めまぐるしい現代の中にあっても、そこにはゆるやかで静かな時が流れていた。
軽井沢の雪解け、柔らかな暖かさを与える冬の太陽。
自然と人間とを添わせるように描いているさまが心地よい。
若いのに生きながら死んでいるような義彦と、年は取っても生への欲望漲る義父・英二郎との対比。二人に翻弄される悠子。
義彦が生きる意味を見つけつつあった時、義父の死が悠子と義彦を分かつ。互いを思うが故に貫き通す哀しく切ない愛。
ラストは読者すべてが悠子に感情移入したであろう。
冬の伽藍 (講談社文庫)
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小池真理子を読むのはこれで3作品目くらいですが、
過去の痛手を抱えながら、医師”義彦”を愛する半面、同じく医師の義父にどうしようなく惹かれる主人公の気持ちに深く入り込んで共感できた。
(義父がなかなか魅力的に感じました。)
ストーリーはどんどん切ない展開になっていきますが、
絶望的な中でも再会し、抱擁し合う彼らの姿が目に浮かぶような。。
そんな、もらい泣き作品でした。
過去の痛手を抱えながら、医師”義彦”を愛する半面、同じく医師の義父にどうしようなく惹かれる主人公の気持ちに深く入り込んで共感できた。
(義父がなかなか魅力的に感じました。)
ストーリーはどんどん切ない展開になっていきますが、
絶望的な中でも再会し、抱擁し合う彼らの姿が目に浮かぶような。。
そんな、もらい泣き作品でした。
この作品を読んだ時、小池真理子の印象は180度変わった。
物語は3章構成。
1章では、主人公である薬剤師の悠子と、医師である兵藤義彦の出会いと悲劇の幕明け。2章では、悠子と義彦の手紙のやりとり。3章は悠子の親友である摂子の視点から物語が綴られている。
悠子は夫を交通事故で亡くした女であり、義彦は妻に自殺された男である。義彦の義父で好色な英二郎とその内縁の妻・聡子、悠子の親友である摂子とその夫、義彦を慕う慢性白血病と闘う少女などが登場するが、周囲の登場人物の数は決して多くはなく、物語りの長さを考えればむしろ少ない。
そんな中で、冷えた魂を抱えた悠子と義彦が、どのようにしてその魂を徐々に溶かし、熱を帯びて燃え上がっていったのかを綴り、そのために起こった悲劇と、その後の再生を綴った後半の物語は、最後の場面に向かって時にもどかしいほど緩やかに進んで行く。是非読むべし!
小池真理子さんの恋愛ものはほとんど読んでいます。
『禁断の恋』が描かれている事が多いと思うのですが、今回は恋に落ちても別に問題のない二人の話です。
と、思ったら!!!そんな二人の間に義父が加わり、一気に禁断の恋(?)が始まるのです!
『禁断の恋』が描かれている事が多いと思うのですが、今回は恋に落ちても別に問題のない二人の話です。
と、思ったら!!!そんな二人の間に義父が加わり、一気に禁断の恋(?)が始まるのです!
普通に考えれば、近くに愛しい・美しい男性がいるのに、何故老人に惑わされるの?と疑問を持ってしまいます。
しかも、彼の義父です。初めは「絶対ありえない!」って思っていたのですが、
読んでいくうちに彼女の揺れる気持ちがとても良くわかりました。
男性から見ると「浮気性」「尻軽女」のように思われてしまうかもしれませんが、
同じ女性として、彼女の先生を愛する気持ちの半面で、義父を断れない気持ちは理解できました。
同じ立場に立ったら、きっと私も断れないと思います・・・
ラストシーンはとても美しく、続きが読みたいな~と思いました。
自分でストーリーを作るより、小池真理子さんがどう書くかを読んでみたい。と思わせるラストでした。
かなりあり得ない話なのにどうしてこんなにリアルなのでしょう?!「好きな男の養父の誘いに乗る女なんて…」と思うかもしれないですが、悠子が誘いを断れなかった気持ちも読んでいたらリアルに伝わってきます。むしろ悠子が「性」の象徴である兵藤英一郎に惹かれなかったらしらけたはず…だってそれが人間らしさだと思うから。しかし二章・三章での悠子の一途さは圧巻です。「ここまで一人の男を思い続けるってどういうことだろう…」と胸が締め付けられます。ラストは気づいたら泣いていました。ドロドロの話だったはずなのに、読後は何故かピュアな気持ちになるんですよ。オススメです。



