百人一首のナゾについてはかつてかなり論争があったようですが
近年ではやはり、定家がこの百首に暗号を隠していることはまずないだろう
という見方に落ち着いたようです(かなり控えめに表現してます)。
ただ、百人一首に興味を持つ入り口としてはとても良いかと思います。
ひとつずつの歌に込められたストーリーは暗号などなくても十分に魅力的な秀歌選です。
さて、ただ殺人事件のほうはいかがなものか。
フェア、アンフェアなんてどーでもいいがあの結末を良しとするなら
とてもじゃないがミステリとはいえない。
作者の世界観が偏りすぎてて論理の展開も強引。読んでて清涼院流水を思い出した。
殺人事件は単なるおまけなので、不可能犯罪だの密室だのを期待してはいけない。
QED―百人一首の呪 (講談社文庫)
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今年一番はじめの本紹介は今まで読んだことがなかった高田崇さんという人の「QED」シリーズの第一作です。けっこう人気シリーズで、森博嗣や浦賀和宏、殊能将之、舞城王太郎、新堂冬樹らと同じく講談社のメフィスト賞出身者ですが、その中でもかなり上に位置する方のようです。
さて、作品内容ですが、シリーズの基本的パターンしては、殺人事件とそこで提示される歴史的な謎を主人公たちがといていくというのが基本パターンのようで、主人公は今作の主人公であった、漢方医の桑原崇、その大学時代の後輩で別の病院で薬剤師をしている棚旗奈々のコンビが今後も活躍する模様です。シリーズ第一作ということでたぶんに顔見せ的な感じで本書では二人のキャラが紹介されていました。
後ろぐらいところもありつつも、株式投資で巨万の富を築いた真榊大陸(だいろく)。彼は年に一度正月にだけ家族が集まる自宅、通称カルタ屋敷で後頭部を殴られて死亡した。彼は死に際して、手近にあった五枚の百人一首カルタの中から一枚のカルタをダイイングメッセージとして握りしめて死んでいた。果たして、その一首が意味するものは何だったのか?
ということで、Q.E.Dのシリーズ第一作を読んでみましたが、蘊蓄の量が半端ではありませんでした。京極夏彦の京極堂シリーズに勝るとも劣らない圧倒的な知識量で高田氏は物語を作り上げていきます。しかも、本当の歴史的な謎として残されていた「百人一首はなぜ百人一首なのか」「そして、どうして歌の内容がこんなによくない駄作が含まれているのか」を奇麗に一つの論文として小説の中でまとめきっています。これには、圧等されるとともに脱帽してしまいました。自分がたまたまこちら方面に詳しくないだけかも知れませんが、百人一首に限らず全ての歌集というものの見方、読み方、組み立てにここまで深い意味や隠されたことがあったのかと目から鱗が落ちる思いでした。単に自分があまりに無学だという話かもしれませんが、本当に打ちのめされた気分とともに高揚感をもって読みました。
ただ、惜しむらくはそれくらい高いレベルの蘊蓄(余談ですが北村薫氏も解説でこれについては絶賛していました)を入れていっているだけに、逆にミステリ、殺人事件の部分がちょっとチープというか薄すぎる気がして、そのギャップ・落差が気がかりでした。ミステリ部分が今後強くなっていくのかどうかわかりませんが、もし弱くなっていくとしたら、ミステリは添え物として読む方向になっていくかも知れません。
ということで、今後の作品を読んでみてということで評価は5の3にしておきます。
さて、作品内容ですが、シリーズの基本的パターンしては、殺人事件とそこで提示される歴史的な謎を主人公たちがといていくというのが基本パターンのようで、主人公は今作の主人公であった、漢方医の桑原崇、その大学時代の後輩で別の病院で薬剤師をしている棚旗奈々のコンビが今後も活躍する模様です。シリーズ第一作ということでたぶんに顔見せ的な感じで本書では二人のキャラが紹介されていました。
後ろぐらいところもありつつも、株式投資で巨万の富を築いた真榊大陸(だいろく)。彼は年に一度正月にだけ家族が集まる自宅、通称カルタ屋敷で後頭部を殴られて死亡した。彼は死に際して、手近にあった五枚の百人一首カルタの中から一枚のカルタをダイイングメッセージとして握りしめて死んでいた。果たして、その一首が意味するものは何だったのか?
