンドではないけれど、微かな希望が見えるわけです。
現実でもそういうことの方が多いですよね・・

うーん
いまいち、主人公の内面が僕には伝わってきませんでした。
「翼」や「海を抱く」は、そんなことはなかったのに。
でも、それは感性の問題なので、きっとこの作品が面白いと感じる方もいるのでしょうから、星3つ。
少し表面的か
村上由佳の作品はいろいろと読んでいるが、この作品は珍しく深みが足りない。彼女のいつもの洞察力に切れがなく、少し残念だ。



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