ということで、Q.E.Dのシリーズ第一作を読んでみましたが、蘊蓄の量が半端ではありませんでした。京極夏彦の京極堂シリーズに勝るとも劣らない圧倒的な知識量で高田氏は物語を作り上げていきます。しかも、本当の歴史的な謎として残されていた「百人一首はなぜ百人一首なのか」「そして、どうして歌の内容がこんなによくない駄作が含まれているのか」を奇麗に一つの論文として小説の中でまとめきっています。これには、圧等されるとともに脱帽してしまいました。自分がたまたまこちら方面に詳しくないだけかも知れませんが、百人一首に限らず全ての歌集というものの見方、読み方、組み立てにここまで深い意味や隠されたことがあったのかと目から鱗が落ちる思いでした。単に自分があまりに無学だという話かもしれませんが、本当に打ちのめされた気分とともに高揚感をもって読みました。
ただ、惜しむらくはそれくらい高いレベルの蘊蓄(余談ですが北村薫氏も解説でこれについては絶賛していました)を入れていっているだけに、逆にミステリ、殺人事件の部分がちょっとチープというか薄すぎる気がして、そのギャップ・落差が気がかりでした。ミステリ部分が今後強くなっていくのかどうかわかりませんが、もし弱くなっていくとしたら、ミステリは添え物として読む方向になっていくかも知れません。
ということで、今後の作品を読んでみてということで評価は5の3にしておきます。
呪とか安倍晴明とか言われると、どうも京極夏彦なんだが、今回たまたま平安・鎌倉あたりの史実を取り上げたから重なっただけなのかな。
わかんねぇや。似てるっちゃ似てるし。
しかしまぁ、京極夏彦よりも圧倒的にパズルだ。
なんつっても、歴史解説しながら事件解決なのかと思いきや、百人一首の謎解きに没頭して話が終わるんだから。
現実の事件として紹介される事件の現実味の薄いこと。扱いの軽いこと。
いいんかこれで。いいみたい。・・・・と納得するしかないくらいの堂々たる掟破りっぷりだ。
でも、百人一首曼荼羅だけ語られても味気ないし、奇病だらけ家族の殺人事件くらい挟んでてちょうどいいかもしれない。
それはいいかもしれないけどさー。それよりもさー。
登場人物の喜怒哀楽表現が、全部ヘン。
とにかく誰にも感情移入できない。
パズル楽しめればいいって言っても、こう前衛劇団の団員のような人物ばっかりだと疲れるよ。
歴史上の登場人物の方が、いきいきして人間臭く感じるのは、これも作者の戦略なのか
わかんねぇや。似てるっちゃ似てるし。
しかしまぁ、京極夏彦よりも圧倒的にパズルだ。
なんつっても、歴史解説しながら事件解決なのかと思いきや、百人一首の謎解きに没頭して話が終わるんだから。
現実の事件として紹介される事件の現実味の薄いこと。扱いの軽いこと。
いいんかこれで。いいみたい。・・・・と納得するしかないくらいの堂々たる掟破りっぷりだ。
でも、百人一首曼荼羅だけ語られても味気ないし、奇病だらけ家族の殺人事件くらい挟んでてちょうどいいかもしれない。
それはいいかもしれないけどさー。それよりもさー。
登場人物の喜怒哀楽表現が、全部ヘン。
とにかく誰にも感情移入できない。
パズル楽しめればいいって言っても、こう前衛劇団の団員のような人物ばっかりだと疲れるよ。
歴史上の登場人物の方が、いきいきして人間臭く感じるのは、これも作者の戦略なのか
●初回は歴史探索というよりパズルの絵解きですね。なるほど札のほかにあんなものもいるなんて。●しかし定家と後鳥羽院の関係は分かりましたが定家と他の歌人、後鳥羽院と他の歌人そして京都と鎌倉の関係ももうちょっと知りたかった。●百人一首は非業の最期を遂げた人物がなぜか多く撰ばれているようですがその中であるキーになる人について理由は分かりました。がなぜキーを握る人以外にまでその種の人間が占める必要があったのでしょうか。●百人秀歌のパズルまでついでに解いてしまったのですが〜一首にはいない4人の歌人がこちらでは重要な役割を果たしています。しかしなぜその4人に白羽の矢が立ったのか、私にはとてもではないけれどあまりなじみのない人物なので凄く気になりました。●定家はなぜこんなことを企てたのか企ての意味は分かりましたが企ての動機がまだ闇の中です。続刊で定家が再び登場しますがやはりまだその謎には触れませんでした。●こういうことを考えたのは定家だけだったのか他にもそういう歌人や撰者というのはいたのではないか、特に勅が出ているような場合、タタルの考察をちょっと伺いたかったですね。●著者はシリーズを通じて井沢さんの本も結構参考にしておられるようですが言霊についてはまったく異なる見解のようです。即物的な解釈ですが呪についてある一定の効果を認めるような発言をタタルが述べています。
作者のデビュー作で、メフィスト賞受賞作。この賞の受賞作は出来不出来が激しく、また遠い将来性を買ってのものが多いので注意が必要だが、本作は平均点程度か。本作をキッカケにして「QEDシリーズ」というシリーズができた。選考委員の予見は正しかった訳だ。
ある屋敷で殺人事件が起きるのだが、これは添え物で、本筋は百人一首の並び替えにある。これは織田正吉氏が「絢爛たる暗号」という本で初めて発表した説で、百人一首にまつわる謎を分析した結果、百人一首は一首づつ単独で選ばれたものではなく、総合してある絵巻が出来上がるよう選ばれたという画期的な説である。百人一首は元々屏風絵用に選ばれたものなので、単独でも絵柄が美しく、それを組み合わせれば絢爛たる絵巻になるのだ。作者はこれに挑戦したのだろう。ただし、私の見たところ織田氏の説には遠く及ばないものだった。一番の基本である選者定家に関する考察が抜けていて、一人よがりなのだ。
本書を読んで、ミステリと歴史の謎の組み合わせに興味を持たれる方が増えれば、作者も本望であろう。
ある屋敷で殺人事件が起きるのだが、これは添え物で、本筋は百人一首の並び替えにある。これは織田正吉氏が「絢爛たる暗号」という本で初めて発表した説で、百人一首にまつわる謎を分析した結果、百人一首は一首づつ単独で選ばれたものではなく、総合してある絵巻が出来上がるよう選ばれたという画期的な説である。百人一首は元々屏風絵用に選ばれたものなので、単独でも絵柄が美しく、それを組み合わせれば絢爛たる絵巻になるのだ。作者はこれに挑戦したのだろう。ただし、私の見たところ織田氏の説には遠く及ばないものだった。一番の基本である選者定家に関する考察が抜けていて、一人よがりなのだ。
本書を読んで、ミステリと歴史の謎の組み合わせに興味を持たれる方が増えれば、作者も本望であろう。



